イスラエル軍のガザ侵攻 背景に<悪の国際的連鎖>
イスラエルの地上軍がガザ地区に侵攻する時が近づいている。
パレスチナ問題は長くて複雑な経緯があるので、われわれにはなかなか理解がむずかしい。
中東に近い位置にあり、歴史的にも関係の深いヨーロッパ諸国でも、「監獄」と呼ばれてきたガザ地区の状況について関心が薄れているという。
今回のハマスによる過激な行動の背景には、そういう国際的な関心の低下をなんとかしたいという気持ちがあるのかもしれない。
英語による報道をいくつかみた限りでのことだが、ひとつ気になったことがある。
それは、イスラエルやアメリカによる国際法の無視とか無差別テロの正当化について、国際的な影響関係があるらしいということである。
先の世界戦争までさかのぼる話だが、要点だけ書くと、
<ナチスドイツによるユダヤ人迫害 → イスラエル建国 → 中東諸国との紛争のなかでイスラエル自身がナチスドイツの概念を使うようになる>
そういう一連の関係を指摘するメディアがある。
イスラエル自身が使うようになったナチスドイツの概念とは、
① "human animals " ナチスドイツはユダヤ人を人間とみなさず、屠殺してもいい動物のように扱った。いまやイスラエルがこの概念をパレスチナ人に適用し、公然とこの言葉を使っている。
② "collective punishment" ナチスドイツは「ユダヤ人」というを集団を一律に処罰の対象とした。いまやイスラエルはこの概念をパレスチナ人に適用し、地上軍を送りこんで市民、子供まで無差別に「処罰」の対象にしようとしている。
①や②のような人種差別こそ、ユダヤ人がこうむった苦難であった。それをいまではユダヤ人自身が実行していることになる。
そして、2001年の九・一一事件のあと、アメリカはイラク、アフガニスタンなどを攻撃したが、それを正当化した概念がまさに上記の①と②であった。
もちろん、国際法を素直に読めば、①や②を正当化することはできない。
驚いたことに、①や②を正当化する詭弁の論理をアメリカに提供したのは、1981年、イスラエル空軍がイラクの核施設を攻撃したあと、さらにパレスチナ攻撃を正当化するため、2001年に四回もアメリカに派遣されたイスラエルの使節団だったというのである。
このときイスラエルがアメリカに説いた、国際法を歪める詭弁は、アメリカが「対テロ戦争」の概念をつくり、イラクとアフガニスタンを攻撃するさいに「測り知れない invaluable」影響をもたらしたという。
こういう国際的な<悪の連鎖>は、現代になると例が増えるように思う。
たとえば、ナチスドイツによるユダヤ人大量殺害の本格化は、日本軍による南京事件( "human animals ," "collective punishment" !)の影響を受けたところがあったかもしれない。
最後に、上記の記事から該当部分を引用しておく。
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