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ペーパードライバー、40,000キロ走る

クルマを買った。40,126キロ走った。来年には、メーターのゼロがもうひとつ増えるだろう。

志村ユウカ、27歳。来週で28歳。
横浜市在住で、トヨタのハイラックススポーツピックアップ/RZN169Hに乗っている。

能登ハイラックス_210527

水冷直列4気筒エンジン
総排気量2,693cc
4790×1790×1795mm
日本では「大きいクルマ」に分類される車体だ。

このクルマを買う前は、スズキのジムニー/JA22に乗っていた。

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24年落ち、走行距離15万キロ越えのおんぼろ軽自動車。
見た目もかっこいいし、年式と走行距離の割にエンジンがきれいだったことから購入に至った。これが「はじめてのクルマ」である。

小回りの効く22で慣れた運転初心者にとって、ハイラックスの曲がらざること、4tトラックの如し。擦ったり、ぶつけたり、凹ませたり、わたしこそが運転下手日本代表を名乗るべきだと胸を張れる(当然、張れない)ような運転しかできないポンコツドライバーであった。

そんな日々をどうにかこうにか乗り越え、現在。
わたしの一週間は、金曜日の夜中にスタートする。

高速道路の深夜割引を活用して目的地に赴き、

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星を見て

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朝陽を見て

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夕陽を右手に、家路に着く。

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そんな贅沢な日々を愉しんでいる。
シルバーのボディに景色が映る様を見る。あぁ、まさに、これこそがこの世の極楽だ、と心から感嘆する。そんなクルマと、生きている。

今では目を瞑っても縦列駐車ができる(気がする)わたしだが、免許取得後からJA22を購入するまで至6年間、免許証=使い勝手の良い身分証明書!年齢=運転未経験歴!ザ!ペーパードライバー!のひとりであった。
ハンドルを握ると、助手席から生命保険のCMが聞こえる。公道に出る度にクルマに"正"の字が刻まれる。
そんな日々を乗り越え、このクルマと、生きている。

正直、手がかかるクルマである。
燃費は街乗りで5㎞/ℓ。
運が良ければ、高速で8㎞/ℓ。
休日割引は適応外。
貨物登録で車検は年1回。
洗車は毎回3時間。
欲しいパーツは、殆どワンオフ。

全くもって、乗りにくく、維持しにくく、取り回しにくいクルマだと常々感じる。なのに、どうしても、他のクルマに乗り換えようとは思えない。果たしてこの感情は、愛か、共依存か。

たぶん、わたしは恋をしているのだ。このクルマに。そして、このクルマに乗る、自分自身に。

初めてアクセルをふかした時のことを今でも覚えている。
唸り上げるようなマフラーの重低音と、地面を見下ろす高い車高。
「こりゃどこまでも行けるわ」と思わず叫んで、納車後そのまま、200㎞走った。

あの日からマフラー音はさらに低くなり、車高はさらに高くなった。

能登ハイラックス_210710_38

さあ、今日は、どこへ行こう。

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