【永久保存用】 Netflix UX| 複数世帯アカウント共有仕様変更の案内
こんにちは。KOJIMAです。
Netflixのアカウント共有停止がついに日本にも降臨して、少々ざわついていますね。
今回の変更は、他の多くのサービスにとって、
『影響の大きい変更をユーザーにどう伝え、どう促すべきか』
のケースとして非常に参考になると思い事例として残してここに残します。
ちなみに、今回の変更はアメリカでは5月末にすでに実施されており、収益増が結果として現れたみたいなので、今後世界で実施を始める流れで、日本にも早々に適用されました。
ユーザーインパクトの大きい変更。
ネットフリックスのアカウント共有といえば、それによって登録者を伸ばしていた(利用ユーザー数が増えていた)側面もあります。
企業にとって、収益が上がらないモデルであることは間違いありませんが、大きな旨味を取り締まることは、ユーザー離れに直接的に繋がりかねません。
結果だけ見ると成功したと言えますが、かなりの英断だったのではないかと思います。
これだけのユーザー数を抱えるサービスとして、ユーザーインパクトがとても大きい変更です。
さて、日本のユーザーにはどのように連絡が来たのでしょうか。
通達は、1通のメール。
こうした変更を実施する際には、かなりの時間をかけてユーザーに対して変更を説明し、移行が必要なら丁寧に促すのが、日本的なやり方なのかもしれません。
しかし、今回のNetflixの変更は、多くの人にとってある日突然やってきました。
海外のニュースなどを追っていれば、ああ、ついにきたか。となりますが、今回明確にユーザーが知ることができたのは、以下の一通のメールのみ。
これだけかい!と、日本の古(いにしえ)の企業がこれをしたらクレームが入るような簡素な内容ですね。
肝心のインターフェースでの、メッセージは?
事前メッセージが1通のメールですから、アプリ上の案内が重要なポイントになります。
起動時のメッセージを見てみましょう。
何も知らないと、かなり急な内容ですね。
「続ける」を見てみましょう。
ここまできても、「ご利用世帯」の設定がなぜ必要なのかの説明がないので、何が起きているのかはよくわかりません。
「あとで」をみてみましょう。
ここでようやく、「ご利用世帯」の説明が出てきました。
「自分が設定しないと見れなくなるのか!」と、
3スクリーン目でコトの重大さに気がづきます。
アクションは少なく、詳細はサイトに。
ポイントとしては、「なぜ今この状況になったのか」「何をしないとどうなるのか」という説明がほとんど無かった点だと思います。
とにかく、「利用世帯を設定すること」への強制感があったのが今回の案内の特徴でした。
モニターデバイスのインターフェースなので、基本的にスクロールはさせられないですし、アクションも多くて2つか3つが限界です。そういった部分でも、制約があったでしょう。
登録操作自体はよくあるメール認証と同じで非常にシンプルなものでした。
こうして、TVデバイス(同じSSIDに接続されているデバイス)が、利用世帯として登録されました。
ちなみに、せっかくこのために視聴世帯の拡張プランが用意されているので、個人的にはこの流れで触れてもいいのかなとは思いました。
その辺のプラン契約変更を促すUXとしては、あまり整備されていなかった印象です。(この画面やプランの案内が明示されることはどのタッチポイントでもありませんでした)
ぜひ、あなたのサービスの参考に。
日本のサービスでは、こういった案内をやたら丁寧にする癖があると思います。
なぜそうなったのか、とか、あなたはどうしなければいけないか、とか。
おもてなしの精神は素晴らしい一方で、こうしたNetflixの案内の仕方を見ると、シンプルにアクションを絞り、情報を少なくすることで、逆に困らない状況を作り出すこともできるんだと、気付かされます。
また、今回のNetflixの対応は割とスピード感のあるものだったことが推測できます。話の始まりは、2022年の上期くらいからだったようですが、これだけ大きなサービスで、テストから全世界での実行までの速度は異常に早い印象。
こうした事例って、一時的な機能なので、どこかの誰かがキャプチャーしておかないと、世の中に残らないんですよね。
「Netflixが昔同じような案内してたけど、どういうふうにさせてたんだっけ?」ってなることが、今後もしかしたら出てくるかもしれません。
いや、きっと出てくると思います。
ぜひ、保存して、今後みなさんのサービスがユーザーに仕様変更を伝えければいけなくなった時の参考にしてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?