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20231025『開放的自閉』


 今年も残り二カ月になって、あと残り少ない時間でやりたいことはいったい何だろうと考える。そしたら、そうだ、しばらくは自閉しよう、と思った。


 ここ数カ月は、わりと人と会っていた。それ以前から、あたらしいコミュニティを増やし、そこには居場所といえるであろうものを作れていた。最近は居場所ではなく、もしかしたらもう二度と会うことはないかもしれない人たちとの偶然の出会いを大切にして、とにかく人に会いに行った。それはそれで楽しかった。でも、いまは別のフェードに入ったのかもしれない。

 自閉すると言っても、完全にひきこもるわけではない。言葉通りひきこもった経験がある身としては、誰とも会わなかったら本当の意味で自閉できないと感じている。それはたとえば、周りにたくさん人がいるときにこそ孤独を感じるといろんな人が言う感覚と似ているかもしれない。
 
 人と会いつつ、でも会う量は減らす。あたらしい出会いはあまりつくらない。そしてできるだけ本を読んで、文章を書いて、映画を観て、ギターを弾いて、絵を描いて、勉強して、あるいはいままでまったくしたことのないことをする、そういうことがしたい。そういう時期なんだと感じている。

 時期としては、ちょうど二カ月から三か月くらいがいいと思っている。新しいこと人と出会うのではなく、手持ちのカードで、それを楽しむ、感じる。そういうことをやっていきたい。
 
 一人でできることを、一人で楽しみたい。いまなら、孤独を良い感じに楽しめる気がする。孤独を楽しめるというのは、きっと孤独ではなくなったということなのだろう。いや、人はどうやったって孤独だというのなら、正確に言えば、孤立はしていないということなのだろう。自分は孤立しておらず、これからもいまある関係性を続けていけば、とりあえず生きていける、という安心感があるからこそ、少し自分の内に籠れるのだろう。だから、さいきんまで人と会ったりコミュニティの中で居場所を作ったことが、ある意味ではこれから活かされていくのかもしれない。

 自分をなくすために人と会ってきた。そしていま、少しだけ自分の内部と潜って、世界に触れてみる。そういう時期にきた。少し潜っていきます。
 

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