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題... 出版界の不景気はかなり深刻らしい

◆ 先日、ある出版社から電話アプローチがありました。

 できて5年ほどの新しい出版社らしい。何でも、“電子書籍出版サービス”が専門の出版社という。紙で出版した本を電子書籍に手直しして売るのが仕事とか。
 私が10年ほど前に自費出版した“生活文明郷の徒然日記-成熟経済社会に向けた日本のビジョン”を国会図書館で目にし、“うちで、電子出版させてほしい”との申し出でした。
 どうやら、“成熟経済社会に向けた”というキーワードがえらく気に入られた感じ。これは、これからの時代に一番大切なことだと持ちあげれました。[ #成熟経済社会 ]
 成熟経済社会は、20年近く前から私の頭に浮かんでいた大きなテーマ。今になってそれが現実になってきた印象。そこに目がいくあたり、出版人としてなかなかのセンスの持ち主だと思いました。
 それに、出版営業のプロらしく、話の時々に“先生は……”という接頭語を言ってくる。私も、うれしくなって、大先生になったつもりで話し込んでしまいました
 しかし、詳しく聞いていたら、どうやら、これもいわゆる自費出版することになるらしく、とりえず20万円ほど必要なのだとか。


◆ 私は、前の自費出版があまりにも売れない手痛い失敗の経験があるので、それを聞いて、一気に熱が冷めました。

 100冊近く友人や知人に感想が欲しいと配ると、反応は、まずまず。内容は悪くないはず。でも、お金を出して買ってくれたのは、ほんの数えるほどの体たらくでした。
 本は、内容が良ければ売れるものでもない。なので、“そちらで勝手に電子書籍として出版してくれるなら、印税はいらない”と申し出てみましたが、それはダメらしい。
 しかし、それでは、出版社に都合がいいだけ。出版社には何のリスクもなく、とりあえずは20万円が売り上げになり、その他にも印税の分け前もあります。[ #リスク ]
 私の本に“絶対に売れる”ほどの自信があれば20万円など安いものですが、自信過剰傾向の私にも、その自信はない。
 と言うのも、“生活文明郷の徒然日記”は“時事ネタ”中心の内容。今更10年前の時事ネタの本を出版しても、誰も読んでくれないというマイナスの自信がある。
 それより、“生活文明郷の徒然日記”出版以降も毎日1テーマで書いたブログが10年分溜まっている。その中から適当に選んで本にしたらどうかと提案しましたが、先方は、それも気乗りしない感じ。
 まぁ、これは、出版界がいかに不景気なのかを物語っているのでしょうね


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