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ライブ会場に買い物オバハン現わる!

最近フェイスブックから頻繁に「○年前〜今」と言って、数年前の写真がアップされて来て、今現在の写真とセットで投稿できる感じのお知らせが来ていました。

 昔は結構色々フェイスブックに写真をアップしたりしていたものの、最近はフェイスブックに写真をアップすると香港人の友達間で、トピック扱いされるので、最近はめっきりやらなくなりました。

 完全にバンドのライブ告知専用で、たま〜にインスタの写真が勝手にフェイスブックでシェアされるのをオフにし忘れて出してしまう半放置状態。
 それでも、前回のライブが終わったタイミングで11年前のデビューライブの告知が上がってきた時は、香港でバンド活動を始めてから11年も経ったんだなと思って、それは結構感慨深いものがありました。

 それがついこないだまでは、練習をしだすと3,4時間くらい普通にやっていたのが、最近、特に3箇所の椎間板ヘルニアになってからは、一通りも練習すると腰が痛くて練習が続かなくなってきた…プラス、加齢と共に人生の残り時間、というのが益々目に見えてくる中で、どれだけ練習してもお金が稼げるわけでもない上に、大して上達もしないギターに、どんだけ無限に時間を費やしてんだ私…、という気持ち。

 それでも練習を続けられるのは、ひとえにバンドの仲間達がいるからに他なりません。

 私達のバンドは4人。
ボーカル&キーボード、ベース、ドラム、ギター皆全部バラバラのメロディを奏でます。それが1つにまとまった時の気持ちよさも、練習後、食事しながら放っておいたら永遠に喋り続けられそうな楽しいおしゃべりタイムも、どれも失いたくないと思うのです。

でも自己練習しないでみんなで合わせても、11年も引き続けている曲達が、やる度に忘れかけてしまうので自己練習は欠かせないのです。

 更に困った事には、バンド結成当初から「下手くそだからせめて衣装くらいは」と頑張ってきましたが、それも最近になってくると色々な面で頑張りが利かなくなって来たのです。

例えば
・最初の頃はロックンローラーらしく、黒のネイルをしていましたが、何回かやるうちに、普段ネイルなど全くしないのに、ライブの日だけ黒いネイルをすると、ギターを押さえる自分の黒い爪が見慣れなさ過ぎて気が散ってしまうとか。

・ヅラをかぶれば、ピン止めが甘くて動くと落ちそうになるのが気になるとか、ちょっと一方にずれてて手元が見にくかったりするとか。
そもそもヅラつけること自体が、ライブ前の一番心に余裕が無いときにやってらんないと思ったりとか。

・少しでもカッコよく見せようと高めのヒールを穿けば、エフェクターを踏んでる時に普段の平底スニーカーと感覚が違い過ぎて踏み外してしまうとか。

・ロックンローラーらしくゴツい指輪や腕輪をつけると指が動かしづらくて速い曲になると結局邪魔で外してしまうとか。

 枚挙に暇がないくらい、ロクに弾けもしないのに、いや、弾けもしないからこそ衣装さえも頑張れない私一人ただのオバハン化。

 他の3人は、きちっとしてる中、私は演奏中もずっと腰の負担を分散するのにコイルボーン入りの腰ベルトを巻いてオバハンと言うか、もはや老婆の匂ひが漂います。

 前回、ライブ直前になって、私は突然機材とか衣装とか入れて運んでいたゴロゴロスーツケースのタイヤが壊れて捨ててしまった事を思い出しました。そして「アレ?でも本当に重いのはギターなのに何で軽い方の機材の方をゴロゴロで運んで満足してたんだろう?」と言うところに考えが及んでしまったのです。

それで、タオバオでキャスター付ギターケースが売られてないか物色したり、いっその事ずっと洋服ダンスの上に置いてあるだけのギターのハードケースの下に自分でごっついタイヤつけて引っ張れるように改造したろか、と思ったりしてみながら、バンドの先輩で、何でも必要なものを3Dプリンターで作っちゃう人が、自家製キャリーケースを作ったのもギターじゃなくて大きなエフェクターボードを運ぶ用だ!というところに考えが思い及んだ時、やっぱり楽器というデリケートなものにゴロゴロと直接衝撃は与えてはいけないのではないか、と急に我に返りました。

(エフェクターという精密機器には衝撃を与えまくっていいのか、という疑問は残るものの…。)


衣装とか、エフェクターとか、シールドとか、歩き難い故にハコに行ってから履き替えるヒール靴とか。
そういうモン全部、この食材の買い物に使う布製のゴロゴロに詰め込んで。
衣装の上にパーカーを羽織って買い物に行くときと何ら変わらない出で立ち。
ギターを担いでいる以外は。

買い物カートを引き連れながらライブハウスに向かっていくと、タイヤは大きくてしっかりしてるものの、二輪なので狭い改札を抜ける度にカートがひっくり返るのをウニウニ調整しながら引っ張らないといけない事にも気づきました。

もちろん、ライブハウスにこんな買い物カートで来てる人は私以外に一人もいませんよ?

でも…、でも…、
これらの重量を自分の身に背負わなくていい身軽さは…

クセになる楽さ!

香港の道路は凸凹ゴツゴツしてて、キャスター付スーツケースはすぐにキャスターがダメになってしまうのです。

(そもそも荷物運びに何でこんな苦労してるかと言えば、前に使ってた自分のゴロゴロスーツケースのタイヤが壊れてしまって、主人の会社に置いてある友達のゴロゴロスーツケースを借りたら、その一回で、その友達のヤツまで破壊してしまったのですΣ(゚Д゚)…。)

そんなこんなで、その日からライブハウスには買い物カートを引いたオバハンが出現するようになったのです。


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