#11 🔭Planar50mmF1.4 オールドレンズ

2024年7月19日 00:21

オールドレンズは、現行のレンズに比べて安いのが魅力のひとつになっている。それに加えて、それぞれが豊かな個性、癖の強い描写をする事もありひとつ買えば他にも欲しくなる。
安いので、気持ち的に手が出しやすいから尚更である。

（コーティングが弱い、設計が古く光学性能が劣っている事もあるかもしれないが、フィルムとセンサーでは同じ光学レンズでも写りが違う事がオールドレンズの描写に影響している、という情報をどこかで見たことがある）

以前に少し記事に出した、super takumarも数千円程度で買えるし、虹色フレアが出せたりするのでなかなか面白い。

そうなると、それぞれの描写を楽しむ為に買い漁るようになってしまうのである。オールドレンズ程防湿庫のスペースを圧迫する物は無いんじゃないだろうか？なんて思ったりもする。
（オールドレンズよりも、現行レンズで大口径望遠レンズの方がデカいし、そもそも防湿庫に入るのだろうか？と持ってない私としてはそちらの保管方法も気になるところである）

そんな事でオールドレンズに手を出した私がお気に入りとしているのが、今回紹介するPlanar 50mmf1.4である。今回の記事では以降プラナー50mmと表記を省略させてもらう。

プラナーとは

ドイツの有名な光学メーカーであるCarl Zeiss（今回の記事では以降カールツァイス）に勤めていたレンズ設計者のパウル•ルドルフさん。
彼が考案したレンズ構成の種類である。
レンズというのは、凸レンズ凹レンズの組み合わせで出来ているのだが、その並び方や順番をレンズ構成と呼ぶ。絞り羽の位置もレンズ構成の一部である。
写りにはそれに加えてガラスの材料やコーティング等も絡んでくる。
そして、ルドルフさんの考案したプラナーやテッサーは今も受け継がれている。現在販売されているレンズには、プラナーやテッサーを発展させたもの等もあると聞く。
かの有名なライカのエルマーと呼ばれるレンズも、テッサーが元となりその発展系とされている。

プラナーとは、ダブルガウス型と呼ばれるレンズ構成のレンズである。Wikipediaによると1896,1897年頃にプラナーF3.6なるレンズが発売されたのが最初のようである。
　

プラナー50mmについて

今回紹介するプラナーは、新生CONTAXブランドにおけるヤシカコンタックスマウントのレンズになる。
プラナーと名の付くレンズは多いので混同しないように注意して頂きたく思う。
以前に紹介した、カールツァイスとヤシカの提携により販売されたコンタックスブランドのフィルムカメラCONTAX aria。こちらとセットで使っているのだが、プラナー50mmf1.4AEJは1975年に発売されたのが最初で、おそらくCONTAX RTSというボディと同時期に発売されたと思われる。

発売時のキャッチコピーは、標準レンズの帝王。
今ではこのキャッチコピーが独り歩きしている様に少し思うが、名レンズなのは間違いない。
そのせいか、オールドレンズとしては高めの相場となっていると思う。
（とは言え、最近の相場は調べていないので私が購入した時はスーパータクマーの何倍もした記憶でこの記事を書いている）

レンズの種類

このレンズには、大きく4種類に分ける事が出来る。
MM と付くものは、プログラムオートとシャッタースピード優先モードでの撮影に対応している。
（カメラ側から絞り羽を操作できるようだ）
絞りリングに付いている絞り値の最大数字が緑色になっているものがそれに該当する。
（レンズ自体にはAEJやMMJという表記は無いので注意）
AEレンズに比べると後から発売された物になる。
その為か、AEレンズに比べるとマウントの強度が上がっていたり、逆光耐性が強いようである。

AEと付くものは、上記に対応していない為自動露出としては、絞り優先オートモードでしか撮影できない。また、絞り羽の形に特徴があって、手裏剣ボケという事で知っている人もいるかもしれない。

岩倉しおりさんという写真家の方が、よく使っているので、リンクを貼っておく。

炭酸に溶けていく夏 pic.twitter.com/PW4RhfHywB
— 岩倉しおりiwakura shiori (@Shiori1012) July 27, 2017

