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株式会社KDDIエボルバを辞めます 〜退職前エントリ〜

冒頭

皆様へ
私、Yamada Kentoは株式会社KDDIエボルバを退職することをここに宣言します。以下、入社してから転職に至るまでの経緯を簡単に説明できればと思いますが、決して悪い話ではなくむしろ、辞めるというより卒業するというニュアンスに近いです。
また、「KDDIエボルバってコンタクトセンターの会社でしょ。この前コロナでニュースになっていたよね」ともしかするとご存知の方は多いかもしれませんが、今回はエンジニア職であるITスペシャリストを退職するという話ですので全く関係がありませんし、「実際のところ、社内はどんな感じなのか」という具体的な質問をされても答えることは難しいです。ですので、今回はそういった質問はお控えいただければと思います。では、まずは入社に至る経緯をお話ししたいと思います。

※2023年9月に株式会社KDDIエボルバは経営統合の関係でアルティウスリンクという名前に社名が変更されました。以下に記載している内容は旧エボルバ時代のものです。


入社に至るまでの経緯

就活時期に初めてエボルバと出会う

2012年から2016年にかけての私は今のような実務経験はなく、とにかく技術が好きで暇さえあればプログラムを書いたり、お友達と一日中、技術談義に花を咲かせることが好きな情報学部の勤労学生でした。

大学ではいろんな分野を学習していろんなことができるようになりました。2014年には就職活動を意識し始め、2015年には2016年新卒採用の就職活動が始まり、大学から某SIerの子会社で父が働いている企業の推薦を受けることができました。がしかし、自分を表現する力が弱いことなんでもできることが良いと思い込んでいたことところがあり、内定はいただけませんでした。大学推薦を獲得したにも関わらず、就職活動は難航しました。以降はいろんなリクルートサービスを活用してたくさんエントリーしてはお祈りされを繰り返しました。※たぶん、40社くらいはエントリーしたと思います。

さすがにまずいと思い、大学のキャリア就職課に駆け込んでいろんな練習や自己分析をやり直し、大学とゆかりのある企業様から内定を獲得しました。
内定を獲得したので就職活動をやめようと考えたのですが、マイナビ新卒でオファーをいただいていた企業様の中にKDDIの名前を冠する企業名があることに気づきました。「そういえば、KDDIというとauのバックエンドを支える企業だよな」と今ではクッソ当たり前なことを振り返りつつ、大学のキャリア就職課に聞いたり、自分で調べても多くの情報サイトでは「KDDIエボルバはコンタクトセンターの会社」という結果しか返って来ませんでした。

「自分がこれからやりたいことはエンジニア職だからコンタクトセンターではないよな」と思って一歩引いていたのですが、オファーの触れ込みが「ITスペシャリスト職、新卒1期生募集」のようなタイトルでしたのでとりあえず受けてみることにしました。これがエボルバとの初めての出会いでした。

トントン拍子で選考が進む

選考はエントリーシートの提出、選考3回でグループ面接が1度だけありました。今までグループ面接は初めてで緊張したこともあるのですが
2人組のタッグでお相手が容姿淡麗な女性だったということもあり
女性の少ない情報学部出身で女性経験が浅い自分としては面接以上に緊張していたと思います。
※ちなみにこの時知り合った女性は現在の同期社員ですw

初めてのグループ面接があったにも関わらず、選考はトントン拍子で進み
2週間とかかることなく終わり、結果は内定でした。

KDDIグループに内定を受諾したが

大企業の子会社に内定をいただいてハッピーな反面、やっぱり会社に関する情報は少ない為、とても不安でした。
ですが「ここで挑戦しなければ。あとで大きな後悔をする。そんな気がする。」という想いだけがあり、一つ前にいただいた内定を辞退して挑戦することにしました。
※今でもこの判断は良かったと思っています。

実際に入社してみて

入社当時は研修は手厚かったのですが、オンボーディングがイマイチという感じでした。というのも新卒の受け入れが初めてということもあって「新卒ができること」がわからないという話が多かったです。

ゆえに、なかなか希望の仕事に就くことが難しく当時は「早く、実務経験を積みたい」という気持ちでいっぱいで生意気にも上司に意見することもありました。

※今思えば、言い方が悪いんじゃないと思うところや態度にも悪いところがあったんじゃないかなと思って反省しています。

当時はエンジニア志望であったにも関わらず、業務委託で契約した通信回線のテクニカルサポート対応をひたすらやっていました。
もちろん、電話対応が基本でしたので今みたいに開発やインフラの仕事はやっていませんでした。

