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光合成で栽培は決まる

このnoteをご覧頂きありがとうございます。

前回の記事では大枠の理論として、【生物生態系】と【環境生態系】という2つの生態系と農業における4つの課題について述べさせて頂きました。

今回は4つの課題のうちの1つである「光合成の阻害」について、
【光】と【植物】の関係性を交えて説明させて頂きます。


【光合成の仕組み】

学生時代、化学で赤点をたたき出していた私にとって【光合成】とは、

「植物が二酸化炭素を吸い込み、酸素を吐き出すというとても良い行為。」

という認識でした。
間違ってはいないけど、人間目線のみで全くの情報不足という感じ。

しかし、インターネットやら論文やら化学の本を読んでみても、実のところ光合成の理論について完全には解明ができておらず、
エネルギーがどういった回路で発生し、どうやって活用されているのかなど化学式で表されているくらいです。

出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

細かな化学式での理論は割愛させて頂きますが、植物目線では光合成を行うことでどういうことが起こっているかわかる範囲で説明したいと思います。

【光合成の目的】

生態学理論において【植物】が「光合成」を行う目的とは何かというと

  1. 光エネルギーによって大気中の二酸化炭素(Co2)と窒素(N2)と水(H2O)を吸収し、酸素(O2)を吐き出すこと

  2. 光エネルギーをでんぷんからショ糖に変換し、根を通して土壌の微生物に養分を渡すこと

  3. 微生物へ養分を渡した代わりに、成長に必要な養分をその都度もらうこと

大きく分けると目的はこの3つになります。

簡単にいうと、

1.光合成で糖作るよー
2.作った糖を微生物にあげるよー
3.微生物に糖あげたらご飯作ってくれたよー

こんな感じです。

生物生態系の関係性

ということは、光合成ができないときは、

1.糖できないよー
2.糖作れないから微生物にあげないねー
3.微生物に糖あげなかったら怒ってきた!

となるわけです。

生物生態系の悪い関係


重要なのは「子孫を残すこと」

光合成エネルギーが足りなかったり、
分解する有機物が足りなかったり、
消毒されまくって殺されかけたり、

こんなことが起これば【微生物】さんたちは自分の子孫を残すために戦うわけです。

植物が枯れれば有機物となり養分になるし、
動物が死ねばそれも有機物となり養分になります。

物理的なことは仕方ないとして、植物も動物も死ぬ大きな要因は病気です。

その病気の原因は菌によるものが大半を占めています。

つまり、光合成をきちんとする目的は、
共生関係にある【微生物】さんたちにエネルギーを渡すことで仲良しになり、代わりにご飯も作ってもらおうということになります。

仲良しであれば病原菌飛ばしという攻撃をされる心配もないんです。
仲良しであればご飯もいっぱい用意してくれます。

この【植物】と【微生物】の関係については、次回詳しく述べさせて頂きます。

【光合成ができていない】

前回、農業における4つの課題の1つとして、大気汚染による「光合成の阻害」と説明致しました。

【植物】は【光】があたっていれば暑かろうが寒かろうが光合成をしていると思っている方がいます。
もちろん【光】があればどんなに暑くても寒くても多少は光合成を行っています。

しかし、昨今の環境下において、光合成ができなくなってきました。
その理由は3つあります。

1つめが温度です。

植物による差異はありますが、基本的に日本で栽培されている野菜のほとんどは35℃を超えると光合成ができなくなります。

理由としては

水分の蒸散を防ぐために葉を畳んでしまい、【光】のあたる面積が減ること

紫外線が強すぎて、葉の表面が火傷状態となり光合成ができない葉になってしまうこと

これは環境悪化による弊害が出ているといえます。

ちなみにここ数年で山から降りてきた熊などの獣害被害が多発していますが、これも光合成ができていないことが原因です。

山の中の植物が光合成できておらず、どんぐりなどの食べる実が減っているからです。
もちろん要因としては他にも酸性雨や温度など様々なものも複合的に関係しています。 

2つめは、日照不足です。

天候不順による豪雨や曇天の長期化が至るところで発生しており、光合成ができていない時間が長くなっています。

数日程度の雨や曇天であれば、蓄えた光合成エネルギーを活用するため問題ないのですが、
一ヶ月雨模様などが続くと光合成に必要な日照時間が足りずに病気が発生したり、生育不順になることがあります。

3つめは、消毒です。

殺菌剤を葉面散布で使用することがあると思います。
しかし、実は消毒により光合成を行う能力が格段に落ちています。

その理由として、葉の表面についている光合成細菌までも殺菌して抑制してしまうからです。

光合成細菌とは、光合成を行うことのできるバクテリアのことで、葉緑体となっている細胞の中にもこのバクテリアが存在しています。
具体的な説明については後日するかもしれません。

この光合成細菌は土壌の中にも植物の表面にも存在しており、光を浴びることでエネルギーや酸素などを生み出すことがわかっています。

つまり、消毒をすることにより土壌や葉に存在する光合成細菌を抑制してしまい、本来の光合成エネルギーが得られないこととなり、エネルギー不足を引き起こしているということです。

環境が崩れていない状態であれば、殺菌して光合成細菌が抑制されていようと、
植物自体の葉緑体によってエネルギーを生み出し、肥料を地面に施肥することで育つことができました。

しかし、高温や強過ぎる紫外線、長期化する豪雨や曇天など様々な要因で光合成ができない状態になってきています。

光合成ができないと微生物は攻撃してきますし、植物自体も養分や水分を吸い上げることができなくなります。

つまり、いくら肥料をやったところで光合成ができなければ無駄になるのです。
むしろ、虫が湧く原因や連作障害の原因になります。

では、どうしたら光合成の阻害を抑制できるのか。

光合成ができていた自然と現在の農業

【光合成のお手伝い】

光合成ができないのであれば、光合成の代わりになることをしてあげれば良いんです。

光合成の目的といえば、上記で述べたように微生物に糖を与えることですよね?

つまり、葉にいる光合成細菌に対して養分を与えてあげましょうと。

弊社リゾームアンドルーツでは「クロロリキッド」という高温に強い薬草や寒さに強い薬草、抗酸化力の高い薬草などを培養した葉面散布剤を製造していますが、
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とにかく光合成細菌に養分を与えることです。

光合成さえうまくできれば、基本的に病気になりにくくなりますし、肥料いらずで生育も良くなります。

しかし、光合成が良くできても【土】に【微生物】がいないと意味がありません。
次回、「微生物の死滅」の原因とその対策について述べていきたいと思います。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

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