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パンデミックにまつわるおとぎ話

Dr. Geert Vanden Bossche 2022年7月7日投稿
Fairy Tale of Pandemics
の翻訳です。機械翻訳に基づきます。原文を参照の上ご利用ください。

現在の爆発的な感染症パンデミックを説明するのに、陰謀論を信じる必要はない。

以下は、その説明である(読者の皆様には、図表の作成や発言を分かりやすくかみ砕くなどして、一般の方々の理解を助けていただければと思う)。

  • 対象となる病原体が循環していない状態でワクチンを使用する場合、個人あるいは集団全体が病原体のライフサイクルに不適切な(suboptimal)免疫圧をかけることはない。

  • しかし、集団の中で病原体が循環し始めた時点で、その病原体のライフサイクルに最適とは言えない免疫圧をかけることが可能になる。

  • もし、不適切な免疫圧が集団のごく一部によってのみ作用するのであれば、大きな問題にはならない。(しかし、例えば、季節性インフルエンザワクチンなどの「季節性」ワクチンの有効性が年々低くなっているのは、既に、このためなのかもしれない)

  • しかし、病原体やウイルスが循環している場合に、集団の大部分から病原体に不適切な免疫圧力がかかると、大変なことになる。

  • 循環しているウイルスがその集団をもともと免疫的に条件づけた(プライミングした)ウイルスとは系統的に異なる変異体である場合、不適切な集団レベルの免疫圧力はさらに懸念すべきものとなる。この場合、より感染力の強い免疫逃避変異体が有利となるため自然淘汰が進み、最終的に集団に適応することになる。そうなれば、その変異体が優勢となる。もちろん、ウイルス感染率が上昇すれば、突然変異体の子孫も増加する。それによって、ウイルスのライフサイクルに対する最適でない免疫圧を克服するために、さらに適切な突然変異体が選択されることになる。「より感染力の強い」変異体が優勢になり始めると、それまでに無症状で感染していた者が再びウイルスに曝される可能性が高くなる。そのなかには、無症状感染の結果、一時的に抗原特異的な非中和抗体を獲得している人がいるかもしれない。しかし、非中和抗体はウイルスに十分な量で結合した場合、ウイルスの感染力を増強することがある(いわゆる抗体依存性感染増強; ADEI)。しかし、通常、ウイルスの感染力が非常に強いか、濃度が高いか、細胞性自然免疫系(CBIIS)が弱っている(衛生状態と栄養状態の悪い人口密集地では最悪のケースとなりうる)場合を除いて、初回の感染後すぐに再感染が起こる可能性は低い。ADEIが発生した場合、集団内の感染率が上昇する。そうなると今度は、ウイルスが細胞の自然免疫防御を突破して、適応免疫系を発動させる可能性が高くなる。しかし、「抗原原罪」により、適応免疫の発動は、まず「古い」抗原特異的抗体(最初の免疫プライミングの結果として獲得されたもの)を呼び戻すことになる。これらの抗体は速やかに大量に呼び戻されるが(免疫記憶のため!)、優勢に循環している「より感染性の高い」変異体をうまく認識することはできない。その結果、これらの抗体の中和能力は低下する。このため、非中和抗体がウイルスに結合する可能性が高まり、ADEI効果がさらに顕著になる。優勢な変異体の感染性が高まれば高まるほど、ウイルスは宿主の自然免疫防御をより強く、より頻繁に突破するようになる。同時に、抗原特異的抗体の力価は上昇し続け、その中和能は低下し続ける。その結果、ADEIが発生しやすくなり、再感染が起こりやすくなる。

  • 急性自己限定性ウイルス感染症(ASLVI)を引き起こす糖鎖ウイルスの自然感染では、上記のような現象は通常起こらない。これは、これらのウイルスの大部分が細胞ベースの自然免疫(例えば、NK細胞)によって排除されるからである。ウイルスの感染力が非常に強いか、濃度が高いか、CBIIが弱っていない限り、抗原特異的抗体がピークに達する前に自然免疫エフェクター細胞はウイルスの大部分を排除することができるだろう。このことは、これらの抗体がウイルスのライフサイクルに圧力をかけて免疫逃避に貢献する機会を減らすだけでなく、変異体に再暴露した場合に、適合度の低い抗体が大量に産生されてウイルスに結合してしまうことを妨げることにつながる。(ウイルスの複製はNK細胞を介して感染宿主細胞を死滅させることでより効果的に制御される)。この結果、ADEIのリスクは劇的に減少し、ウイルスの感染力への影響は低いか、あるいは全く無くなる。

