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突発性難聴になった話 (1)

2024/05/22 07:25時点
突発性難聴の治療のために入院中。
いつか、誰かの役に立つかも知れないと思い、発症してからのことを記録しておこうかなと思ったのでノートしてみます。
第一話では、発症〜入院までの三日間のことをお話しします。


難聴は突然に!?いや、いつの間に!?

2024/05/15 水曜日 20時半頃くらいの出来事。
この日は在宅ワークだったんだけど、18時30分からヘアサロンでパーマをかけてもらう予約をしていたので、夕方、切りの良いところで作業を切り上げて街の方に電車出かけた。
いつもなら電車に乗る時は必ずワイヤレスイヤホンをしてるんだけど、この日は家に忘れてきた。なんかこれが不吉の前兆?なわけないな。

サロンでは初めましての担当してくれた方とたわいない話をしたりして普通に過ごしてた。パーマをかけてたから耳の所もタオルを巻いたりラップみたいなのを巻いたりしてて、ずーっと両耳が塞がっている感じだった。

無事に素敵なヘアースタイルにして頂いた後、なんか気圧で耳が詰まっているような感じはずーっとあったけど、飛行機に乗ったらいつもなるやつだし、別に気にしなかった。ただ、今にして思うと回りの騒音が異常にうるさく感じた。

帰宅してから気づく異変

その後、呑気なことに雑貨屋さんをブラブラしてから、デパ地下で夕食を買って電車で帰宅。その時に初めて「ん?なんだこれ?」って感じ。
それまでは周りが騒がしくて感じなかっただけだと思う。
家にいるのに電車が走っているような音が右側からだけ聞こえる。
何回耳抜きをしても、右側だけずーっと詰まったようなままの感じがする。
いや、詰まったというより、水没しているような感覚。
プールで泳いだ後に、耳の水を抜く前の変な感じに近い。

流石に異常を感じたので症状をネットで調べてみる。
「突発性難聴!?」

突発性難聴って何よ

そう、まさにそんな感じ。
どっかで聞いたことがあるような、ないような。
有名な歌手が罹患したとか克服したとか、どっかで聞いたような気もする。
どちらにしても一度耳鼻科に行ってみるしかなさそうだ。
とりあえず、朝起きたら気のせいだったーってなることを祈りながら、いつものルーティンをこなすことにしよう。

シャワーとそれにまつわる異変

耳に水がかかっているのに音が聞こえない。右だけ。
耳たぶを洗っている時も音が聞こえない。右だけ。
タオルが耳にあたってもガサガサ聞こえない。右だけ。
綿棒を耳に突っ込んでもガサガサ聞こえない。右だけ。
ドライヤーをかけていると、左からだけ風音が聞こえる。
もちろん、触れている感覚はあるんだけど、音だけがしない。

お食事にまつわる異変

咀嚼音が左側からしか聞こえない。
確かに噛んでいるのに、左側の咀嚼音だけがでかく聞こえる。

寝る時に感じた異変

とりあえずは寝ようと思って、ベッドに。
耳鳴りというほど爆音ではないんだけど、山奥とかで風が吹いていて虫が遠くで鳴いているような音がずーっとしている。
どちらにしても今日は寝よう。疲れているだけかも。

翌日になっても変化なし

翌朝。やっぱり耳はおかしいままだった。
ただ、ど平日だし、相手があるスケジュールが入っている日だったので、当然仕事に行かないといけない。
とりあえず、いつも通りに準備して電車で出勤する。
いつも使っているワイヤレスイヤホンで、いつもの英会話のポッドキャストを聴きながら。ただ、右側からは無音。イヤホンが壊れているかどうかを一応確認しようとして、イヤホンの左右を付け替えてみたけど、やっぱり壊れているのは自分の右耳の方だった。

早く病院に行こう

オフィスに着いて、午前中のタスクが片付いたところで、自分の症状についてさらに色々な情報サイトで調べる。
どうやら少しでも早く治療をした方が良いらしい。
だとすれば、なんとか今日中に病院に行きたい。何度も通院することも考えて、自宅からできるだけ近くの口コミが良さそうな耳鼻科をリサーチする。
なんということだ。木曜日って休みの病院が多いの?

いくつか電話してみて17時までにいけば診てくれるという耳鼻科が見つかった。ちょうど夕方にWEB会議が入ってが、先方にお願いして17時までに間に合う様に前倒ししてもらった。
少しでも早く病院に行けるように、病院の近くの個室っぽいカフェでWEB会議に参加。もちろん、右側のイヤホンからは無音。

無事に16時過ぎくらいには体が空いたので、そのまま耳鼻科さんへ。
ひどく混んでる。まぁ、誰のせいでもないし、しょうがない。
そういえば、今は花粉症の全盛期だ。

やっぱり右耳が聞こえてなかった

しばらく待って聴力検査を受ける。
検査する意味ないよね、ってくらい全く聞こえない。
右耳の検査に関しては一回もボタンを押す必要がなかった。
それから医師の診察というかお話が始まったんだけど、単純明快な話だった。

え?入院って言いました?