※テクニカルサポートもある意味ではエンジニアの仕事ではあるんですが、何かを作ったり手を動かして自動化したりするエンジニアに比べたらエンジニアとは言えないかもしれません。

エンジニアとしての下積みの始まり

そんな中、某ネットワークベンダからの案件でネットワークエンジニアとして経験を積むことができるようになりました。
このあたりの話は退職後のエントリにも書きますので割愛しますが
その案件から自分の下積み時代は始まり、現在の仕事に就くことになりました。経験した会社は現在のエボルバで1社という形ですが、客先経験は3社ですので同じ1社経験でも経験値の差が段違いであることは言うまでもないです。
経験だけ多くても自分がなければダメだと言うの本当にその通りだと思っていたのこともあって自分が自分らしくいる為に自分を確立しようと思いました。また、これは客先常駐あるあるなんですが、いろんな会社でいろんなロールを経験すると自分が何者なのかわからなくなることがあります。
例えば、私の場合はエボルバの社員であるにも関わらず、ある会社での経験が長いせいで自社で起きたイベントが自分の会社で起きていることと認識できなくなることがありました。

現在の自分はいつ頃に確立されたか

さすがに周りに流されすぎてまずいと思った私は自分について考えるようになりました。
自分はエボルバに所属する社員でA社の客先にいる社員でもあるという認識を常に持つようにしたのですが、頭が痛くなるのは必然ですぐにやめました。そして、エボルバだのA社だのと認識を持つのが面倒になり、自分はエボルバの人間でもA社の人間でもなく、「一人のヤマダという人間である」という認識を持つようになりました。いわゆる、自身にヤマダというブランドを持つようになりました。

エンジニアとして社会人としていろんな企業での経験を積んで、たくさん悩み、25歳の時に誰にも依存しない今の自分を確立しました。

今の自分が完成するキッカケみたいな話は特段あるかないかで言うと
「平成最後に初彼女にフラれたこと」だと思います。
実を言えば、この「好きな女性に、彼女にフラれた」ことが自分のキャリアを考えるきっかけになりました。この時はかなーり真剣に悩んでいたと思います。特に自分がどれほどの力を持っていてどれくらいの市場価値があるかという客観的な評価は当時一番欲しかったものです。
欲しいというだけではその他大勢と同じであると自覚がありましたので真剣に考えることにしました。

客観的な評価を得るためにどういう行動に出たか

社内で高い評価を取り続ける

当時は社内からの評価を得ることに必死でした。とりあえず、誰が見てもわかりやすい数字を書くということを意識して成果報告時の数字の書き方や数字の出し方に徹底的にこだわりました。そのおかげもあってかSS,S,A,B,C という5段階評価でS評価を連続で取り続けてさらにベストエンジニア賞も受賞しました
がしかし、私はそれだけでは満足できませんでした。最上位の評価を受けることができなかったことに不満だったとかそう言うことではなく、社外の人から見ると自分のレベル感はどうなんだろうという気持ちが強かったです。そして、ある時から社内でS評価を取るのは当たり前という状態にまでに習熟度が上がり、以降は段々と自身の業務への関心が薄くなりました。当時思ったこととしては「なんで自分はこの業務をやっているのか。そしてこのまま続けていて良いのか」という疑問が浮かぶようになりました。

※2022年現在では社内S評価を4年と半期で9連続達成しています。
※ベストエンジニア賞は2018年度末(2019年に受賞)

オンラインサロンへの参加

客観的な評価でも「社内は優しいのでは」という思いがどこかにありました。そう思いつつ、どこでも良いので自分よりすごい人に出会えないか模索しておりました。そうしてなんやかんやで「雑食系エンジニアサロン」という今では多くの人がご参加されているコミュニティに入会しました。ちなみに当時は月額プランが一つしか用意されておらず、今のようにプランが3つあるような感じではありませんでした。

Web系エンジニアを目指すコミュニティでしたが、自分はとりあえず自分よりレベルの高い人からの評価や人脈が欲しかったので加入したという感じでした。ある時はWeb系エンジニアというキャリアも考えて挑戦したのですが、うまくいかず断念しました。

結論を言えば、加入して良かったと思います。今も昔もいろんな方面からいろんなことを言われるサロンですが、自分の人生を大きく左右する出会いだったと思います。技術バリバリでバイタリティの高い主催の勝又さんと懇親会で話すこともありました。年長者ということもありましたが、どちらかというとエンジニアとして魅力的なキャリアを歩んでおりましたので次のキャリアや自分の仕事について悩んでいた時期にはとても参考になりました。

