(連載:就活サバイバルNo.5)「こりゃ落ちるわ…」有名大学に通う学生ほど陥る罠とは
ついに本格化した就活。慶應3年の美希は、OB訪問に説明会に忙しい。漠然と大手企業に行きたいと考えており、手広くやっている。が、練習だと思って受けた企業にエントリーシートで落ちてしまう。悩む彼女は、内定を掴むことが出来るのか!?
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「けっこうヤバいかも…」
あと少しで、面接ラッシュが始まるというタイミングで、美希は焦っていた。
エントリーシートを通過した企業は、30社中、6社だったのだ。
エントリーシートを出した企業は、総合商社、大手メーカー、広告代理店、通信大手、生命保険、不動産や海運など。
エントリーシートの通過連絡がきたのは、総合商社2社、化粧品メーカー1社、広告代理店1社、通信1社と、生命保険1社だ。
メガバンクはリクルーター面談で落ちてしまったらしく、その後連絡はない。
つまり、自分は6社のうち、どこかから内定を得なければ、内定ゼロということになる。
しかもその6社は、どこも面接が3回以上ある会社ばかり。面接の通過率も良いわけではない会社だ。
「うそ…。どうしよう」
「エントリーシートは余裕」だという謎の自信を持っていた美希。なんなら、面接練習に力を入れていたため、愕然とした。
まさかこんなことになるなんて。
エントリーシートなんか大して見ていないだろうと思っていたため、志望理由は使いまわししている。
「グローバルに活躍したい」というのをメインメッセージとして、あとは各社の展開している地域なんかをちょっと調べて記載しただけ。
ここで、志望理由と自己PRを少しだけ公開しておく。
・志望理由:
“私が貴社を志望した理由は、グローバルに活躍出来るチャンスがあると思ったからです。私は、貴社のブランドを世界に広め、まだ開拓していないマーケットを切り開いていくことに興味があります。アジア地域に力を入れている貴社では、私の希望が叶うと考え、志望しました。”
自己PR:
“私の強みは、粘り強いことです。テニスサークルでは副代表を務めていましたが、学園祭に出店するかしないかでサークル内で意見が割れたことがありました。サークル解散の危機にまでなりましたが、私は周囲を何度も説得し、最終的に出店にこぎつけることが出来ました。”
強みは、「粘り強いこと」これは、何かの就活本で読んだ、「強みと弱みは表裏一体」を意識して書いたもので、弱みは「諦めが悪いこと」と書いている。
TOEICは、720点。帰国子女でもない自分としてはよく頑張った点数だと思っている。
ゼミやサークルの先輩を見ていても、自分と大して変わらない経歴や資格で、皆、大企業に行っているから問題ないと思っていた。
「どこか1社くらい引っかかるだろう」と高をくくっていた。
30社もエントリーシートを出したのだから、20社くらい通過し、面接ラッシュが忙しくて仕方ないという予想は、大きく外れた。
「この中だったら、総合商社が良いかなあ」
そう思って、インターネットで過去の面接の質問を調べてみた美希は絶句した。
面接の質問を調べているうちに、これから受ける会社の倍率が100倍を超えていることが分かったのだ。
「はっ!?100倍!?」
しかも受験者は、東大や京大を始めとする超難関校、自分のような早慶の学生ばかりだ。
「私、ヤバいんじゃない…?」
美希の目の前が真っ暗になる。
説明会にOB訪問に忙しく走り続けてきたというのに、どうしてだろう。
焦った美希は、これまで興味がなかった会社を調べ始めた。
皆さんは、美希のエントリーシートのどこが“ヤバい”かお気づきだろうか。
そしてあなたもまた、同じようなエントリーシートを提出していないだろうか。
→続く。
●次回予告
・ついに始まった面接ラッシュ。結果はいかに…!?︎
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