【不確実な時代】VUCAの時代にどう生きるか:VUCAとは何か

本日は、一部で話題になっているVUCAについて。

ブカ、ブーカなどと表記できますが、音だと”ヴーカ”が判別しやすいですね。

VUCAとは、

Volatility(変動性)、Uncertainly(不確実性)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)の頭文字をとった造語で、先の予測が非常に難しい現代の状況を表しています。

それぞれ例示して簡単に解説します。


Volatilityの例:

主に金融市場ではよく使われていますが、2019年の年明け、為替のドル円が早朝、瞬間的に109円から105円まで暴落することがありました。

値動きの振れ幅で言うと通常の5倍から10倍。

この時はすぐに値戻ししましたが、もし期中に毎日このような暴落・暴騰の変動があると企業決算は混乱に陥ることでしょう。

あるいは軍事行動などの有事をきっかけに原油価格が急騰し、ガソリン価格も高騰するなど。

これを例に、経済環境などの変動が激しくなる事象を言います。

Uncertainlyの例:

certain=正確、確実、という意味に否定のUnが付き、確実でないこと、

つまり、「これまで確度が高いと思われていたことが不確かになる」ということで、

日本だと終身雇用や年金制度の崩壊、海外だとイギリスのEU脱退(Brexit/ブレグジット)やトランプの米中貿易戦争などになぞらえられます。

米中貿易戦争ではトランプ大統領がHUAWEIの禁輸措置を講じたことがインパクトイベントでしたが、このように、影響者の言動ひとつでルールが変わってしまうような”不確実な”事象を指します。

Complexityの例:

わかりやすいところでは、モノが単純には売れなくなり、データを用いたWEBマーケティングなど緻密な戦略が必要となっていることが例として挙げられます。

また、これからさらにAIが業務プロセスに普及すると、計算や比較、分析などの作業は複雑になり、その術を持たない組織との差は拡大します。

たとえばある菓子メーカーが新製品を開発した場合も、従来の販路に乗せ、フィードバックの分からない適当なCMを打ち、店舗で販売するだけでは従来以上のヒットの期待値は望めません。

しかし、AIを用いた膨大な市場データを活用しターゲットを意識したメディアミックスの広告戦略、あるいはWEBマーケティングを徹底することでヒットの期待値を大きく高める事ができますし、データ分析を基にした製造工程の最適化で、収益も最大化することができます。

このように、従来の一般的な手法から複雑化する事象を指します。

Ambiguityの例:

”曖昧さ”の例としては、ボーダーレス化する世界各国の関係性が挙げられます。

企業のグローバル化により各国の所得レベルも上がり、ネット・スマホの普及により情報の時間差もほぼなくなり、人材も流動化し、世界がほぼフラットになってきました。

そして5G通信が普及するとさらに加速するでしょう。

ベストセラー書籍「ファクトフルネス」でも触れられていますが、もはや「一部の先進国と多くの途上国」という2元的な従来の枠組みは存在せず、以前の基準での途上国(レベル1)はいまや14%です。

このように、対象同士の明確な差がない曖昧な状態を指します。

●VUCAの時代 はどう進んでいくか?

ここまでは教科書通りの記述になりましたが、ではこれからの不確実な時代というのをもう少し紐解きます。

今後の5G通信の拡大により、グローバルな時間差がさらに縮小していくと、世界のどこかでイノベーションが起き、その技術が普及するまでにかかる時間が劇的に短縮されます。最近ではRPAやAIが良い例で、ここ数年広がってきたかと思うと、あっという間に競合サービスが台頭し、一気にレッドオーシャン化が進んでいます。

ここ最近台頭してきているスキルシェアやクラウドサービスを見ていると、様々なサービスが立ち上がっており、またWebマーケティングで拡散するスピードが速いため、あっという間にユーザーが激増していたりもします。

B to Cの購買活動はここ5年でもスマホの機能向上により、かなり様変わりしており、そこに動画やAI技術が うまくジョインすると、さらに革命的な変化が予測されます。

どのサービスがメインストリームになるかは予測できませんが、一旦変化の潮流が起きてしまうとそれを止める術は我々にはありません。

そのため、その変化の潮流を捉えてキャッチアップしていくことが重要で、変化に対応できない場合は指をくわえて構造の変化を眺める事しかできないのです。

●VUCAに対してどう向き合うか?

そうすると世の中の変化に対するスタンスとして

・とにかく変化に追従すべく、ひたすらキャッチアップする

・ 生き方や事業の軸を持ちつつ、技術変化に最適化する

という二つの選択肢があります。

しかし様々な企業の活動を見ていると、変化に対応して生き残っている企業は

・コア事業をベースに最適化しつつ、M&Aで効率的に多角化する

という特徴があります。

先の二つの選択肢を同時に実行しているわけです。

これを個人の生き方にも当てはめると、

・メインとなる仕事を軸に、多角化すべく複数のベースも構築する

つまり、本業と副業、ということになります。

副業も様々ありますが、重要なことは副業もひとつに絞らず、多角化を意識することです。

YouTubeやSNSビジネスが流行っていますが、これらに重点を置きすぎても運営側のルールチェンジで破綻する可能性があります。

そのため、中長期的にはスキルシェアやローカルビジネスも含めできる限り多動的にベースを増やしておき、時代の変動に合わせ投入する熱量を操作する、という活動が必要になります。

●VUCAの時代をどう乗りこなすか

少なくとも言えることは、これからの時代はリスクでもありますがチャンスでもあり、またその振れ幅も決まり切ったものはなく、良くも悪くもつかみどころのない時代になります。

「良い企業に入る」「ワークライフバランスを重視する」「都会/地方に住む」などの様々な価値観が相対化され、多様化し、その中から「自分」が何を選び取るかを選択すること。

加えて、AIにより定型業務が人間の手を離れると、人間にしかできない新しい行動が価値になってきます。

人間の意識が向かう方にしか価値が形成されない時代になります。

そうすると、個人が熱量をかけられる対象を見つけ掘り下げることが重要です。

また、熱量をかけられる対象を増やすこと。

気に留まったらすべてに手をかけ、本質が掴めるまで取り組むこと。

こういった生き方が 求められる、というよりかは、様々な事象と自分と対話しながら、進みたい方向に躊躇なく進む、という意味では、その状況を楽しめるのではないでしょうか。

捉えづらいVUCAの時代だからこそ、人間本来の行動動機を活かしながら、個人を発揮していく生き方にシフトしていきましょう。

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