そして、コミュニティ内では名ばかりかもしれませんがAWS部の部長という名前をいただくことができました。

ここで人生の転機

AWS部の部長になってからしばらく経過したある時
渋谷で働くクラウドエンジニアの人がAWSの学習コミュニティを立ち上げるという話をAWS部のメンバーから聞きました。当時の私はJAWS-UGにもどこのAWSコミュニティにも加入していないエンジニアでクラウド技術にはあんまり詳しくありませんでした。
ちょうど良いのでクラウド界隈で名を売れそうなコミュニティでかつクラウド技術に継続的にキャッチアップできる環境に身をおけたら最高かなと思って飛び込んでみました。
また、そのコミュニティ主催のくろかわこうへいという男は勝又さんとは別の方面ですが、実力でインフラエンジニアとして名を挙げてきた人ということもありますし、ちょっと前には動画も見ていて面白かったことも覚えていました。
※くろかわ部長面白すぎです。

AWS部の部長として取り上げられる!!

こんな感じでくろかわさんに取り上げていただきました。人生を変えるきっかけはたくさんありましたが、今思えば、これが今の人生を大きく変えるキッカケの一つだったのかなと思っています。
いや本当にびっくりした日でした。まさかこんなところで部長というIAMロールが活きてくるとは思いませんでしたし、コミュニティに積極的に参加するという機会をいただけると思いませんでした。

積極的にCloudTechに加入してからはいろんな技術発信をさせていただきました。ご存知ない方にも改めてお伝えしておくと具体的にはLINEの技術を積極的に扱うLINE Developers Community のメンバー様と一緒にハンズオンイベントを開催したり、LINE bot 制作の裏側をLTで話したりしました。

ここらへんの細かい話は退職後のエントリで話しますので割愛しますが
オンラインで多くの登壇経験を積むことができたのは自身のキャリアに大きく影響したと思いますし、自身の次のキャリアをどうするかを考える題材にもなりました。
イベントの講師を担当しておりましたが、CloudTechでの活動はそれだけではなく、勉強会も主催していました。

CloudTechでもくもく会を主催

CloudTechはSlackコミュニティでもくもく会専用のチャンネルがあります。
そこで私は息をするかのようにもくもくを多く開催して毎日いろんな勉強をしつつ、いろんな人と交流するようになりました。
雑食サロンのAWS部でももくもく会を主催しておりましたが
メンバーが限定されてしまうこともあり、部としてあんまり良くないかなと思ってやめました。※雑食サロンにはもくもく部という部活もあります。

結論を言えば、このもくもく会というイベントを主催し続けたことも今の自分につながっていると思います。
いろんな人の話やその人の技術スタック、生き方や働き方など様々なこと聞いて自分を振り返ると小さい自分がいたことに気づきました。

転職を決意

職務経歴書や履歴書は25歳(2018年末)の時点で作成していたのですが、転職の可能性を見出せず、ずっと保管したままでいました。
※とは言っても職務経歴だけは変わるので更新は続けていました。

実際に転職を決意していたのは26歳(2019年上半期)の時で実はCloudTechに入るより前に決意していました。というのもやっぱり、雑食サロンでは多くの未経験者が毎日のようにエンジニア転職をしていることもあって、「自分ももうちょっと頑張らないとな」と思っていましたし、自分のキャリアプランには「28歳には転職を経験する」というプランもありました。
※CloudTechに加入したのは2021年1月16日(当時27歳、28歳になる年)

また、「社内で高評価を取るだけの簡単な作業を繰り返す苦痛」と「こんなつまらないものに時間を使って良いのかという不安」を感じることがありました。その時に強く転職を意識するようになりました。

とりあえず、転職をする為に元々書いていた職務経歴書をブラッシュアップすることにしました。

当時は技術はあれど、何がしたかったのかが明確になっておらず右往左往していました。メガベンチャー様や皆さんの良く知る有名企業からたくさんのスカウトをいただいておりましたが、自分の強みを理解していなかった為にスカウトに応じてもあまり良い結果にはなりませんでした。つまり、「できることはたくさんあるが、何で生きていくのかが決まらず、大量の職務経歴を活かすことができなかった」というのがその時の敗因だったと思います。

また、仮にやりたいことが決まっても市場を見ると自分の価値はまだ弱いのではないかと思い、誰もが経験したことがないようなことを経験して職務経歴の質を良くしようという手段に出たこともありました。
具体的には