  • しかし、非増殖性のワクチンを用いてウイルスに対する免疫反応を誘導すると、細胞ベースの自然免疫系はバイパスされ、訓練されることはない。その結果、完全に機能する抗体(つまり、中和抗体)が高力価に達する前に、ウイルス負荷の大部分を除去するメカニズムが無くなってしまうのだ。このようなことが集団の大部分で起こると、より感染性の高い免疫逃避変異体の自然淘汰と拡大が容易に起こることになる。さらに、ワクチンを接種した人々は、再曝露時には抗原特異抗体価を大幅に上昇させるが、その抗体は既に大規模な免疫圧から逃れてきたウイルスには適合しない。(後者は実際、ウイルスの感染力を十分に高めるように抗原的にシフトした変異体が選択されない限り起こらない)。ウイルスの本質的な感染力がより高まることと、ワクチン抗体の力価の高さが組み合わさると、ワクチン接種者はよりADEIを起こしやすくなる。ADEIは、集団におけるより高い感染率につながり、それによって、以前にプライムされた抗原特異抗体がさらに頻繁にブーストされ、雪だるまのようにワクチン接種者がますますADEIになりやすくなる。

  • しかし、糖鎖ウイルスによる急性自己限定性ウイルス感染症(ASLVI)では、感染増強抗体は遠隔臓器でのウイルス疾患の重症化を防ぐ(感染増強抗体は上気道でのウイルス感染と複製を促進する一方で病原性を中和している [2])。このため、無症状のスプレッダーが大量に形成されるが、典型的には細胞傷害性CD8+T細胞がウイルス感染細胞を排除してしまうため、増殖性感染や重症化が回避される[3]。これらの細胞傷害性T細胞(CTL)の細胞溶解能は、遠隔臓器への感染を防ぐ感染促進抗体によって促進される[3]。このようにして、感染増強抗体は病原性中和効果を発揮する[4]。

  • 結果として、ワクチン接種者が無症状で排出され/伝播するウイルスのパンデミックへの道を開くことになる。病原性中和抗体は、トランス感染を防ぐことにより、抗原提示細胞(APC)によるウイルスの取り込みを増加させ、その結果、MHCクラスIによってあまり拘束されないCD8+T細胞の活性化を可能にする。このT細胞は、この一連の免疫イベントの開始の原因となったウイルスに感染した宿主細胞だけではなく、他の免疫原性関連ウイルス(例えば、風邪のCoV、インフルエンザウイルス、ポックスウイルス、RSVなど、抗原提示細胞に取り込まれた場合に細胞表面のMHCクラスI分子に同じCTLエピトープを提示するウイルス)に感染した宿主細胞も殺す。

  • しかし、ウイルスの毒性に加えられている免疫圧は、不適切(不十分)であり増殖性感染を防ぐことができない。したがって、自然は、この免疫圧に打ち勝つことのできるウイルス免疫逃避変異体の自然選択と適応を進めるだろう(選択されるであろうと私が予測しているSC-2免疫逃避変異体の分子的詳細について図1とリンクを参照)

以上のことから、サル痘や鳥インフルエンザ、あるいは季節性インフルエンザウイルスに対して、非増殖性ワクチンで予防接種を受けるという罠にはまってはいけない。

  • 現在、保健当局は、非増殖性ワクシニアウイルスを用いたサル痘ワクチン接種を推奨している [訳者注:現在日本でサル痘の予防のために承認が検討されているのはこれとは異なり、弱毒生天然痘ワクチンである]。しかし、非増殖性牛痘ウイルスを使用しても、高い抗体価を誘導することはできても、循環しているサル痘ウイルスを最適に認識することはできない。牛痘、天然痘、サル痘の表面タンパク質の間には高い配列相同性があるが、循環しているサル痘ウイルスは急速に進化し、ヒト集団に適応していることがすでに確かめられている。言い換えれば、ワクチンによって高い抗体価が得られたとしても、既にその牛痘に適合した抗体では最適に認識できない変異型に直面することになるのだ。このことは、特に免疫力が低下しているワクチン未接種者(つまり、高齢者や脆弱者のような高度に活性化された細胞傷害性CD8+T細胞の「恩恵」を受けられない人)において、抗体依存性疾患増強(ADED)の深刻な懸念となる。同様のことは、もちろん鳥インフルエンザウイルスにもあてはまる。非増殖性インフルエンザウイルスワクチンで誘導された抗体が鳥インフルエンザウイルスを認識したり、それによって呼び戻されたりすることはない。その一方、完全に「SC-2によって訓練された[5]」自然免疫系を持つ非接種者は弱毒生天然痘(あるいはインフルエンザ)ワクチンの害をうけることもないだろうが、「ワクチンを受け入れる」こともないため、効果が期待できない。 さらに、弱毒生ワクチンは自然免疫系が弱い人(高齢者、脆弱者)には、重症化する危険性があるため、推奨されない。[訳者注:この項の後半に関してはここに詳しい]

