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授業資料:Webとマーケティング

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2020年度前期の授業資料です。 授業の進捗に合わせて公開して行きます。
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2020年5月の記事一覧

Webとマーケティング 授業資料(10)

人の繋がりの特徴を考える 「社会的ネットワーク(social network)」という考え方があります。 人々や企業、国など、あらゆる社会単位をノードと捉えて、そこにある相互の関係性を表した構造を指す概念です。 社会学や人類学、経営学、組織論等の学問分野で、対象をグラフで捉えることで、新たな知見が得られており、有効性が明らかにされています。 この授業の内容でもある、マーケティングでも、社会的ネットワークの典型であるソーシャルグラフとWebを用いた新たな手法が行われています。

Webとマーケティング 授業資料(9)

ソーシャルグラフで明らかになること では、ソーシャルグラフでは、何が明らかになるのでしょうか。人間の関係は、どういうものなのでしょうか。これから、ソーシャルメディアを使ってリサーチを行いますので、そこでわかる関係が、どういう性質を持っているかを知るのは重要です。 地図によって、その地域の地形が俯瞰できるのと同様に、人間の関係も、ネットワークとソーシャルメディアが登場してきて、初めて明らかになってきました。 まずは、ネットワークの性質を理解してください。 ネットワークの外部性

Webとマーケティング 授業資料(8)

グラフというモデルについて 様々な繋がりを表現するモデル、グラフについて考えてみましょう。 オイラーとケーニヒスベルグの橋ソーシャルグラフは、コミュニティなど様々な人の結びつきを、抽象化して記述したものです。 元々グラフとは、数学の世界で、「繋がっているもの」を抽象化してモデルとするために生み出された考え方で、その起源は18世紀にまで遡ります。 1736年に、スイスの数学者、レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler)によって、通称「ケーニヒスベルグの橋渡り」と

Webとマーケティング 授業資料(7)

データを見ること前回の、データに関する問いかけの解説です。 これからソーシャルリサーチを行って、実際の消費者のデータを求めていきます。そのための思考問題として提示したものです。 ①なぜ、スペイン内陸部にはネアンデルタール人がいなかったのでしょうか? ②戦闘機の帰還率を上げるためには、どこの装甲を強化するべきでしょうか? ①は、ネアンデルタール人そのものではなく、端的に言えば、そこに行って化石を発掘した研究者がいなかったということにしか過ぎません。 データが無いことに対して

Webとマーケティング 授業資料(6)

ソーシャルリスニングとデータ分析・ソーシャルメディアとマーケティングソーシャルメディアとマーケティングの関係性について、再度確認しておきます。 まず最初に、「脅迫マーケティング」という概念を提示しました。 特にエンドユーザに対してモノやサービスを提供するB2Cの場合、どうしても意思決定が感覚的になってしまうことや、商品のコモデティ化などによって、広告宣伝も極端なものになりがちです。特に、その商品の特性、利便性などを強調するために、それを欠く状態を強調した、脅迫的なモノになる