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昔話 母とさばの塩焼き

私的、日本人で良かった〜と思う事ランキング、堂々の1位は…
「さばの塩焼きとご飯、みそ汁の定食を食べる事」である。

寿司を食べてても、日本人で良かった〜
とは、そこまで思わない。
でも、塩さばを食べてる時はすごく思う。
DNAに刻み込まれてるレベルで思う。

なんなんだろう、あの魅力は。

だけど、よく考えたら、私の好きな食べ物ランキングには入ってないなぁ。
これは、おかしいぞ。
今、この文章を書きながら、
自分の中の「塩さば愛」に気付き始めている。

幼稚園の頃のはなし。
幼稚園から帰ってきて、母と2人で昼ごはんを
食べていた時のこと。
母と家で昼ごはんを食べる日は、うどんが定番だったが、その日は、焼き塩さばだった。
魚焼き器から出てきた熱々の塩さばは、
皮目がパリッと焼けていて、
表面の油がグツグツとしていた。
母と「おいしそうに焼けてるね〜」と
話したのを憶えている。
塩さばを食べながら、母に
「さばの茶色いところ(血合の部分)おいしいね、ママのもちょうだい」
と言った。すると、母は
「ママも茶色いところ好きだから、いやだ」
と言った。
その時、私は「ママもおなじなんだぁ」と思った。
母と好みが同じなのは嬉しかったが、
血合の部分を貰えないのは残念だった。
あんまり覚えてないけど、結局ちょっと貰ったかも。
その後、さばの茶色い部分を血合と言うこと、
ちょっと栄養が多いこととかを、教えてもらいながら、昼ごはんを食べた気がする。

母とさばの塩焼きを食べた、この昼のことを思い出すと、温かくて、すごく安心した気持ちになる。

心の深くにこの思い出があったから、
さばの塩焼きを食べるたびに、ほっとするのかもしれない。
だから、日本人で良かったと思う事ランキング1位が、さばの塩焼きを食べることなんだな。
きっと。

こんな事を書いてたら、すごくお腹が空いてきたなぁ…。しまった…。






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