肉

何で私が営業に?構造設計者が営業への異動で感じる期待と不安

はじめまして、こんにちは。Dr.山口エンジニアです。

twitterの建築構造系のアカウントとして、様々な情報を発信してTLを汚していましたが、twitterでは物足りず、今回noteに進出してみました。

note初の投稿は個人的に旬の話題。私の営業への人事異動についてです。

略歴:東京工業大学で学位を取得後、State University of NewYork at Buffalo にて客員研究員。鉄鋼メーカーのエンジニアリング部門で、特殊鉄骨構造、空間構造の構造設計(裏設計)6年、その後、社内の総合建築部門の構造設計に異動し、工場・倉庫・事務所ビル・データセンターなどを中心に構造設計業務を10年ほど続けてきました。その中では免震・制震の建物など構造設計者として携わり、部下も使いながら充実した構造設計業務に取り組んでいました。

「山口君ちょっと来て」

部長からのその一言が何を意味するのか、声を掛けられたときにはわかりませんでした。「2月1日付で、免制震デバイス営業室に異動になりました」とのことでした。確かにここ数年は自社でできる建物タイプは一通り自由に設計できるようになったし、異動したいと人事考課の書類にも書いていましたが、異動したかったのは、開発か、海外事業であって、営業と聞いて喜ぶでも悲しむでもなく、複雑な心境でした。

悶々と山の天気のように

時間が経つにつれて、悶々とした感情が浮かび上がってきます。さまざま感情が山の天気のようにうちり替わり、私はこの異動をうれしいのか、悲しいのか、良くわからなくなってきました。そんな分けで、一構造施設計者が営業の異動に際して感じる期待と不安を整理してみようと思った次第です。

うれしさと期待

プリミティブな一つ目の感情は、現状業務から解放されるうれしさです。構造チームのメンバーの中で、一番長いキャリアとなったことで、過去案件のトラブルなど、ここでは書けないような闇プロジェクトが私に紐つけられ、若手にも任せられないし、悶々とした日々を送っていました。また、近年は大型物流の概算担当の仕事がなんとなく集まってきたことから、限られた情報と時間の中で、躯体の工事原価を決める役割を仰せつかり、「このプロジェクトは構造が肝だ」との魔法の言葉により数億円の負債をしょい込むような日々でした。この解放感、半端ないです。たとえるならば、ドラえもんのように、常に地面から浮き上がっているような、身軽さです。

期待としてはいくつかありそう。

 一つ目は、社外の構造設計者とエンジニアとの交流です。デバイスの技術営業として、設計事務所やゼネコンに出入りし、一流の方々との交流は、きっと素敵なものだろう。交流を通して新たな開発のネタや、ビジネス展開のネタを見つけられるのではなかろうか。様々な技術者との交流が、一つの醍醐味であると感じる私にとっては、とても魅力的な立場です。(若干人見知りなところはさておき)

 二つ目は、単に昔の友人・知人と一緒に仕事ができるなぁと。氷河期世代ということもあり、今の若手ほど構造設計を行っている人はいませんが、その分、結構強いきずなでつながっており、いつかは一緒に仕事がしたいとの期待はありました。

 三つ目はビジネスを体感できること。構造設計は裏方であり、受注や売り上げ、損益には程遠い立場です。会社の中でもお金はわからない頭でっかちの集団と見られ、こんなに原価を改善したのに!。こんなに合理的な提案ができたのに!・・・。成果と結果が結びつかないことも多く、なんだかむず痒い日々でした。

 四つ目は、純粋な欲望の塊です。営業だものお客様とおいしいものを食べながら懇親しないと。営業だものお客様とゴルフにも行かないと。銀座にボトルを入れるぞと、意気込んでいます。

不安と悲しみ

まず、異動先の業務が良くわからない不安。これは情報が足らないことに起因する不安なので、悩むことはやめます。

一つ目の不安は、今の自由を手放すこと。ここ2年ほど、設計部門の部長に対して、何をやってもいいという自由を勝ち取っており、twitterのメンバーを集めてデバイスの見学会を開催してみたい、他の事業部門にきっと役立つとの思いで、コンピュテーションの活動を開始してみたり、構造設計者の枠を超えてかなり自由にお金と時間を使いながら、取り組むことができていました。こんなに自由にできるのならが、異動を希望することもないじゃん。と思えるほどでした。異動先は営業部門、受注と損益の目標が掲げられ、自由な活動はできるのでしょうか? 昨年から始めた非常勤講師もダメと言われたらどうしよう。心配です。

二つ目は、生活スタイルの変化です。異動先の前任者のスケジュール表を見て、結構驚愕しました。お客様への訪問と社内打ち合わせ、かなりのコマ数の予定がoutlookに並び、ボーとしながらVECDのアイデアを見つけるような今の日常とは大きく異なるようでした。予定の調整は若干苦手事項です。

三つ目は、開発・技術畑から遠のいてしまうのではないかとの不安です。ライフワークとして新たなものを開発したいとの思いいがあり、さまざまなものを開発する素養を身につけたいというのが、私が構造設計に真剣に取り組んでいる理由です。お酒飲んでウェィ!!。ゴルフしてファー!!。魅力すぎて流されそう。立つ向かうことができるのか、負けられない戦いがここにあります。 負けた際は、twitterのアカウント名のDr.を取りますので、その時は察してください。

最後に

ここ数日、異動先の前任者と行動を共にし、少しずつ仕事の内容が見えてきました。さんざん使って、開発してきたデバイスです、技術的にはやって行けそうです。知ることで消える不安、見えることで新たに感じる不安もありますが、「神は乗り越えられない試練は与えない。」との言葉を信じて、新たな環境を楽しんでみたいと思います。

技術的に信頼され、気軽に相談される営業マンなるべく、常に勉強し対話をし、様々な方との関係を構築していきたいと思います。自由にtweetする機会も減るかと思いますが、生暖かく見守りください。気が付いたら、あなたの会社に訪問するかもしれません。その際はどうぞよろしくお願いします。

マニアなnoteの初投稿になりました。
需要があるかわかりませんが自分の気持ちに整理をつける。そんな機会になりました。半年後に読み直して、自分自身がどんな感想を抱くのかを楽しみに奮闘してみたいと思います。

最後まで、ありがとうございました。
感想、気づき、叱咤、気軽にコメントお願いいたします。
















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