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「想夫恋」と「カタイシリ」

「うわあ、カッチカチ!これは固いですネェ!
こんなにカチカチなのは久々ですヨォ!」

僕のおしりを触りながら中年のおじさんがテンションをアゲている。(僕もまごう事なき中年ですが。)その時どんなリアクションを返せば良かったのか。その答えは今もわからないままなのです。
-七月某日、整体医院にて-


さて、与太話もほどほどに。

『焼きそばにあって焼きそばにあらず。』

大分県は日田が産んだ情熱と伝統のソウルフード。『想夫恋焼』をご存知でしょうか。

お店の名前は「想夫恋」。九州ではその名を知らぬ者はないと言っても過言ではない超有名店。

こちらで提供されている焼きそばの名前が「想夫恋焼」なのですが、とにかくコダワリがすごい。コダワリがすごすぎちゃって最初ちょっと意味がわからないくらいなのです。

例を挙げますと、想夫恋いわく、、、、

『炒めてしまったらそれは「焼きそば」』
『麺を焼くときは最初は鉄板、あとは雲』

なのだそう。

どういうことだ?
と首を傾げたくなりますが、謎を解くカギは独特の調理法にあります。

それは『麺を焼き付けてからふわっと焼きあわせる』というもの。

そのコダワリの焼き方で自家製の麺を香ばしく仕上げていくのですが、小麦の焼けた香ばしさと「かりっ」と「もちっ」の食感のコントラストがもはや芸術的。何度口に運んでも楽しく新鮮で、まさに唯一無二。

そして脇を固めるシャキシャキのモヤシとネギ。そしてジューシィな角切りバラ肉。(カルボナーラのパンチェッタみたいな形)それらを渾然一体の味わいへと導くのは、深いコクとキレの良さを兼ね備えた清々しい味わいのソース。そしてトドメに真ん中に落とす生卵ですからね。

『参りました。(早く食べさしてください。)』
としか言いようがないのです。

そして、このオリジナリティと品質へのコダワリを口にしたなら、確かにこれは「焼きそば」ではなく「想夫恋焼」なんだなと胃の腑にすとんと落ちるのです。

あ、気になった方は是非この想夫恋物語(マンガ仕立て)を見てください。
『想夫恋物語』
想夫恋焼に関してより深く理解することができます。そして、なんというか、いろいろと、面白いです。

「鉄板は雲だ!」
「あっ炒めてない!!」
などの名言が飛び出す、まことに秀逸な作品。

全国に店舗展開(関東にも一軒!横浜青葉店があります。)されていますが、なんとネット通販もできるみたいです。僕も今日知りました。すごく嬉しいですね、これは。

これなら家で作って『ぷしゅっ』ができますね。


焼きそばラヴァーの方にはぜひお試しいただきたい逸品です。


それでは、また明日。

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