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気血津液を作る五臓六腑についてざっくりと

大学1年生で、薬用植物の種類や成分について学び、2年生で漢方の理論が履修科目だった。

そもそも1年の時点で苦手意識爆発!
2年の漢方の授業で、陰陽、五臓六腑の言葉が出てきて
あぁ…もうだめだ。
授業は呪文のよう…睡魔に負けることも多々あり。
教授もちょっと仙人っぽかったしね。

それくらい学生の頃はできなかったものを
今こうやって勉強してるのって不思議だなぁと思う。

前回「中医学ってなに?」と全体像について書いた。

今回は、気血津液の生成・代謝を担っている五臓六腑について
ざっくりと。
後々、それぞれについて細かく書く予定です!


五臓六腑ってなに?

「五臓六腑」とは、人体を構成して、生命活動を維持するために必要な基本物質である「気・血・津液」の生成や代謝に関わっている内臓のこと。
五臓は、肝・心・脾・肺・腎。
六腑は、胃・小腸・大腸・膀胱・胆・三焦。
中医学の臓腑の考え方は、解剖学的な形態よりも機能を重視している。そのため、私たちが一般的に考える臓器の働きとイコールのところもあれば、イコールでないところもある。

中医学では、気・血・津液がバランスよく、体の中を隅々まで巡っているのが健康な状態。気・血・津液を作る、巡らせるを理解する上で、五臓六腑が大切になる。

臓と腑の違いについて

五臓は、気・血・津液を生成したり貯蔵するところ。
六腑は、水穀(飲食物)を消化して体に必要なものと不要なものに分けるところ。

六腑は食べ物が通過していくところで、消化をし、水穀の精微(栄養)を吸収し、五臓に水穀の精微を受け渡し、不要なカス(糟粕:そうはく)を排泄する臓器。五臓はその受け取った水穀の精微から、気・血・津液を生成する臓器である。

六腑は、水穀が通過していく管や袋状で、中は空洞。だから病気になると、中が詰まる実証となりやすい。消化不良で胃に食べ物が停滞する、便秘で大腸に便が詰まっているなど。その場合には、排泄を促す、停滞感解消するような方法を使う。

五臓は、気・血・津液を作り貯蔵しておく臓のため、病気になると貯蔵しているものが不足する虚証になりやすい。その場合は、足りなくなっているものを補う治療をする。

六腑のはたらきについて

次回以降、気・血・津液のはたらきやどのように生成されるのかについて触れていきたい。今回は、気・血・津液のもとになる水穀の精微がどのような流れで作られるのかをまとめる。水穀(飲食物)から水穀の精微がどのように作られるのかを知っておく必要があるからである。

まずは、口から入ってきた水穀は、胃に運ばれる。胃が水穀を受け入れることを受納(じゅのう)、消化することを腐熟(ふじゅく)、消化したものを小腸に運ぶことを和降(わこう)という。この3つが胃の働きである。
小腸は、胃で消化された水穀を体に有益な清と不要な濁に分ける。これを泌別清濁(ひべつせいだく)という。清は脾に運ばれ、気・血・津液の元になる水穀の精微を作り出す。濁は、不要な粕は大腸に、無用な水は膀胱に送られ、大便・小便として排泄される。

ここには出てこない六腑のひとつである三焦。これがなかなか理解しづらい。上焦・中焦・下焦の3つを合わせて三焦という。上焦は横隔膜より上の部位で心・肺のある部分、中焦は横隔膜から臍の辺りまでで脾・胃・胆がある部分、下焦は臍から下で肝・腎・大腸・小腸・膀胱がある部分のことである。いったい何なのかといったところははっきりされていないが、津液や気の通り道であると考えられている。

まとめ

気血津液の生成・代謝を担っているのは五臓六腑。

五臓は、肝・心・脾・肺・腎。
気・血・津液を生成したり貯蔵する臓器。
六腑は、胃・小腸・大腸・膀胱・胆・三焦。
水穀を消化して体に必要なものと不要なものに分ける臓器。

以上です。

音声でも配信しています。


【参考】
やさしい中医学入門(東洋学術出版社,1993年)
中医学の基礎(東洋学術出版社,1995年)
東洋医学の教科書(ナツメ社,2014年)
中国医学実践講座 中医学初級講座講義用資料

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