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秋は複雑@Algernon


秋は複雑
だんだんと短くなる陽に
ひとの心も変わっていく

空は淡く、雲はその境界をぼかす
夏の全てを飲み込んでしまいそうな風は、
蝉の声とともに消えた

夕陽透かす
君の瞳もどこかおぼろげ
その温もりを少し遠くに感じる

静かな夜
鈴の音が響く
一人の時間は私の心を深くする

空はずっと上の方
冴える月、冬の風を導く。
季節は瞬き、秋はフクザツ

夕暮れ

今年の秋のテーマは複雑。

 思い出したかのように、たまの暑さが戻ってきますが、虫の声も変わり、だいぶ秋らしい気候になってきました。Algernonは、季節や毎日を楽しむあなたのために生まれた花のアクセサリーを作っています。

 2020年の夏から、季節限定の色をお届けしています。

 今年の秋は「夕暮れ・夕やみ」の2つの色を作りました。
 この色が生まれた経緯と、なぜ秋は『複雑』なのか。この二つのことについて少しお話しします。

夏のグラデーション

 秋の空は、美しく感じます。曇っていても、晴れていても。
 夏の真っ青に塗られた空とは違い、どこかぼんやりとした光を感じます。

 夏の厳しい暑さを超え、束の間の休息を迎え、落ち着いた心でいるからこそ、そのように感じることができるのかもしれません。

 そして、太陽も少し遠くなり、秋の色に変化していきます。Algernonの夏は、『情熱』と『冷静』の2色をお届けしましたが、夏の日差しを受けて、輝く色をイメージしていました。

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夏の冷静

 話は変わりますが、私は整理整頓が苦手で、作っているうちにいろんな染色液やら道具やらが机の上にあふれてしまうのですが、夏シリーズを作っている時、夏の色の花を誤って、青のインクの上に落としてしまいました。

 失敗したと思い、とりあえず経過を見守っていました。しばらくたつと、なんとも言えない、紫と緑の混じったような色に変化していきました。

 そこから生まれたのが秋の夕やみです。

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 計画的に出そうとした色でないところが、秋のはっきりとしない光のように複雑さを感じました。秋は、色やスポーツなどを楽しむのに最適な季節と言われていますが、読書だったり芸術だったり自分の心と向き合う孤独な時間にもぴったりの季節。その時間が私たちの心の深さを創るのだと思います。

  そんな夕やみが訪れる前の、日が沈む瞬間、空が真っ赤に焼けた色を表現したのが秋の夕暮れです。

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 真っ赤な光と、落ち葉の色を重ねたような、明るさと切なさの混じったこれもまた、人の心の複雑さを表現しています。

 季節に合わせた、色作りをしているとその移ろいがとても一瞬に感じられます。つい先日まで全然秋がこないなと感じていたのに、(実際、撮影も残暑の中行い、秋らしさを表現するのに苦戦しておりました笑)もう、ひんやりとした風が吹いています。草花も交代し、葉がだんだん色づいてきました。

 今年の秋は、何をして過ごしますか?こんな時だから、人混みからそっと離れて自然に足を伸ばしてみるのも、家でゆっくり時間を過ごすのも、秋はぴったりの季節ですね。

 寒さが訪れる、束の間の休息。あなたが思い思いに過ごす秋に、Algernonの花を添えて。

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instagramにて秋の写真をたくさん掲載しています。@algernonworld で検索してみてください。お待ちしております!

いただいたサポートは、花と民芸の表現の追求にあてさせていただきます。