題... ものづくりのグローバルな構造改革が必要
◆ 私は、ものづくりの部品供給全般がこれほど中国に依存していたとは意外でした。
私は、日本企業は、基幹部品的なものは当然日本で作っていると思っていました。おそらく、大方の基幹部品はそうだと思います。
それなら、最終組み立てなどは消費地生産の方が何かと都合が良いし、製品品質も問題ないと考え、“技術貿易立国”という、ものづくりを中心とした国づくりビジョンを主張していました。(→ 注1)
でも、今回の世界的なコロナ騒動で、さほど重要でもない部品も中国に依存してしまっていた(?)という現実を見て、びっくりしました。これは、私の予想外。
数日前、ある車部材の製造メーカーが、テレビで紹介されていました。簡単な“ねじ”の類までが中国から来なくなり、日本国内の製造工程も“かんばん待ち”らしい。[ #かんばん待ち ]
要するに、中国からの部品類までが一切入荷しなくなっているのです。
ということは、これからも、何かの都合で中国でのものづくり機能がストップすれば、日本国内の企業のものづくりもストップしてしまうことになります。
◆ 今は、ものづくり全般が、何から何まで中国の都合次第になってしまっている。
ちなみに、私が食品工場などのアルバイトの時に使っていた50~60枚の箱入りのマスクは、いろいろなのを買っていましたが、全部が中国製でした。
日本企業ブランドでも、製造国は中国。たぶん、“OEM”だと思います。[ #OEM ]
でも、今回のコロナ騒動では、中国内でもマスクが足りない状態なので、とても日本に輸出する余裕などはない。だから、今は、マスクは日本には来ていません。
おそらく、マスクだけではなく、工業製品の多くが部品レベルまで中国からの供給が事実上止まっているのだと思います。
◆ これからのものづくりは、ますますグローバル化が進むことになると思います。
その流れ自体を止めることはできません。でも、そんなご時世で、今回のコロナ騒動のように、いつも“鎖国”政策で対応していては、いかにも具合が悪い。[ #鎖国 ]
今回のような緊急事態ではある程度の混乱は避けられませんが、あらかじめそれなりのしくみ(→ 構造)にしておけば、何とかなります。
これからは、過度に一国に依存しすぎないように、場合によっては、少し高くついても国内生産でやるような方向で、“ものづくりのグローバルな構造改革”が必要です。[ #グローバルな構造改革 ]
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●(注1) “技術貿易立国”の考え方については、2019.8.11のブログ 『技術貿易立国というキーワード → http://bit.ly/2OYWaaH 』、2007.2.24のブログ 『生活文明郷-ビジョン → http://bit.ly/1lsxD8A 』、2007.3.12のブログ 『技術貿易立国だ-10 → http://bit.ly/2Ez6qQA 』などをご覧ください。
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