読書日記 2024年3月
2024.04.03
いつまで続くかわからないけど読書記録を軽くつけてみる。結構自由に脱線しながら書いちゃおうと思う。最初は3月に読んでいたこちら。
絵画を読むイコノロジー入門 (NHKブックス) – 1993/7/1
大学で学んでいたイコノロジー(図像解釈学)・イコノグラフィー(図像学)を、具体的な絵画をもとに学び直す試みで選んでみた。
伝統や集団による約束の上に成り立っている主題表現の形式や、人物表現の形式を研究する学問を「図像学(イコノグラフィー)」と呼びます。
例えば絵画の中で聖母マリアは、
・真実を意味する青のマント
・神の慈愛を表す赤の衣服
・乙女の純潔を示す白百合
これらのモチーフの組み合わせによって断定できます。誰がどう見ても聖母マリアだと分かることにより、絵画の持つ宗教的感動、ざっくりと言ってしまえばストーリー性が分かる。
私が好きな受胎告知を主題とする絵画を紹介したい!
建物の中にいる女性が聖母マリアなんですが、ちゃんと青のマント・赤の衣服を着ていますし、受胎告知を伝えにきた大天使ガブリエルは白百合を持っている。手前に転がってる単体のリンゴの意味は「罪」だけど、瓜にはどんな意味があるのか、手前に書かれている文字は「教会のもとの自由」だが、他に世俗的なストーリーも込められているのか…。おもしろい。
西美で見た気がする、たぶん。
衣服や持ち物でキャラクターを断定できる考え方は、現代で言うと漫画とかアニメでのキャラの書き分けとも言えそう。キャプテン翼のジュニアユース編の途中、岬くんと松山くんの見分けがつかなくなって離脱した記憶が蘇ります。だって、顔がもともと似てて、髪色もユニフォームが同じなんですもの!
西洋美術史を学ぶときに知った考え方だけど、仏像を見分ける際にも持ち物や体の分厚さなどを見るので、美術作品を「解釈する」ための手がかりとしては東洋美術史でも活用されていると思っている。
まあ…ここまで美術作品を「解釈する」と言ってはいるけど、解釈がマストではないと思っています。視覚的な感動ができたらそれだけでとんでもなく最高です。
しかし、作者が思い描いた「美」を知るために、宗教的な時代背景を知ったり、その前後に描かれた同主題の作品と比較することは役に立つと私は思います。作品に時代性が紐づいていれば、保管する理由にもなりますし。
本の中のお気に入りの部分です。長いんですが、全部必要!
読書は楽しいね!
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