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子どもには内緒!大人向け絵本『ギャシュリークラムのちびっ子たち』

こんにちは、石川由弥子(ゆみこ)です。

大人になっても絵本が好きです。数ある絵本作家の中で私が大好きなのが、エドワード・ゴーリー。なんとも言えない、陰鬱で不気味な世界観をもつ絵本作家です。アーティストの米津玄師さんも影響を受けたとか。癖になる気持ち、とてもわかります!

今日は彼の作品の中で一番好きな作品『ギャシュリークラムのちびっ子たち』をご紹介します。

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』のあらすじ

大人のための絵本作家として世界的なカルト・アーティストであるエドワード・ゴーリー。子どもたちが恐ろしい運命に出会うさまを、アルファベットの走馬灯にのせて描いた代表作。

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』のおすすめポイント

AからZの頭文字から始まる子どもたちが次々と死んでいく本作。子どもがどう死んだのかを説明する英文が一文あって、右側に、細く細かい線で描かれた絵と日本語訳が描かれています。

1. テンポの良さ

たった一文しかないのに、とにかくテンポが良い。そのテンポの良さと言ったら、声に出して読みたいほど。

「A is for AMY who fell down the stairs(Aはエイミー かいだんおちた)」
 「B is for BASIL assaulted by bears(Bはベイジル くまにやられた)」

「タンタララーン の すっとんとん」というリズミカルなテンポの英文と、それに合わせてこれまたテンポの良いリズムで訳される日本語。語呂が気持ちいいのと、簡単な英文なので、英語に苦手意識を持っている人にもおすすめです。

2. 美しい線

登場人物、みんな死ぬので表情は恐ろしく暗いです。ですがじっと見てみると、たくさんの美しい線に気づきます。エドワード・ゴーリーの特徴は、このたくさんの細かい線。背景も含めて、緻密で神経質に描かれた描線に、魅了されること間違いなしです。

淡々と描かれる死の魅力

万人にうける作品ではないですが、この怖いほどに美しい描線とテンポの良い文章に、高校生の私は魅了されてしまいました。正直、教訓があるわけでも、学びがあるわけでも、さらに救いがあるわけでもありません。ただただ可哀想な子どもたちの死因を見せられるわけですが、それに魅せられている自分に気づきます。死は遠いからこそ美しいのでしょうか。間違っても、子どもにはおすすめできません!(笑)

作品に興味がある方はこちらに動画もありました(英語だけ)※閲覧は自己責任で※


ではまた〜

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