見出し画像

題... 官僚の受難時代

◆ “官僚”というのは、特別な公務員のこと。

 私が“官僚”という場合は、いわゆる“公務員”全般のことではありません。幹部の公務員の人たちを、私は、あえて官僚と表現しています。[ #官僚 ]
 “キャリア”という表現が私のいう官僚に一番近いのですが、私は、キャリアではピンときません。みんなそれなりのキャリアがあるので、何かしっくりきません。
 それはともかく、一般の公務員と官僚には明確な習性の違いがあります。一緒くたに論じてしまうと、ことがややこしくなります。
 一般の公務員は労働組合的な活動に熱心ですが、官僚はそうではありません。自分たちを“労働者”ではなく、“官吏”と思っているのだと思います。[ #官吏 ]
 昔から、旧社会党や共産党などは公務員の労働組合活動を支持していましたが、自民党は労働組合活動を嫌っていました。


◆ 民主党政権は、官僚を敵対視しすぎて失敗しました。

 何でもかんでも官僚はけしからんという発想では、うまくいくはずもない。私の印象では、日本の官僚は、政治家よりも政策立案能力では優秀です。[ #政策立案能力 ]
 私は、何度か、お役所の中堅官僚と一緒に“調査策定”のプロジェクトをやりましたが、政治家などよりもよほど勉強もしているし、専門分野の知識にも長けていました。
 官僚諸氏の多くは、政治家に対して、専門的なことは何も知らないと小バカにしていた雰囲気さえ感じました。私も、それに同感です。
 大臣たちの国会答弁を見ていると、良くわかります。大臣たちは事前に通告された質問にさえ満足に応えられない。大臣の後ろは、耳打ち役の官僚の補佐官が行列のありさま。
 そんな日本の現状を知ってか知らずか、民主党政権は官僚を敵対視してしまったので、逆に、彼らに“サボタージュ”されてしまいました。[ #サボタージュ ]
 サボタージュと言っても、労働組合などがやる“ストライキ”などのあからさまなやり方ではなく、もう少し高度な、“政治家に協力してやらない”という戦術です。


◆ 安倍-菅政権は、そんな官僚を自在に操ろうとして失敗しました。

 私が大好きだった“ハマコー”さんの名言を思い出します。 “私ら頭の悪い政治家は、頭のいい官僚の皆様に日々ご指導いただいて今がある、邪険にしてはダメ”という主旨。
 ご本人はジョークのつもりで言ったのでしょうが、私は、ホンネと受け取りました。政権に長くついていた古株の政治家は、それを身をもって知っていたのだと思います。
 でも、官僚たちにデカい顔をされては、政治の沽券にかかわると考えたのでしょう。安倍政権では、官僚を“人事権”を振り回して牛耳ることにしたのですね。[ #人事権 ]
 おかげで、今度は、“政権に忖度することが大切”という意識が官僚に芽生え、官僚らしくない不祥事が続発することになりました。“忖度政治”。[ #忖度政治 ]
 結局、これも、失敗でした。つまり、“過ぎたるは、およばざるがごとし”
 官僚と政治家は“適度な緊張感”が大切です。お互いが適切に牽制し合いながら、切磋琢磨することが必要で、そんな関係を築くべきなのですね。[ #適度な緊張感 ]

ここから先は

30字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?