今回ちょっと堅いです・・・。

津波警報に見る僕らの安全運用に対する認識ってどうなってるんだろう???

確かに普段の(というのが適切かどうかはともかく)気象警報発令時でも普段と何ら変わらぬ海況条件で安全に潜れるという場所(状況)が存在するのは事実。

注意報・警報発令くらいじゃ、世のマリンスポーツオペレーター。
いちいちお仕事休んでられません。

てのが実際のところ。

例えば波高4Mとか5Mの予報で定期航路も欠航。それでも風裏、波裏では海水面は平穏だったりして、安全に潜れるような場所があったりすることも珍しいことじゃない。海って山とか丘の向こうとこっちでびっくりするくらい全然違うものだしね。

だからと言って、発表される警報を重視しなくていいという話ではない

気象警報は気象条件の一情報として、マイナス要因がどういう形のどんなレベルで迫ってくるかを僕らに教えてくれるもので、リスクを上手に回避するための情報。

天気予報をよく見ればわかりますが、気象警報、注意報はけっこう日常的に出ているもので、ある意味、それらの情報を日々検証して、警報や注意報下で、適切に安全に活動を行なう(もちろん中止判断も含めて)ために学習し、自分たちの運用とすり合わせることも可能。

現地オペレーターはそこまで考えて運用をするべきだし、してて当然。

対して、地震、津波の警報については学習できるだけの経験値とデータは個人としては絶対的に不足。警報が出たらどんなレベルまで状況が変わるのか変わる可能性があるのかも正直まったく不明。つまるところ、ぼくらオペレーターにとっては、未知に近い脅威の情報とその可能性を示すものではないかと。

にもかかわらず、3.11の地震発生後の津波警報発表時に、到達予想時間と照らし合わせて、到達時間までにはまだ時間があると判断しエントリーしたマリンスポーツオペレーターがそれなりの数存在したと言う情報がちらりほらり。
これが事実ならば、僕には信じられないし、絶対に出来ない。
さらに言わせてもらえば、3.11時点では津波警報自体の状況や危険性は認識できているわけもなく、まさに未知の情報であったはず。

中止、撤退したものが絶対的に正しいとは言い切らない。
ゲストの時間を重視するという理由も確かに存在する。
中止によるクレームの可能性も完全には否定できない。

シーズンとしては閑散期でもあり、実際にそれらオペレーターのもと事故が起こったわけでもなく(情報は聞いていない)、その実態は表面化しなかったしデータとしてもあまり出てこず、当然問題となった話も聞かない、。

リスク管理の観点で言えば中止選択が正しかったと信じている。
地震津波警報は天気予報と同一視出来るような日常性や学習できるほどの頻度もない。当然その結果も想定の範囲を超えるあるいは想定できない未知のものとして受け止め、そこに対応するのが筋ではないのかと。

ぼくらの仕事はお客さんの「遊び」を楽しく安全にオペレートすることで、冒険をすることでも、ましてや(僕にとっても)未知な環境へむけ冒険させることでもない。遊びで命を捨てては絶対にダメ。
(ここの基本設定が違うなら、そもそもここで語るべきものではないかもしれない)

3.11のマリンスポーツオペレーターの実施状況や運用実態は、それぞれの事業者の安全についての考え方や姿勢を図るひとつの目安ではないだろうか?

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