【詩】 曇天の眼
ぼやんとした日 静かな白い日
空気にすーっと溶けそうになる身体
ぼんやり外を眺めては目を閉じる
うすら目をあけては また閉じる
おもい瞼
身体もぼんやりあたたか
隣家の薄いグレーの壁に吸い込まれそう
心地よく晴れた日に 曇天を想うことはほとんどないのに
曇天の日には 必ず晴天を想う
雨でも降れば また違うのか
静かなこの曇天を
ただやり過ごす
笑いもなく 涙もなく 安堵もない
空(くう)を見つめて 空(くう)すらつかめず
眼(まなこ)は奥に沈みこむばかり
この現実世界から 逃げるように
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