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(連載:就活サバイバルNo.4)「別に行きたくなかったし…」就活に失敗する人の、危険な言い訳

ついに本格化した就活。慶應3年の美希は、OB訪問に説明会に忙しい。漠然と大手企業に行きたいと考えており、手広くやっているが…。果たして彼女は、内定を掴むことが出来るのか!?

「うそでしょ…」

“選考結果のご連絡”というタイトルのメールを開いた美希は絶句した。

先日のOB訪問で焦った美希は、”興味はないけど、念のため”と思って、とある企業にエントリーした。

面接練習のために受けた、余裕だと思っていたはずの会社。そこから、まさかのお祈りメールが届いたのだ。

しかも、エントリーシートで落ちるなんて。

美希は頭の中が真っ白になる。実は、美希はまだ内定が一つもない。

大企業以外興味がなかった美希は、ベンチャー企業や中小企業は全く視野に入れていなかった。

総合商社なら5大商社、広告代理店なら電通か博報堂。テレビ局ならキー局と、まあ、こういった感じだ。

先日お会いした化粧品会社のOBに質問されて無言になってしまった、あの瞬間を思い出す。

毎日、企業説明会にOB訪問にヘロヘロだ。その間にエントリーシートを書いたり、面接練習したり…。やること、タスクが多過ぎる。

でも。こんなに自分は頑張っている。きっと会社に入っても社畜になれるだろう。そんな自信がある。

確かに疲れるが、忙しければ忙しいほど、“自分頑張ってるな”という実感もわく。

自分はこんなに頑張っているのだ。今回の企業は、落ちてしまったが、別に志望度が高いわけでもなかった。クヨクヨしていても仕方ないのだ。

「縁がなかったんだわ。行動あるのみ!」

美希は、お祈りメールをゴミ箱に入れた。

「さてと…。明日は、また説明会があるし。何質問しようかな…」

美希は、明日行われる広告代理店のホームページをスクロールしてみる。

さすがは広告代理店。ホームページも凝っていて、いつまでも見ていられるデザインだ。

汐留のあのビルに行くだけでもとてもワクワクする。

「コピーライターとか格好良さそう。ブランディングとかも興味あるなあ」

漠然とした妄想ばかりが広がって行く。ふと時計を見ると、23時をさしていた。

「いけない、いけない」

美希は慌てて寝る準備に取り掛かった。

明日着て行くスーツを出して準備ばっちり。ふとんに入った美希は、スマホをスクロールしてfacebookを眺め始めた。

今晩やったことと言えば、ホームページのスクロールのみ。今晩に限らず、毎日こんな日々を過ごしている。

でも仕方ない。午前中は、歩き回って疲れているのだから。そう言い訳を重ねること、早1ヶ月。

「エントリーシートとかは、明日から本気だす!」

そう言って毎日が過ぎて、1ヶ月。この時美希は、自分の努力の方向性が間違っているだなんて、それが取り返しのつかないことになるなんて、思ってもいなかった。

「別に志望してたわけじゃないし」という言い訳、やった気になっているだけの中身のない行動、ぼーっと過ぎて行く時間。

同じようなことをしている就活生は早く気づいた方が良い。美希と同じようになる前に…。

→続く。


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