  • クラウドエンジニアロードマップの書籍執筆

  • IT教育系動画の作成

  • コミュニティにおける質問対応

  • もくもく会の継続開催

などなどです。
どれもそれなりに職務経歴を厚くすることはできましたが、結局のところ
君は何がしたいのか」ということは誤魔化すことはできない為
もっと深掘りすることにしました。

何がしたいのかを見つける為に

やりたいことで考えてもなかなか決まらない為、そもそも論で考えました。まずは、自己紹介の時に詰まらないよう自分が何の仕事をしているのかを端的に説明できるようになろうと考えて、今の自分は世間一般ではどういう名前で表現される業務内容なのか。それを考えることにしました。
その結果、自分の業務はGoogleが定める「Customer Reliability Engineer」の業務に近いことがわかりました。

最初は端末のキッティング業務もあるのでコーポレートエンジニアだと思っていたのですが、「お客様の困りごとを技術を持って解決し、不安を取り除く」という作業の方が多く、同時に複数の技術スタックを同時に扱うこともありました。もしかすると「フルスタックエンジニア」ではないかと思う時もあり、フルスタックエンジニアとして名乗っている時期もありました。

CREと名乗ってから

自分が何者かというのが決まってからの将来設計はかなり楽になりました。
というのも自分が何者でどういう技術を扱うのが得意で今まで何をしてきたかそれがひとつのCREという単語に収まるようになったからです。

たくさんの技術を扱っていても「お客様が抱える課題を解決する為に技術を学んで課題解決に役立てるCREというエンジニアをやっています」という一言で自分の自己紹介が完結する為、とてもピッタリでした。

また、何かの技術に依存したようなエンジニアとなると自身の課題解決スキルに影響があるのでそういう点でもCREはとてもピッタリくる用語でした。
まとめると自分のやりたいことは「社内外の問題を技術を持って解決するエンジニアとして活躍したい」ということに収束しました。
そこにクラウドが入り、自分のキャリアビジョンが明確になりました。

転職活動リベンジ

自分が何者かをガッツリ伝える

自分が何者かそしてやりたいことは何かということが決まってもなかなか決まりませんでした。スカウトいただいた企業様に積極的に応募するも
大体は1次面接まで乗り越えるものの2次面接でNGということが多かったです。ただし、以前の転職活動に比べて自分はこれがやりたい・これならできるという気持ちが言えたのでかなりマシになりました。
ハッキリとやりたいことが決まるとお祈りされても「まぁ、自分の発揮できるバリューとかやりたいことが応募した企業様はお気に召さなかったんだろうな」と思うようになり気が楽になりました。それでも決まらないことへの焦りはありましたので結構必死だったと思います。
そんな中で良縁に巡り会えました。

リファラル採用を獲得

運が良いことに自分が活動するCloudTechでリファラル採用を獲得できました。キッカケはもくもく会後の雑談なのですが、そこでとある社員さんからリファラル採用をいただきました。
色々な勧誘を受けましたが要約すると「技術が好きならうちで働いてみない?うちは偉い人から末端に至るまで全員エンジニアだよ。」みたいな勧誘だったと思います。「そんなことある?」と思いつつも、自分の技術スタックを話すと「それならうちの○○という部署が良いかもね」など具体的なアドバイスをいただくこともありました。最初は保留にしたのですが、「自分でスカウト企業様に応募しても2次面接くらいが限度だし、ダメもとでやってみるか」と思いました。ちなみに退職後のエントリには書きますが、リファラル先はAWSプレミアティアコンサルティングパートナーでKDDIエボルバと同じくKDDIグループの企業様です。
それから4月にリファラル採用の選考を受けて1次、2次、そして3次まで受けて、2022年6月9日に内定をいただきました。
このあたりの話は退職後のエントリでもうちょっと詳しく書きます。

まとめ

自分の目標に辿り着くまでに時間がかかりましたが、「急がば回れ」という言葉があるように最短経路で進もうとすれば、逆に遠回りになることもあるということ。そして、次のキャリアに結びつくような行動を意識しなければ、良縁には恵まれないこと。それを思い知る2年間でした。
まだ、本業における仕事は残っていますがそれはもうあと1ヶ月もありません。「今までクソお世話になりました」とエボルバに言いたいですが、まだ早いかなと思うので次の退職後エントリで書きたいと思います。
その時はエボルバのことについても触れたいと思います。
以上、8,000文字弱にもわたる文章を読んでいただきありがとうございました。

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