  • 現在、ADEDの問題は、人獣共通感染症にとどまらない。ワクチン由来のポリオウイルスが、ポリオワクチン接種率の高い国でもすでに広がっていることが確認されている。ポリオワクチンを完全に接種していた集団はかつてはポリオウイルス感染から守られていたが、Covid-19危機の間にポリオ予防接種プログラムが中断されたことと、WHOが経口2型ワクチンを全世界的に中止した(2016)後にワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)の伝播が進んだことが重なり、ウイルスが集団レベルの免疫圧から逃れるのに理想的な環境を生み出してしまったのだ。より安全性の高い(=毒性が復帰する可能性が低い)新しいOPV-2ワクチンを用いて第三世界諸国で大量接種をしているが、依然として(循環している変異株、即ち、VDPDに対してではなく)元のポリオ2型株に対する抗体を誘導し、弱毒生ワクチンであるにも関わらず免疫逃避を強めるだけに終わっている(「馬は既に小屋を出てしまった」のだ。仕方がない!)。そのため、特に非増殖性ポリオウイルスのワクチン接種率の高い集団では、免疫逃避型ポリオウイルスが優勢に広がり始めており、侵襲性・感染性が徐々に高まることが予想される(まもなく「弱毒性」ではなくなるだろう!)。これらの集団は、感染を防ぐことはできなくなるが、病気(ポリオ脊髄炎)はまだ防ぐことができる。このため、無症候性保菌者(ワクチン接種者)の大集団が発生し、新たなポリオウイルスのパンデミックの火種となるであろう。免疫逃避はADEIと本質的に相関しているため、ワクチン接種率の高い集団、特に先進国、でADEIを介したポリオ脊髄炎の症例が大幅に増加すると考えられる(図1参照)。

  • SC-2の増殖性感染を経験した人の訓練された自然免疫は、ASLVIを生成する他の糖鎖ウイルスによる疾患をほぼ防いでくれるが、ポリオウイルス(ノンエンベロープ、非糖鎖ウイルス)には当てはまらない。私の考えでは、ポリオウイルスのパンデミックを防ぐには、水の衛生状態(飲用水)の向上と、環境衛生の改善(例えば、食用作物に排水を灌漑しない)、そして何より重要なことだが、ワクチン接種率の高い国では、VDPV(これは当初からポリオウイルス撲滅を妨げてきた)の拡散を防ぐために弱毒生ポリオウイルスを(粘膜/経口ではなく)皮下投与すること、これらを組み合わせることしかない。

C-19 集団ワクチン接種は、地球をますます多くの感染症パンデミックの温床に変えてしまった

現在進行中のパンデミックのリストは増える一方である(図2参照)。これらのパンデミックが個人、世界、動物の健康に与える影響については、すでに述べたとおりである。

これらのパンデミックはすべて、主にワクチン非接種者(の一部)に疾患を発生させるが[図1参照]、ワクチンを接種すべきではない。ワクチン接種、特に非増殖性のウイルスワクチンは、免疫逃避を助長し、ワクチン接種を受けた個体がADEIあるいはADEDを被る可能性を高めるだけだからである。

図1
Figure1
図2
Figure 2

ASLMI:急性自己限定性微生物感染症
VDPV:ワクチン由来ポリオウイルス
CBIIS:細胞性自然免疫系

[1] 再度曝露されることによりNK細胞はより効率的にウイルス感染細胞を殺すように訓練され、その結果、ウイルス量を減少させる。そのため、抗原特異抗体はもはや大量のウイルスと結合することはできない。

[2] https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/predictions-gvb-on-evolution-c-19-pandemic

[3] それらには記憶がない!

[4]https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/predictions-gvb-on-evolution-c-19-pandemic

[5] 感染初期にウイルス感染細胞に発現するウイルス関連自己類似ペプチドはCoVと他のいくつかのウイルス(ポックスウイルスやインフルエンザウイルスなど)に共有されており、NK細胞によって認識されるため。G. Vanden Bossche; 私信

この記事はTrialSite Newsに掲載された。


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