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001_デジタル化社会に生きる今だからこそ考える有意義な時間の使い方

こんにちは。むーみんです。

会社員として働いていた頃、私はこんな悩みを抱えていました。

どれだけ早く仕事を終わらせても、仕事が次から次へと回ってきて仕事の効率化に終わりが見えない。。。

一つのタスクにかける時間を限りなく短くするために、タスクの優先度を変えてみたり、タイピングがめちゃくちゃ早くなるよう努力したり、マクロをググって調べてみたり、毎日そんなことをしていました。

しかし、会社の上司にこんなことを言われてハッとしました。

メモ書き渡しただけで何をしてほしいか汲み取ってくれるし、仕事も早いから誰かに仕事を頼みたい、と思った時についつい声を掛けたくなっちゃうんだよね。

自慢でも何でもなく、仕事が次から次へと回ってくる状況に自分を追い込んでいたのは紛れもなく自分自身だったのだと、その時はっきりと自覚したのです。

自分はタスクを溜めたくない性格なので、急な仕事がなければ「後でいいよ」と言われた仕事でも手が空いたらささっと片付けてしまいます。
自分のその性格が災いし、自分で自分を忙しい状況に追い込み、仕事の効率化地獄 に嵌まっていたのです。

そんな状況の時に目に留った本がイギリスの全国紙ガーディアンの記者であるオリバー・バークマンが執筆した『限りある時間の使い方』。
本書の主人公は紛れもなく「私」であり、本記事をご覧になっている読者の皆様だと思います。

生産性オタクが陥る罠

私は著者のオリバー同様、生産性オタクでした。生産性オタクが目指していることは「タイムマネジメントを駆使して自分の時間のすべてを管理すること」。

この一文を読んで共感の嵐が訪れた方へ。

ようこそ。あなたも立派な生産性オタクです。

生産性オタクにとっての最大の喜びはタスクを最短で消化することです。
しかし、タスクを早く終わらせれば終わらせるほど、「仕事が早い」という噂が広まり、多くの人から仕事を頼まれるようになり、自分が抱えるタスクが飛躍的に増大します。これを量的な効率化の罠と呼びます。

そして、タスクが増えることで、中途半端にならざるを得ないタスクが発生し始めます。これが質的な効率化の罠です。時間をかけてじっくり取り組むべき重要なタスクが、その場でさっと片付ければ終わるような簡単なタスクに埋もれ、重要なタスクの質が低下する問題です。

生産性オタクは「細かいタスクを先に終わらせて重要なタスクに向き合う時間をしっかり確保しよう」と考えるのですが、その「重要なタスクに向き合う時間」は永遠にやってきません。

生産性オタクがこの効率化の罠から自由になるためには、「やらないタスクを決める」ことが必要です。時間は有限です。その限られた時間の中で、すべてをこなすことはできません。

すべてをこなそうとする誘惑に打ち勝つ勇気

これが必要なのです。

「自由であること」とは

フリーランスの謳い文句として、

自分で働く場所、時間、人を決められる

というものがあります。
このような自由を、本書では「個人主義的自由」と定義しています。
個人主義的自由の対極にある自由が「価値のある共同作業に参加する自由」です。

前者の自由を手に入れるためには、他人との境界線を引き、時間管理の主導権を他人の手から取り戻すことで実現できます。私にとっては非常に魅力的な自由です。自分のスケジュールを自由に決めることができますが、スケジュールは常にオンデマンド・スケジューリング。「他者と時間を合わせて何かをする」ことはとても難しくなります。

一方で、後者の自由を手に入れている人達は、自分がその自由を享受していることに気が付くことが難しいです。一見、決められた場所で、決められた人達と仕事をし、決められた時間で休憩する日々を送るため、時間・場所・人が拘束されているように感じます。しかし、それこそが集団的な一体感を生み出し、人と人との繋がりを生みます。

そもそも、個人主義的自由にしろ、価値のある共同作業に参加する自由にしろ、何かを選択できる状態にあることこそが最大の自由なのです。

非効率なことに時間を使う勇気

生産性オタクが最も恐れていることは何か?

それは、

自分でコントロールできないことに自分の時間を支配されること

です。

自分でコントロールすることが難しいことはたくさんあります。
職場の人との飲み会、飲食店の行列の待ち時間、他者の反応、パートナーとの関係、…などなど。

生産性オタクは、このようなことに振り回され、自分のペースが乱されることを恐れています。
しかし、この自分でコントロールすることができず、どちらかというと「非効率」に分類される物事に時間を使う勇気を持つことが、生産性オタクを効率化の罠から自由にします。

すぐには行動に移すことができなくても、「時間を支配する考え方から自分でコントロールできない世界へ軸足を移す選択肢を考えてみる」こと、その勇気を持つこと。

それだけでも生産性オタクにとってはパラダイムシフトが起こります。

効率化の罠に嵌まり、個人主義的自由を突き詰めようとしていた生産性オタクである私にとっては天変地異の考え方です。

もし、本記事をご覧になった方の中で、何か雷に打たれたような思いをされた方がいらっしゃいましたら、生産性オタクから抜け出そうとしている私と一緒に頑張りましょう。

限られた時間をどのように配分するかは自分次第です。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

▼紹介した本
タイトル:限りある時間の使い方
著者:オリバー・バークマン
発行所:株式会社かんき出版

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