医師:
「突発性難聴の疑いが極めて高いです。また症状もかなり重度です。」
「当院では治療を行えません。入院受け入れ可能な医療機関を紹介するので、明日の朝一で行って入院して下さい。」

私:
「え?入院って言いました?」

医師:
「はい。正直申し上げて治療しても良くなるかどうかわかりませんが、入院した方が良くなる可能性が高く、早い治療開始が最重要です。可能な限り早期に入院されることをお勧めします。」
「明日の朝までに紹介状を準備しておくので、受付開始時間と同時に取りに来て下さい。」

私:
「はい。わかりました。ありがとうございました。」

うん。ちょっとびっくり。
今日から薬飲むんだろうなーと思ってやってきたから。
そんなに大事だったんだ。

とりあえず、現実を受け入れるしかない。
帰宅して、明日以降の準備をしないと。

入院してもいいように準備する

  • まず考えたのは、仕事をどうしようか。
    私の仕事の肩書きはITコンサルタント/ITエンジニアということになっている。まれに開発もやるが、メインはクライアントに提案やアドバイスをしたり、ニーズに合うIT導入を支援するコンサルの方。ほとんどの業務はリモートで対処できるが、入院するとなれば電話やWeb会議に対応できる時間帯に制約が出るのと、実際にクライアントを訪問するようなことはしばらくできない。直近としては、入院することになりそうな明日の午後に客先訪問の予定があった。これは、朝一番でお詫びの連絡をするしかないい。

  • しばらく家を空けても良いように、掃除や洗濯を消化しておく。

  • 肌着やタオル、ティッシュ、使い捨てコップ、割り箸、とりあえず思い付く必要そうなものをすぐスーツケースに詰めれるように出しておく。

  • 入院中でも仕事ができるように、充電器やWiFIルーターを確認。

  • 暇つぶしに読む本も数冊詰め込む。

入院するであろう病院へ

悪あがきでもなんでもないが、もしかすると入院はせずに済み、午後は仕事に行けるかもしれない。一応、そういう可能性も考えてスーツにネクタイと革靴、そのまま客先に直行できるスタイルで行くことにした。

まずは昨日診てもらった耳鼻科医院に紹介状を取りに行く。
受付の方が把握していたようで、数秒待つとすぐに出してくれた。
そこから、歩いて1分くらいの距離にある大きな〇〇医療センターという看板が掲げられた病院に行く。
そうだ。
ここは一度入院したことがある。17歳だった頃だからもう25年くらい前か。
当時は違う病院名だったなーと思いながら、受付で紹介状を渡す。

別の階の耳鼻科に行くように指示され、医師から検査の説明を受けた後、血液検査・尿検査・聴力検査を行なった。
やはり大きな病院だから待ち時間もラージサイズ。
朝8時半に受付をして、検査やらが全て終わってジャッジメントを聞く時間は14時頃になってしまっていた。
当然、仕事には間に合わないので訪問予定だったクライアントの担当者には丁重にお詫びのご連絡をして、二度目の診断結果を聞く。

驚きもしない、予想通りの結果

前日の夕方と全く同じことを言われた。
それに加えて、自分の基礎疾患によって入院が必須だということも知った。
前提条件を記載し忘れてたが、自分は糖尿病を患っている。
そこまで深刻な症状ではないが、10年前くらいから食事や薬で血糖値をコントロールする生活を続けてきた。
そう、それがネックだったとこの時に知った。
突発性難聴の治療に用いるステロイドという物質は血糖値を高めてしまうので、もともと血糖値をコントロールしなければならない自分の様な人間は、入院で管理しながら治療しなければならないらしい。
どちらにしても、医師の言うとおりにやってみるしかない。

医師:
「今日から入院できますか?」

私:「はい。」

医師:
「それでは、入院の手続きを行って頂いて、今日から治療を始めます。」

どうでも良い話だが、担当してくれた女医さんはとても感じが良い方だったので、安心できた。

受付で簡単な入院手続きをしてから、一度家に帰宅する。
予想通りの結果とはいっても、なんとも言えない気分だった。

入院生活の始まり

やはり昨日のうちにある程度準備しておいてよかった。
一度自宅に戻り、必要なものを荷造りする。
ガスの元栓を閉めて、バイクが倒れたり、カバーが飛ばないようにしっかり固定して、よし、準備万端。

入院って言っても1週間くらいかな?っと思ってたから、そのつもりで準備してたのだが、今日の医師の話だと最短でも12日間くらいになるらしい。
とりあえず12日分の着替えやらをスーツケースに詰め込んだ。
いつもの出張用の機内持ち込みサイズのスーツケースに詰めたら全く収まらなかった。最初から大きい方にパッキングすれば良かったと思ったが、もうやり直す気力がなかったので入り切らない分はなんとかバックパックに詰め込んだ。

駅までの坂道をこの大荷物で降りるのは辛いなと思ったのでタクシーを呼ぼうとしたが40分待ちと言われて、おとなしく駅まで歩く。

事前に伝えられていた病棟に行くと、受持してくれる看護師さんがすごく愛想よく病棟内を案内してくれた。どうでもいいけど、笑顔が素敵な可愛い方でした。
レンタルした病院用のパジャマに着替えてたらすぐに点滴注入。

点滴を注入されながら、入院に必要な書類に署名したり、回診時間とか消灯時間とかに目を通していた。この三日間色々バタバタしてたから、点滴をうたれながらウトウトしてしまう。

いつの間にか夕食が運ばれてきた。久しぶりの病院食だ。
うん、めちゃくちゃヘルシー。
多分、体全身にとってはこういう食事がいいんだよね。
この機会に体の毒素を流せるかもしれない。
たまにはこういう生活も悪くないかもしれないと少し思った。

これから回復するのかどうなるのか全くわからないけど、とりあえずは今できることをやってくしかない。
あとは、身体をうごかせなくなりそうだから体脂肪率が心配だ。
「何とか目標体型を維持してたのになぁ」などとどうでも良いことまで考える余裕はあった。

次回の難聴さんは?

とりあえずは入院生活が始まったので、治療がメインの生活を続けていくことになりました。
数日経過したら、またそれまでの経験を第二話で配信したいと思います。
同じ病気になった方ご本人やそのご家族、どなたかの励ましや参考になれば嬉しいです。
 最期までご覧いただき誠にありがとうございます。コメントやいいねを頂けるとダンスしながら喜びます。

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