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自閉症の息子のこと-4        小学校 登下校の風景

■登校 1年生の頃

入学式を終え
新学期が始まってから少しの間は
同じ町内会に住む高学年から低学年が一緒に集団登下校
そこに息子を一人で放り込むわけにもいかず
当面の間、妻も同行

息子といえば
やはり環境の変化により緊張感が勝つのか
なかなか制服も着ずに出発の準備が進みません

妻がなだめすかしながら準備する日が続きます

集団登校の期間が終わると息子は妻と二人で登校

制服は指定の校帽・半ズボン・白のポロシャツ・ブレザー
息子はブレザー着用とポロシャツのタックインを嫌い
ブカブカの白い長袖ポロシャツのすそをヒラヒラさせながら
妻と手をつないでトボトボ歩き

時期は失念してしまいましたが
登校に慣れてきた頃に先生から
『条件付きで一人で登校させてみてはどうか』と提案され
息子に聞いてみると、一人で登校するとのことで単独登校開始
妻は息子にバレないように少し後ろを探偵よろしく尾行
そんな日が何週間か何ヶ月続きました

妻が近所の高学年のお兄さん・お姉さんたちに
息子の特性を説明していたこともあり
息子の顔と名前が少しずつ認知され始め
登校中の息子や尾行中の妻に挨拶や声掛けをしてくれるようになり
そのうちに見守り隊のようなお兄さん・お姉さんと一緒に歩く様子を
妻が後ろから眺めるように

しばらくそのような日が続き
その様子を知った学校の先生方が
息子の登校する様子をわざわざ通学路に隠れて見守ってくれていたようで
『この様子なら、お母さんの尾行なしでも大丈夫そうですよ!
 お友達と登校できそうなので当面は職員が通学路に立ちます』
との言葉をいただきました
妻の尾行なしで、高学年や近所のお友達に囲まれながらの登校に

校門では支援学級の先生が毎日出迎えてくれて
一緒に校内へ入るという流れが卒業まで続きました

2年生以降

2年生になった当初は
いままで一緒に登校していたお兄さん・お姉さんが卒業のため
いなくなってしまい不安そうな様子を見せていました

いなくなった理由を教えると
なんとなく理解したのかいつも通りに

何年生の頃か失念しましたが
徒歩5分・信号1ヶ所の通学路を
信号を守って一人で登校できるようになった成長を噛み締めました

以降、卒業までは
ぷらぷらと一人で歩いてみたり
たまにお友達が一緒に歩いてくれたり
たった5分間の登校時間ですが
独り立ちしてくれました

■下校

1年生の頃は
終わりの会が終わる時間あたりに
妻が教室までお迎えに行き二人で家に帰るという日常

2年生になってからは
放課後は小学校内での学童保育に
学童保育では定型発達のお子さんたちと一緒なので
行き始めの頃は、問題を起こさないかヒヤヒヤしていましたが
指導員の方がうまく接していただいたおかげで
特に大きな問題も起こすことなく
卒業まで利用させていただきました

授業以外の時間で定型発達のお友達と接するのは少なかったので
意思疎通は難しいながらも指導員さんの計らいにより
お友達と絵本の読み聞かせを聴いたり遊具で遊んだりと
家族以外の人と同じ空間で過ごすという経験をさせていただきました

夕方5時まで遊ばせてもらい
妻が迎えにいくというパターンでしたが
妻がパートから正社員の打診を受け
近所に住む妻の両親に相談したところ
お迎えを協力してくれることになり
妻はフルタイムの正社員に

お迎えはじいじとばあばが卒業まで面倒を見てくれました

片道たった5分の登下校ですが
いろんな人に助けられながらの6年間でした

関わっていただいた皆さんに感謝

それではまた。

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