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悩ましい足部の神経障害 ~私が経験した3症例を通して~

皆さん、足部の痺れや痛みについてどのような印象をお持ちですか?

図45

など、ネガティブなイメージが多いと思います。


ですが、適切な評価・治療を行えば足部の痺れや痛みが改善する症例は多くいます。


今回は足部の神経に着目して、評価・介入を行った3人の症例を紹介します。同じような、症状の方がいた場合、ヒントになると思います!


3人の症例の症状は以下の通りです。

「つま先立ちをすると痛い」
「外側に体重を乗せると痛い」
「捻挫後に靴を履くと痛い、違和感がある」


それでは早速行ってみましょう!


1.つま先立ちをすると痛い症例

この症例はバレエをやっており、つま先立ち(ポワント)を行うと下の図の赤丸の部分に疼痛が出現します。それ以外に、特徴的な症状はありません。

画像12


なぜこの部分に疼痛が出るのでしょうか?

画像13


解剖学的に見てみると...

図46


深腓骨神経の感覚支配領域は...

図47

深腓骨神経が疼痛の原因と考え、評価を行いました。深腓骨神経が絞扼されて生じる病態は前足根管症候群と呼ばれています。


前足根管症候群
 下伸筋支帯や短母趾伸筋による、圧迫・絞扼により深腓骨神経の支配領域の母趾-示趾間に痛みや違和感が出現する病態です。深腓骨神経支配である、短趾伸筋の萎縮も認められる事もあります。ハイヒールやきつく靴ひもを結ぶ、座位での圧迫などが原因として考えられています。


1-1.評価

行った主な評価を紹介します

図57


1-1-1.圧痛評価

図59

もちろん、この症例は陽性でした。

1-1-2.第一列の可動域

画像19

底屈-背屈の可動域を左右差にて比較します!
この症例は、背屈-底屈可動域どちらも制限されていました。


1-1-3.ショパール関節の可動域の評価

症例では、ショパール関節の回内(外反)可動域が制限されていました。


1-2.介入

評価より

①ショパール関節の外返し可動域低下

②第一列の底屈による代償

③ポワントで第一列がさらに底屈(深腓骨神経伸張)
短母趾伸筋・短趾伸筋の収縮

④深腓骨神経を圧迫し疼痛が出現

この様に解釈して、介入を行いました。


介入として
・短母趾伸筋と深腓骨神経を徒手リリース
・足関節の外反可動域拡大(ショパール関節のROM)
・足関節中間位での底屈運動


1-2-1.短母趾伸筋と深腓骨神経を徒手リリース動画

coming soon


1-2-2.足関節中間位での底屈運動

図61


2.足部の外側に体重を乗せると痛い症例

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