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軽装備で働きます

昨年10月、私は適応障害と持続性抑うつ障害と診断され、11月中旬から休職をしていたが、会社から「求職は原則3か月までの為、これ以上休むのであれば退職となる」とのことで、今年2月に退職、はれて無職となった。

そして、社会との繋がりが無くなり、会社員という肩書もなくなり、
自分の存在意義がなくなり、パートナーと同居しているのに、
孤独感が増した。

スーパーや薬局などへの外出は出来るが、カフェでお茶するとか、リフレッシュで遊びに行くとか、そんな気力はなかった。

一方パートナーは、今年の1月に転職をしたのだが、色々大変な案件に振り回されつつも、楽しそうに仕事をこなし、しかも在宅勤務がメインなので
私はそんな生き生きとした人の姿をほぼ毎日見ていた。
月に1回以上、同期や上司と飲み会に言っており、社会になじんでいる人間をそばで見つめ、孤立感は増すばかりだった。

引きこもってスマホばかり見ている私を見かねたパートナーは私に、「リハビリがてら、転職活動でもしたら?」と提案した。
私も「何かしてるふりをするだけでも気持ちは変わるか」と思い、言われるがまま転職活動を開始した。
そして、リハビリとして始めた転職活動で、内定を頂いてしまった企業に、この7月から復職することになった。

オーマイガーである。

無職期間は、一刻も早く社会復帰しなければという焦りがかなり強く、リハビリと言いながらも、それなりに頑張って面接対策をしていた。
しかし、いざ“本当に働く”となると話は別である。
「やっと罪悪感なく休む気持ちが出来てきてたのに~~~??」
「やっと映画館行ったりカフェ行くようになってきてたのに~~~??」
「やっと症状が落ち着いてきたところなのに~~~??」

そう。「やっと」が多いのだ。
それまでは自責感が強く、自分を攻撃したり守ったり情緒ジェットコースターだったり、気持ちが落ち着いている時間があまりなかった。
見た目には普通でも、頭の中はぐっちゃぐちゃ。
それが「やっと」落ち着いてきていたところだったのだ。
もちろん未だに出来ないままのことも多いし、そもそももともと出来ていたことなのかも分からないが、長期間休めるという印籠が無くなるのが惜しくなった。
正直、あと2か月くらいは休みたかった、というのが正直なところだ。

しかし、どうしても「ここを逃すともう一生就職できないかもしれない…」という、極端すぎる思考と不安に支配され、私はその内定を受諾した。

もちろん、内定受諾はやはり複雑な思いだった。
もともとリハビリとして開始したものであったし、症状は緩解しつつあるものの、まだ薬は手放せないし、パニックになることや感情失禁することもまだある。
何もかもが不安定で中途半端だ。
こんな状態で復職して良いのか、仕事が出来るのか、企業に失礼じゃないか、また状態が悪くなって休職、いや、また無職になるのではないか、様々な嫌な考えが次々と出てきては引っ込んでいた。

しかしある時、プチっと思考が停止した。
「職場が合わなかったら、また転職すればいいか!」
これくらいのマインドで、初めから飛ばしすぎず少しずつ慣れていったらいいんだ!
これはとんでもなく良い閃きだぞ!と、パートナーに伝えると

「そんな気持ちで仕事を始めるの?」

と怒られた。ぐうの音も出ない。
でも、少しは応援してくれたっていいじゃないか。
普段あんなに「合わない仕事をするのは時間の無駄!」とか言ってくるくせに。

「不安だけど前向きになろうとしていた、頑張ろうと思っていた。でも今、また迷いが出てきて、混乱している。心が折れたような気持ちになった。」
私がこう反撃すると、パートナーはしょんぼりしていた。

なんでだよ。

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さて、こういうわけで、7月から働きます。
あぁ不安。あぁ嫌だ。あぁ働きたくない。
念願だったはずの社会復帰なのに。

でも私には味方がいる。
家族、パートナー、友人、心理士時代にお世話になった職場の方々、カウンセラーの先生。
私の強みは『人に恵まれる』という事だ。
最強の武器だ。
準備はするに越したことはないが、重装備すぎては体が重みに耐えられない。
最強の武器があるのだから、無理に使いこなせない装備品は身に着けず、軽装備で挑む気持ちで行こうと思う。

初出勤日、晴れますように。


以上。
終わり。


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