何で私が営業に? 構造設計者が技術営業になってわかったこと。(振り返り編)

こんにちは。Dr.山口エンジニアです。

時の経つのは早いもので、営業に異動してからあっという間に1年の時が流れました。技術畑を離れ、営業として活動していく。今までとは180°変わる経験を推測し、不安と期待にドキドキしていたのが、昨日のように思い出されます。そして、不安の多くは杞憂であったことがわかりました。

異動前の投稿 「何で私が営業に?構造設計者が営業への異動で感じる期待と不安」から、不安と期待がどのような結果であったか振り返ってみます。

1.社外の構造設計者とエンジニアとの交流

 免震デバイスの技術営業として、社外の構造設計者が営業先となり、様々な方々との交流がありました。1年で交換した名刺はなんと700枚。すべての顔と名前は覚えられませんが、圧倒的な交流の”量”がそこにありました。
 そして、それに加え”質”。免震の設計者は、いわゆる難易度の高い設計ですので、携わる構造設計者の質もそれなりにレベルの高い方々にお会いしることができました。勉強熱心で思慮深い人との会話は、常に刺激的で、多くを学び、多くの気づきを得ることができました。

2.単に昔の友人・知人と一緒に仕事ができるなぁと

ゼネコンいいっては、友人からヒアリング。組織設計にいっては、部長となった知人にヒアリングなどなど、40台半ばの氷河期世代の友人たちは皆、それぞれの会社で成果を残し、社内の重要な役割を担う人材になっていました。みんな活躍してるけど「おいおい、俺は営業1年生だぞ」と、早期のキャッチアップを心に誓いました。

3.三つ目はビジネスを体感できること。

営業であるからには、受注目標を目指して営業活動をしていくわけですが、BtoCの一般消費財と異なり、BtoBの免震デバイスの営業は、泥臭くface to faceの技術とコストの戦いがそこにありました。1物件1物件が受注に結び付けるかどうかのゲームの側面があり、設計者のニーズに対して最適と思われる解を求めるために、ありったけの知恵をめぐらす楽しさがそこにありました。元ゼネコンの構造設計者ということもあり、技術的なアピールのみならず、構造設計者の装置選定のタイミングや、決定する志向が容易に想像できるメリットは、とても大きかったともいます。

4.純粋な欲望の塊。

営業だものお客様とおいしいものを食べながら懇親しないと。営業だものお客様とゴルフにも行かないと。銀座にボトルを入れるぞと、意気込んでました。結果としては、とてもおいしく、とても楽しい時間を過ごせました。ただし、おいしい料理よりも貴重なものは、様々の社外の技術者との交流でした。銀座の御姐さんのいるお店に行っても、延々と技術や人材育成や業界のことなど、話題は尽きないことが多かったです。

社内的には、山口は(昼間は)真面目な技術の人間だということを認知されているはずなので、夜も凄いんだぞ(交際費をきちんと使うんだぞ)ということを知らしめることができました。一時期、予定を入れ過ぎて週5で設定が入ったり、深夜まで飲んだ挙句、始発の新幹線で出張に行ったり、このままではやばいと、だいぶセーブするようになりました。

4.営業でしかできない経験

営業だもの、営業でしかできない経験できない、「人生初の経験をいくつできるか」を、今後の目標に掲げました。例えば、

 ・ひとりでお客さんに商品説明をする。(なぜか、異動前に説明)
 ・銀座に自分の名前の入ったボトルを入れる
 ・ひとりで、お客さんを銀座につ入れていく
 ・ゼネコンの現場に行って、「何でそんなに高いんだ!」と恫喝される
などなど。
辛いことも想定されましたが、人生初の経験だと思うと、作業所に行って、恫喝されながらも「流石スーパーゼネコンの副所長。恫喝の内容も理詰めだなぁ」なんて、考えていると、にやけ顔が納まりませんでした。

で、どうだったのか。

 一般的に社会人としてのキャリアを歩むにあたり、深い専門性とゼネラルな知識を有するT型の人間になれといわれることがあると思います。
私も同様に、研究開発関連の知識と構造設計の知識・スキルの二本立てで、
”Tではなくてπ”を目指そうと思っていましたが、ひょっとしたら、私の武器は、構造設計でも研究開発でもなくて、それらを生かした提案をすることだったかも。と思えるくらい営業の醍醐味を感じることが出来ています。このまま外回り営業のキャリアを歩み続けるかどうかはわかりませんが、自分の特徴を知る意味では、とても良い経験を積んでます。積ませていただいております。

 通常営業とは異なり、免震営業は技術的な側面のとても強い、織り込み営業が主体となります。そのため、与条件に対して性能とコストのバランス感を持った提案が重要となり、あの手この手の提案を行い、物件への採用を目指す行為はまさに、攻略ゲームの感があり、ゲームにはまりがちな性格にピッタリです。

小さな誤算

営業は時間の使い方の自由度が高いイメージで、空き時間に喫茶店で時間をつぶしたり、昼寝したり、そんな漠然としたイメージを持っていました。(スミマセン)マイペースで仕事をできている気はしますが、前述のように攻略ゲーを楽しんでいると、頑張れば頑張るほど忙しくなるということに最近やっと、気が付きました。 働き方改革が進む中、昼寝ができる営業スタイルの確立を目指したいと思ってます。

終わりに

構造設計→営業マンという、えっ? と思われるような異動となりましたが、日々は充実し、技術者としての強みを生かした活動が出来ています。
アフター構造設計者としてのキャリアとして、もっと挑戦する人がいてもよいのかもしれません。

最後まで、ありがとうございました。
次は、商品説明でお会いするかもしれませんね。





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