期待はしないが、期待には応える努力

　先日、あるセミナーに参加して感じたことがあります。

　セミナーに参加する前には、ついつい大きな期待を抱いてしまいます。「このセミナーはきっと自分にとって大きな学びをもたらしてくれるに違いない」と。

　しかし、実際は必ずしもその期待に応えてくれるものではありません。悪い意味ではなく、自分の期待値を完全に満たしてくれるものはそれほど多くないのです。

　改めて、他人への期待はある程度に収めるべきだということ。期待が大きすぎると、その分失望も大きくなり、セミナーや他のイベントを十分に楽しめなくなってしまいます。

　では、どうすれば他人への期待を適切にコントロールし、楽しむことができるのでしょうか。

　まず第一に、自分の期待を現実的に設定することが大切です。例えば、セミナーに参加する際には、「何か一つでも新しい知識や視点を得られればいい」と考えるようにします。そうすることで、たとえそのセミナーが自分の期待通りでなかったとしても、小さな学びや気づきを得ることで満足感を感じることができます。

　次に、他人の行動や成果に対して寛容になることです。私たちは他人に対して無意識のうちに高い期待を抱いてしまうことがありますが、それは相手にとってもプレッシャーとなりかねません。他人も自分と同じように、様々な制約や状況の中で最善を尽くしていることを理解し、過剰な期待を抱かないように心がけたいものです。

　一方で、自分が何かを提供する立場に立ったときには、他人からの期待に応える努力を惜しまないことが重要です。特に、自分が主催するセミナーやイベントでは、参加者の期待を超えるような準備をしたいものです。

　参加者が驚くようなサプライズを用意したり、内容を深く掘り下げて提供することなど、期待以上の満足感を与えることができます。

　他人への過大な期待を控え、自分ができる限りの努力をすること、より豊かで満足感のある人間関係や経験を築くには、期待は低く備えはより万全にしたいものです。