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『FORESTER FOR CINEMA 4D』使ってみた

お試し版が無いということもあり「実際どうなの?」というところでインプレを。

■結論的には『FORESTER EXPANSION PACK 1』まで買えば神ツール。
ただし樹種まで問われない用途においては拡張パックはいらない。

「FORESTER FOR CINEMA 4D」はこの本体と、別売りのエスクパンションパック2種がラインナップされています。(2020.7現在)

https://www.3dquakers.com/

本体は樹木を0から作ったり、成長アニメ、ループ可能な風アニメ対応、樹木以外にも草花専用ツール、雪、岩生成など非常に高機能なのですが、デフォルトで付属の樹木ライブラリがかなりお粗末なこととなっています。

例えばカエデとして登録されている樹木ですが、葉をアップしてみるとごく普通のラグビーボールシルエットの葉にすぎません。それも1枚1枚がポリゴンで作られているので下手すると大変重いものとなっています。本来のカエデ(モミジ)は手のひらのような葉の形のはずです。

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それに対しエクスパンションパック1はというと、

・アルファ対応による複雑な葉の形の再現
・Redshiftなど標準以外のレンダリングエンジンに最適化されたマテリアル
・季節対応
・葉の色を最大3色分ランダム化
・各樹木の「幼木、成木、ローポリ」の計3バリエーション

などなど、ただのライブラリの追加などではなく本体に不足している機能すらも、これでもかと盛り込んだ内容となっています。

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これで樹形が気に入らないのであれば本体機能で微調整までできるのですから無敵です。特に建築系のように専門の植栽担当のチェックがあるようなシビアなお仕事では重宝します。

アルファ対応による複雑な葉の形の再現

テクスチャを見てみれば一目瞭然、葉の形26種、それに季節のバリエーションなどもあり画像だけでもこれだけ用意されています。

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Redshiftなど標準以外のレンダリングエンジンに最適化されたマテリアル

個人的にはRedshift厨なのですが、C4Dでいう「背後からの照明」がデフォルトで設定してあるため非常にみずみずしい点がよいです。

季節対応

あると嬉しい季節対応。冬は用意されていませんでした。自前で葉の数減らせということなのでしょう。季節に限りませんが全体的に彩度は高めなので、カラコレノードを挟むなどして色の微調整は必要かもしれません。

葉の色を最大3色分ランダム化

葉の色に最大3色でバリエーションをもたせることができます。ただ結構ばらつきが派手なので色幅の再調整が必要かもしれません。再調整前提であれば3色のうちの1色のみ枯れ葉色などともでき落葉に差し掛かるころの季節感も出せそうです。

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全樹木「幼木、成木、ローポリ」の計3バリエーション

1アクションで樹齢を選択できるのは便利です。個人的に気に入っているのはローポリで、アップになるような用途やシンボルツリーでもない限りこれをデフォルトで使用することが多そうです。パラメータを調整していけば1樹木あたり3万から6万ポリゴン程度に低減することができます。

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総論

総論というほどでもないですが、実務において無視できない機能の多くが「FORESTER EXPANSION PACK 1」側にあるので、本体とこれを揃えて初めてスタート位置というアプリと言い切っていいかと思います。
最初に戻りますが、ただし樹種を問わない用途においては拡張パックは必要ありません。

自前でテクスチャなど用意して差し替えることもできるので、このセットを買ってあとはやる気があれば可能性は無限大ですね。
要望があるとすれば低木関連がごっそり抜け落ちてしまっているので低木ライブラリを作って欲しいところです。

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