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【読書】奇想天外な目と光の話

最近よく水族館でカラフルにライトアップされているクラゲ。
あれは、眩しかったりストレスだったりしないのだろうかと思っていた。

私があんな風にカラフルに照らし出されたら、眩しいし疲れるし何が何だかわからないし絶対にやめてほしい。
ふわふわと流されるままに漂うクラゲたちは、あの光に何を感じているのだろうか。

結論を言ってしまえば、クラゲは何も感じてない。っぽい。
なぜならば、彼らには脳がない。ストレスを感じるという高等技術は持ち合わせていないのである。

しかし、クラゲたちは光を感じ取ることはできると言われている。
その詳細はわかっていないため、光の有無がわかるのか、色を見分けられるのか、みられる光の範囲はどのくらいなのかは現在は謎のままである。

でももし色が見分けられるのであれば、やっぱり多少、気は散っているのかもしれない。
散ったところでどうとでもない気だろうけれど。


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生物のスペックは、能力×脳で決定されると私は思う。

前述のクラゲは、光を感じる能力はあるけれど、その情報を処理する脳がない。
反射的な応答はできてもそれ以外の反応はおそらくできない。

一方で、人間は、可視光と呼ばれるごく一部の光しか感じることはできないが、脳の情報処理技術がとても優れている。
そのため、細かな色を見分けたり、信号のようにそれぞれに意味を持たせ行動を変えることができる。

じゃあ、人間よりも優秀な目に人間の脳が合わさったら?

例えば、シャコは人間の倍の色を見分ける能力がある。
けれども、脳の作りが単純なため実際には人間より大雑把に色を識別していると言われている。

このシャコの目の情報を、人間が処理することができたら、色は何種類増えるのだろうか。
その人に見える世界は、どんなものになっているのだろうか。
その能力が標準化されたら、信号の色は何色になるのだろうか。

色が多く見分けられるシャコの目、紫外光が見える蝶々の目、動くものに敏感なカエルの目。
それぞれの目からの情報を人間の脳で処理したら、どんな世界が見えるのだろう。

人造人間やキメラの発想はこういう好奇心から始まったんだろうなと、サイコパス味のある感想を抱いた。


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私が見える世界は限られている。
赤外線も紫外線も見えないし、視野も狭い。
色を意分けられる範囲は限られていて、何かを透視することもできない。

人は生活の8割を視覚からの情報に頼っているらしいけれど、その目は動物の種類の数、もしかすると各個人の数だけ違いがあって、曖昧で不確実なものなのかもしれない。

私の世界とあなたの世界は、実は全然違うかもしれないね。



おわり。

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