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「太郎」と「鬼」

侮っていた。
「坂東みそ煮込みうどん?ハハハ、知らないね。」

侮っていた。
「わー、茶色いねえ。色気のカケラもないじゃないの。」

侮っていた。
「はいはい、どうせ味噌の味しかしないんだろう?まあ一口ね。」

すすり上げた瞬間に、僕は己の恥ずべき無知を知ることとなる。


「ばんどう、、、太郎ッ!!」



白菜、かぼちゃ、さつまいも、生姜の効いた鶏そぼろの旨味が溶け出す、こっくりした八丁味噌のスープがこしのあるうどん麺によく絡む。むぅ、うまい。

甘めに味付けされた椎茸が良いアクセントだ。そしてこれはなんだ?表面に浮かぶ旨味を湛えたフワフワした物体、、、、。これはもしや、、揚げ玉かッ!!!やられたっ!うまいっ!参りましたっ!

ということで、完全に一本取られた僕は、
ひたいに玉の汗を浮かべて一心不乱に鉄鍋の中身を平らげたのです。

恐るべし、ばんどう太郎。
お店の名前も素敵。

と、調べてみれば「坂東太郎」とは「利根川」の異名であり、「関東(坂東)」で「一番の川(太郎)」というなんとも勇ましい由来であったのです。


この一食をもちまして、
僕の中で『めんちゃんこ亭』と比肩する鍋焼きの銘店として、殿堂入りすることになりました。感動をありがとう。ばんどう太郎。


ちなみに「ばんどう太郎」と「めんちゃんこ亭」は、ロゴの顔もいい勝負でして。

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(「ばんどう太郎」公式ホームページより)

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(「めんちゃんこ亭」公式ホームページより。)

ばんどう太郎はなんとなく『坂東武士』のような出立ち。そして、めんちゃんこ亭はなぜか『鬼』なんですね。互いに身分は違えど、煮えたぎる鉄鍋料理にふさわしく猛々しいイメージを持っていますね。

世の中には管見な僕がまだ見ぬ「素敵なローカル麺チェーン」がまだまだあるみたいです。地方にお出かけする楽しみがまた一つ増えました。嬉しいです。


それでは、また明日。


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