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彼女が、高校に行くと言った日。


いつもながらすみませぇん。
今日の一曲を、聴きながらどうぞ(*´з`)


人生はドラマチックなんかじゃない。

ちっとも。



******************🐣


思えば、彼女は小学校5年生の最期のほうの頃から、ほとんど学校に行けなくなってしまっていた。
優等生という言葉は彼女のためのあるような言葉だった。
クラスの誰に対しても平等に気を配り、勉強は完璧、授業では必ず手を挙げる。
成績はどの教科も抜群に優秀だった。
すべてにおいて、何も親が口や手を出す必要がないほどに完璧な少女だった。

それは、突然やってきた。
教室にいると、過呼吸になってしまい、教室にいられなくなった。
人の目が怖いという。
特に男子の大きな声や、乱暴な言動。
徐々に保健室登校になり、やがて、それもできなくなる。

もう、ずいぶん、学校に行けたり、行けなかったりを繰り返してきた。
勉強もだいぶ、だいぶ、遅れてしまったね。
児童精神科や、カウンセリングに嫌というほど一緒に通った。
ヘンテコな薬も沢山飲んだね。

彼女はたまに泣きながら、過呼吸になって嗚咽しながら、自分がこれからどうしたら良いのかわからないと、言う。

私は、「やりたくないことなんて、何ひとつやらなくて、いい。
あなたの人生は、あなたのものなんだから、
あなたは、自分が生きたいように生きればいいんだよ。」
という。

もうすぐ、中学3年生になる、彼女。

正直、私もどうしたら良いのかわからないのだ。
だって、自分の人生じゃないから。
私にできることは、彼女にただ、寄り添うことしかできない。
彼女にやりたいことが見つかったら、全力で応援するのだけれど。

見つかるかな。

そう思いながら、もう何年も経ってしまった。

それは、突然やってきた。


2021.02.17

今日、彼女が高校に行く、と言った。

大好きな絵を描きたいから、美術系の高校に行きたいという。
確かに、
彼女の描く絵は、
親ばかと言われてもかまわない、
奇跡としか言いようのない、
美しく、
はかなくて、
毒のある絵を描く。

私は、今からでも全然遅くはないと思うのだ。

早すぎるくらいだよ。
気づいてくれて、ありがとう。
やりたいことを見つけてくれて、
ありがとうって思う。
本当だよ。

失敗したっていいよ、いいんだ。
一緒に歩いて行っていいかな。

嬉しいし、光栄なんだ。
あなたの美しい人生に寄り添えることが。




*************🐣


いつもながら、本文とはまったく関係ありませんが、
今日の一冊、えほんの紹介です。

よく、娘ふたりに読み聞かせした私の大好きな絵本です。
注※好きだったのは私だけで、娘たちはそうでもなかった。

ちょっと、怖いのです。
絵と、文章が。
そしてまたこわ~い感じに読むのです。私が。

ひっそりと、
静かな、でも力強い声で、

「しずかに、おし。」

うさぎのおばあさんが言うのです。
「しずかにおし」と。


おやすみ、そこここできこえるおとたちも。





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