題... 流行は自分で創っていくのがおもしろい
◆ またもノーベル賞が出ました。今度は、旭化成の研究者の吉野彰氏です。
リチウムイオン電池の材料の研究が評価されたものらしい。当然の受賞と思います。リチウムイオン電池は、電池の概念を変えるほどのインパクトでした。
パソコンにしても携帯電話にしても、自動車にしても、リチウムイオン電池がなかったら、これほど普及しなかったと思います。
ノーベル賞は物理学にしても化学にしても、基礎研究に対して授与されることが多いのですが、私は、現実の社会に対して大きな影響を与えた研究に対しても授与してほしいと思います。
そして、日本は、そんな“ものづくりに関する技術分野”こそが得意な分野。それらは、不断のコツコツした研究開発の積み重ねが大切な分野。[ #ものづくりの技術分野 ]
吉野彰氏は、受賞のインタビューで、“日本は、基礎材料や基幹部品などの川上の分野こそ世界の最先端を行っていると感じている”と指摘しておられました。[ #川上 ]
◆ 実は、私も、吉野氏の指摘に同感です。
世間には、視野の狭い人も多く、日本は技術先進国ではなくなったと指摘する人も出てきました。でも、それは、流行を追い求めているだけ。それでは流行を自分で創ることはできません。
世界を展望する日本企業の多くは、将来も自分たちが世界で確固とした地位を維持していくにはどんな方面に力を入れていけばいいのかを、敏感に感じています。
日本企業が川下の最終製品分野に固執していても、技術で世界を牛耳ることはできないと思います。韓国に対してホワイト国外しの輸出規制もやれませんでした。
川下の最終製品分野なら、お金さえかければ誰にでもやれる。製造装置や必要な材料は買えばいい。でも、お金をかけるだけでは不可能な技術分野もあるということ。
好奇心をもって、辛抱強く突き詰めていく日本人にしかできないものがあるのですね。常々、私が主張している“技術貿易立国”も、要は、そんなことです。[ #辛抱強い ]
流行は追い求めていてもおもしろくない。流行は、自分で創っていくのがおもしろい。[ #流行 ]
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