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枠内思考と軸思考

今日は、年度方針の中で、社員に向かって話した内容を、文字にまとめてみたいと思います。

柴田昌治さんの著書に出てきた「枠内思考と軸思考」という概念を用いています。話の内容の多くに引用や、インスピレーションを得た内容が含まれてています。

「枠内思考」と「軸思考」とは


「枠内思考」と「軸思考」という言葉があります。

枠内思考と軸思考 ”柴田昌治「日本的「勤勉」のワナ まじめに働いてもなぜ報われないのか (朝日新書)」をもとに、筆者作成

「枠内思考」とは、「まず枠があり、その枠の中でどうやって仕事を捌くか」という仕事への取り組み方。それに対して「軸思考」というのは、思いや価値観、目的、ビジョンを「軸」として持ち、その軸に、周囲を巻き込んでいって、軸を太くしていくイメージの仕事の取り組み方のこと。

よく、「枠にはまる」「軸がぶれない」みたいな表現を聞くと思いますが、そのイメージで良いと思います。

「枠」になるものは、ルール・条件・慣習といったもの。秩序を構成するもの、といっても良いでしょうか。対して、「軸」になるものは、思いや価値観、目的、ビジョンなど。

そう、「枠」の材料になる、ルール・条件・慣習というのは、自分の外、周囲から与えられるもので、「軸」の材料になる、思いや価値観、目的、ビジョンというのは、自分の内部から湧き上がってくるものです。

そして、「枠」は型でもあるので、枠の外には関心が向かなくなります。むしろ、どうやって「枠の中」で上手に仕事を捌くか、「枠」から逸脱しないかが、仕事の取り組みの基本態度になってしまいます。

それに対して、「軸」というのは、どんどん外部を巻き付けて太くしていかなければいけません。だから、どうやって自分以外、同僚や、部署や、パートナー企業や、お客様や、地域や、社会や、外部を自分の軸に巻きとっていくか?という思考になります。

「枠」を共有するのではなく、「軸」を共有する

さて、当社では、「枠」を共有するのではなく、「軸」を共有しましょうということを伝えたいです。

「枠」という外部から与えられる者を基準に仕事をすると、どうしても、その「枠」を与えた者の評価を気にするようになる。上司であったり、社会であったり、誰かから認められることを目指すことは、ともすると、空気を読み、顔色をうかがい、忖度をすることにつながります。思考が、ドンドン内向きのベクトルになる。定められた限界から内側にベクトルが働くわけです。そして、決して「枠」が変わることはありません。

対して、「軸」の太さには限界がありません。軸の周囲にあるものを、巻き込めば巻き込むほど、ドンドン太い軸になっていきます。外向きのベクトル、遠心力が働き、太くなるほど、その外部への力は増していきます。

だから、与えられた「枠」ではなくて、自分の思い、ビジョン、志、働きがい、そういった自分の「軸」を大切にしていって欲しいです。そして、自分の軸に会社としての軸を上手くすりあわせることで、一人一人の軸が束になった、太い軸が組織の軸になっていきます。

この場面における「枠」はなんだろう?と周囲をキョロキョロする時間があるなら、自分にとっての軸は何か?ということを考え抜きましょう。

社員みんなで、共有するものは、「ルール・条件・慣習」であり、それにみんなで従う、枠が共有された会社ではなく、

社員みんなで、「意義、目的、ビジョン」を共有し、それぞれが考え抜いたやり方で、周囲を巻き込んでいく、そういう軸の通った会社にしていきましょう。

個人の自由と組織の秩序はトレードオフなのか?

「組織で、個々人が目指すものをそれぞれに持つ」と、組織の秩序が乱れて混乱するという感覚を持っている人も多いと思います。正直、少なくとも、私の世代まではそういう教育を受けてきた。

個人の自由と組織の秩序は、両立しない、トレードオフの概念だと。

その概念は捨てて欲しいです。

「言われたとおりのことをやっていれば何とかなる」では、ロボットや機械に取って代わられてしまいます。人間にしかできないことは、「自分はどう生きたいのか方向性を決める」こと、そして、「考え抜くことによって、質を高める」ことです。

質を高めるためには、仕事に対して自分の思いを込めて取り組まなければいけなません。思いを込めるためには、そもそも思いを持ってないと込められません

だから、まず、自分の思いやビジョンという軸を持ってください。

その軸と会社の軸の重なるところを見出して、「会社の軸がこうで、自分の軸がこれだから、自分はこういう風に活躍できそうだ」と、自分なりの仕事の取り組み方を産みだしてていくこと、こうして、太い軸を作ることが、仕事の質を高めていくことになります

個人の自由と組織の成功が、トレードオフではなくて、両立する時代に、それが出来る会社にしていきましょう。

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