MMやAEとは別にJとGも表記に付くのだが、これは生産国を表している。
メイドインジャパンとメイドインジャーマニーである。日本製かドイツ製かという事だ。

という事で下記の4通りの組み合わせで分ける事ができる。
①AEJ②AEG ③MMJ④MMG

この中で私が所有しているのは、③のMMJレンズになる。

露出モードに付いての詳しい紹介は、以前の記事を参照して頂けたらと思う。

写りとしての違いは、ネットを調べると同じという話や違うという話が出てくるので、気になる人は調べてみると面白いと思う。
参考程度にリンクを貼り付けておく。

~~リンク先の記事が素晴らしいので、私の記事の存在意義が無くなりそうな気がしてくる。~~

プラナー50mmの都市伝説

今回記事を書くにあたり知ったのだが、AEレンズの初期のものには描写が凄く良い、当たりのレンズがあると言う都市伝説があるようだ。
582万台の初期ロットのものに存在しているらしいので気になる人は是非狙ってみてほしい。

実際のところは初期ロットの物は品質にバラツキがあった為に生まれた都市伝説という説もあるみたいなので、真実については私はわからない。

これに付いても詳しく記事にしている方が居たので、リンクを貼り付けておく。

今回の記事は、ちょっとリンクを貼り過ぎたかもしれない。
それだけこのレンズにはいろいろな人が思い入れを持ち、いろいろな逸話のある、歴史の深いレンズとも言える。
私自身はこのレンズを手にしてから3年程しか経っていないので、先人には頭が上がらない。

外観

最短撮影距離は0.45mで使いやすい。
絞り羽はF1.4からF16まで
F16のところが緑色になっている。

せっかくなのでいろいろなカメラに付けてみた。、

X-PRO3はこう見るとフィルムカメラの様に見えてしまう。
この一枚だけ、X-E4にて撮影。
後のカメラ写真はX-PRO3で撮影した。

富士フイルムのXシリーズよりは、
フルサイズのデジタルカメラで使う方が
ボケ具合は面白いレンズだと思う。

X-E4で使うには少し大きいと言う人も居るだろう
でも、私的にはまだ大きいとは思っていない。

どのカメラと組み合わせても見た目が良く、後述する通り写りも良いので、オートフォーカスが必要でなければかなり良いレンズだと思う。

描写

Planarとは、平面や平坦なという意味が有るらしく、中央部と端の部分で均一な描写になる傾向にあるようだ。

私自身は描写について、細かく語れる口では無いので上記はネットで調べた情報である。
個人的な感想としては、オールドレンズにしては綺麗な写りをすると言うのが素直な感想である。
パキパキしたシャープな描写では無いものの、自然なふんわり感と何より色の再現性が良いように思う。
素人の感想なので、真に受けないようにして頂きたいと思う。
つまり、今回掲載した写真から感じて貰えたらと思っている。

写真

フィルムカメラ(CONTAX aria)

デジタルカメラ（FUJIFILM X-PRO3）

デジタルカメラ（Canon EOS 5D）

このやわらかいふんわり感が好きだ。
富士フイルムのカメラを撮る時に最適かもしれない。
話は脱線するがDRブラックのX-PRO3は
指紋が残る渋さがある。
拡大すれば指紋までちゃんと見える。

マウントアダプター

デジタルカメラ、および他のマウントで使う際にはマウントアダプターが必要になる。

富士フイルムXマウント＝FX
ヤシカコンタックスマウント＝Y/C
↓
Y/C-FX
このように、対応したマウントの略称で書かれているので購入時には注意が必要である。
自分が使いたいカメラのマウントが何か調べておく必要がある。
マウントアダプター自体はバリエーションも豊富なので、探せばあるはずだ。

また、ヘリコイド付き、電子接点付き、オートフォーカス機能付き、のようなただただマウントを変換するだけでは終わらない物もある。
お値段はピンキリなので、用途に合わせてしっかり考えてから買うのが良いと思う。

こちらは、安いからと買ったマウントアダプター
ちゃんと問題なく使えるが、C/Y-EOSの物は
レンズのロックが弱くて
フォーカスリングなりを回すとそのままレンズが
取れるので失敗したと思う。
個体差なのかもしれない。

プラナーはMMJより、AEJだと安かったりするのでデジタルで使うのであればそちらでも良いかもしれない。手裏剣ボケを許せる場合に限るけど。
また、プラナー50mmf1.7というレンズもあるのでそちらならさらに安いかもしれない。
良かったら手元に1本は置いてもらえたらなと思う。

今回も読んで頂きありがとうございました。

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