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「ケトン体代謝こそが、人の本来の代謝であった」②

ケトン体代謝こそが、人の本来の代謝であったということについて
①でも説明しました、まだ読んだことが無い方はぜひ①から読んで
理解を深めて下さい!

ケトン体は奥深く、きちんと理解するには沢山の情報が必要です。
またさらにケトン体代謝と人の身体について書いていくので
皆さんの理解を深める助けになれたら幸いです。


なぜケトン体が悪だと言われるようになったのか

ケトアシドーシスという状態。

人の体内のpHがアルカリ性に傾くことを
アルカローシスといい、
酸性に傾くことを、アシドーシスと言います。

ケトアシドーシスとは、
ケトン体は酸性の物質であるため
そのケトン体が体内に蓄積することにより、
体液のp Hが酸性に傾いた状態のことを言います。

体内にケトン体が増加する状態を、
ケトーシス(ケトン症:Ketosis)といい、
特に、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸は、比較的強い酸であるため、
ケトアシドーシスと呼ばれます。

ケトアシドーシスは、風邪やインフルエンザなどの
感染症にかかっている時や、強いストレスがかかっている時に
血液が、体組織よりももっと酸性に傾いてる時に急激に発症します。

アシドーシスの中でも危険視されているのが
「糖尿病性ケトアシドーシス」という状態です。

主にI型糖尿病患者に起こります。
インスリンが不足した状態では、グルコース(ブドウ糖)の代わりに
脂肪の代謝が亢進するため、ケトン体が発生します。

I型糖尿病患者で、インスリンを十分に補わないと
血糖値が上がり続け、ケトン体が血液中に蓄積し、
最終的にケトアシドーシスを来します。

この状態では細胞が損傷を受け、
さらに脱水と意識障害(ケトアシドーシス昏睡)を起こす。

と、一般的には言われており、
糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれるようになったことが
ケトン体が悪者になった元凶と言っても過言ではないでしょう。

ケトン体は被害者である

現在では、様々な研究がされ、
アシドーシスを起こしている原因は
ケトン体ではないと言われるようになってきました。

糖尿病患者の場合を例に説明します。

糖尿病患者が糖質制限をした場合、
血糖値は上昇せず、ケトン体値が上昇します。
普通でも、2000μmol /L程、多くて5000〜7000μmol/L
こんなにケトン体値が上がっても、アシドーシスを起こすことはなく
日常生活を送ることができます。

よって、
「アセト酢酸とβヒドロキシ酪酸は強い酸だから、
蓄積されることでアシドーシスになる」というのは間違い。
だと言えます。

糖尿病性ケトアシドーシスの病態の時、
体内では必ず高血糖が起こっています。
血糖値が、400〜600mg/dl、高い方で1000mg /dlの方もいるそうです。

この時、インスリンの働きは、極端に悪くなっており、
ケトン体も出てはいるが、高くはない状態。

糖尿病性ケトアシドーシスは
意識レベルの変化によって発見される病態であり
ケトーシスな状態ではなく、「高血糖」な状態。

高血糖を制御できないインスリンの機能の低下(I型糖尿病)で起こり、
急激で過剰な糖質摂取を制御できないインスリン分泌不能となり
血糖値が異常に高いことにより意識レベルに変化が起きている
というのがこの病態の本質であり、

決してケトン体が悪いのではない。
と言えます

よって、ケトン体は冤罪を被っている被害者である。
ということなのです。

この状態を
もう少し分かりやすく説明されていたのでご紹介します。

火事(アシドーシス)が起きた!
→そこにはケトン体が沢山あった
=火事の原因はケトン体に違いない!!
ー→「ケトアシドーシス」としよう。

本来は、
火事=インスリンが不足しブドウ糖をエネルギーとして変換できない現場
ケトン体はブドウ糖の代わりにエネルギーとして働く性質があるため、
自らがエネルギーとなり、必死に助けていた。
=>実際はケトン体は火事を修めようとしていた消防士だった!
ということなのです。

実はコレステロールも被害者

ケトン体は「ケトアシドーシス」の冤罪にあっているという
お話をしましたが、実は「コレステロール」もとある冤罪にあっています。

血管の詰まりの原因や、
動脈硬化の原因と言われることが多いコレステロールですが、
なぜそう言われるようになったのか、

その原因は

ある時、
血管にプラークができて狭窄していたところを調べた際に
そこに沢山のコレステロールがついていた。
プラークの側には沢山のコレステロールがいたから
血行を悪くする原因はコレステロールに違いない。
というだけのエピソードで
特に原因究明もされないまま誤解され続けています。

実際のところ、コレステロールは
細胞膜の補修や、脂肪の代謝や神経の制作をしながら、
血管の修理を担うとても働き者だったのです。

そのため、血管にプラークができ、
血管が脆くなったり、流れが悪くなっているのを
必死に修復しようとして集まっていた。
というわけなのです、

最近では、コレステロールを下げる薬を使うと
脳や神経に異常をきたすことがわかってきています。

ケトン体もコレステロールも無罪

基準値が20ー80μmol /Lのβヒドロキシ酪酸が100倍になっても
生活に影響はなく、むしろ身体はかえって快適に過ごせます。

しかし、これが血糖値の場合、
基準値が100mg/dlで、その5倍の500mg/dlになれば意識障害が起こり、
10倍の1000mg/dlになり、放置すれば生命は保たれなくなります。

血糖値は極めて狭い範囲で制御されなければ
私たちの健康は愚か生命にも危機を来します。

ケトーシスな状態

ケトーシスな状態は身体が酸性に傾いている状態のため、
健康に問題はないの?と心配になる方もいると思いますが

実際は、
集中力が増し、頭が冴え、居眠りもなく早寝、早起きが可能になります。
また、メタボや糖尿病、歯周病まで治るという研究もされています。

まとめ

今回は「なぜケトン体が悪者と言われるようになったのか」について
書いていきました。

最初の研究もほとんど根拠がない状態で
長い間疑われることもなく悪者だと言われ続けてきたケトン体。

意外と根拠のない説や情報は沢山あります。
それが常識として医学会や栄養学会などで語られ続けているのも
現状です。。。

まだまだ研究段階とも言える
ケトン体ですが、確実に根拠のある研究は増えてきています。
今後私たちの生活や健康を支えることになるかもしれません。

ケトン体がもたらす人体への効果やその研究は
まだまだ奥深いのでいくつかに分けてお伝えできればいいなと思います。

最後までご覧いただきありがとうございます!!
もっともっと有益な内容でお伝えできるよう頑張りますので
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参考著書
ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書)
宗田哲男

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