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「俺たちは参入戦に出場できるレベルだったのか」 3年沖綾

平素より大変お世話になっております。
今年度主将を務めさせて頂きました。沖綾です。

本来であれば関東参入戦の期間中にこのブログを出す予定でした。
そこではいつもどおり私の情熱(私の別名は沖パッション綾と言います)で部員を鼓舞しようと思っていました。

しかし、運営上のミスにより参入戦に出場することは出来ず。

ほぼ完成していた熱い熱いブログはお蔵入りとなりました。そこで伝えたかったことは日々の練習の中で部員に伝えていきたいと思っています。

また、今年の代のブログは私で最後となります。
今まで仲間たちのブログを読んできましたが、どの部員も自分の想いを言語化するのが上手で、「やっぱり優秀だな」と思っていました笑
自分も他の部員に負けないよう、難しく、かっこいい言葉を沢山使おうと思っていましたが、自分は自分。人は人。自分が持っている言葉で伝えたいと思います。

よろしくお願いします。

今年は「協争心」というテーマを掲げた。
「全員で部活を創り、仲間や相手と争う。そして、常に熱い気持ちを持ってプレーする。」
これは当時、横国サッカー部に足りていなかった「全員で運営すること」と「死ぬ気で戦うこと」を改善するために立てた目標である。

そして、このテーマを達成するためにも組織改正を行い、体制を整えた。また、メンバーの選考は上手さではなく「戦えるか戦えないか」で選び、練習中には球際で強く当たれない選手や体を張って守備をすることの出来ない選手、切り替えの遅い選手には厳しい要求をした。

結果として、運営面では主務や各課長を筆頭に仕事の管理体制が徹底され、以前に比べて安定感が増していた。また、同期のメンバーが自分の仕事に責任を持ち、更には先輩や後輩など、他の部員を巻き込んで仕事をしてくれていることがとても嬉しかった。誇りに思えた。

広報活動ではYouTubeやTikTokへの参入や元町・中華街でのシーズンムービーの作成、ポスターの作成やHPのリニューアルなど、様々なことに挑戦した。
応援して下さるスポンサーも増えた。とりがおか歯科様、最強DFしょうごBOSS様、そして鍼灸サロンRepos様。実際にお話しさせて頂く中で部の活動に興味を持って頂き、契約を結ぶことが出来た。

YNUS活動では「本当に理念に沿った活動が出来ているのか」という思いから、練習時間や月謝の設定、保険手続きや保護者の連絡など、全ての活動を自分たちで行う新制YNUSが発足した。

また。サッカー面では完璧ではないが、戦うためのマインドや試合前の雰囲気の面で部員に変化がみられた。また、球際の強さや体を張った守備、切り替えの速さなどでも向上しているのを感じていた。
戦績としてもトップチームは35年ぶりの県リーグ優勝。Bチームも初のサタデーリーグチャンピオンシップに出場することが出来た。


このように、運営面とサッカー面どちらにおいても前に進んでいるのを感じていた。
そして、自分たちの中に「参入戦でも戦える」という気持ちが芽生えてきていた。
私自身も、高揚と緊張が混ざった変な気持ちで毎日を過ごしていた。

そんな中、組み合わせ発表当日の朝に出場資格取り消しのメール。

この1年間、「勝つ」ために誰よりも部のことを考え、誰よりも声を出し、誰よりも悩んだ。不器用なりに必死になって部をまとめてきた。
そしてやっとのことで掴んだ県リーグ優勝と参入戦の切符。それはあっけなく消えた。

なんだか、この1年やってきたことが否定された気がした。
体中の力がスッと消えたし、自分の胸の奥にある熱い気持ちが人生で初めてなくなった。

そして何よりも応援して下さっていたスポンサーの方々やOBの方々に合わせる顔がなかった。今年こそは35年ぶりの県リーグ優勝、関東二部昇格という「結果」で恩返しをしたかった。感謝の気持ちを伝えたかった。

しかし、参入戦を戦うことも出来なかった。
俺たちの代は戦わずして終わった。
なんで今までわからなかったのか。
なんで1年間戦ってきた結果が全て0-10に変わるのか。

悔しさとは違う虚無感のようなものをずっと感じていた。

参入戦がなくなってからの練習、「最後まで強度高く取り組もう」と話していたくせに、自分が一番強度低かった。ごめん。
気持ちが全く切り替えられなかった。

物事はそう簡単にはいかない。
何がダメだったのか。何が足りてなかったのか。
今までの人生の中で、ここまで結果を出せなかったのは初めてだった。


2週間ほど経ち、自分の中でも少し整理がついた。
その中で思ったことがある。それは

「俺たちは参入戦に出場できるレベルだったのか」

ということ。

このブログを読んでいる部員も今シーズンを振り返って欲しい。

本当に全員で横国サッカー部を創れたのか?
自分は横国サッカー部に貢献できたのか?
サッカー部の活動に主体的に取り組めていたのか?
毎回の練習に死ぬ気で取り組めたのか?
最後の最後まで体を投げ出して守備をしていたのか?
「自分がこの試合を決める」という想いで攻撃をしていたのか?
試合の残り1秒まで走りきれていたのか?

本当にチーム一丸となって戦えていたのか?

全員が「関東二部昇格」を意識して取り組めていたのか?

どうだろう。多くの部員が自信を持って「はい」と言えないだろう。

多分、俺たちはまだ参入戦に出場できるレベルではなかった。

そうなんだと思う。

俺はまだ参入戦に行ったことがない。
でも、いつも雑用がいるような組織。すぐに休む部員がいるような組織がいるようなレベルではないことはわかる。
部活をやっていない普通の大学生と自分を比較し、「頑張っているな、俺」と思っているような人がいるレベルではないことはわかる。

参入戦のレベルというのは関東二部の選手と自分を比較し、「足りてないな、俺」と思っている選手がいるレベルなんだと思う。

この組織は以前よりも強くなっている。影響力も大きくなっている。
この1年でより進化することも出来た。
でも足りない。俺らが目指している所には届いていない。

そう思った。

じゃあ、俺らが目指しているレベルに達するにはどうすれば良いのか。
上に書いた意識の部分も当然変える必要がある。
そして何よりも「全員が自らチームのことを考え、チームのために行動する」ことが必要不可欠だと考える。

監督のいない、学生だけで運営している組織だからこそ、1人1人の重要性は非常に高い。
チームのために行動するのはサッカー面だけではない。運営面だってそうだ。
全員が部を支えるという意識で取り組まなければすぐにボロが出る。


1、2年生に伝えたい。
1人1人がもっと部のことを考えてアクションを起こして欲しい。
この組織の一員であるという自覚と責任を持って行動して欲しい。
もっと上を向いて欲しい。


俺は今のこの組織に満足していない。
もっと強くなりたい。この組織を誇りに思いたい。
参入戦に出場出来るレベルにしたい。
そのためにもチームのことを考え、行動する。

主将は終わったけど、チームを想う気持ちは変わらない。
来年のブログで「参入戦に出場出来るレベルになった」といえるように。


横浜国立大学体育会サッカー部 71期主将 沖 綾

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