見出し画像

これからの時代に大切なこと

産業革命以来、教育の在り方は学校本体や教員中心で、CC(コントロール&コマンド:指示命令)型が多い状態が続いてきました。

数年前に参加したインプロカンファレンスでの、高校教員をしているノルウェー人の一言がその様子を端的に表しています。「ひかる、聞いてくれ! 先日、同僚が、”今日の授業はすごくうまくいった。 生徒たちがみんな静かに話を聞いたんだ” と言ってきたんだ。いまだにこんなことを言ってくる先生がいるなんて、悲しくなるよ」と。

皆さんは、これを聞いて、「えっ?なぜ悲しくなるの??」と思いましたか?

インプロをマインドセットとして実践を繰り返していくと、『聴く』姿勢を教員側が身に着ける重要性を実感します。生徒に聞かせるのではなく、生徒達の言いたいこと、やってみたいことを教員側が聴き取れるか、、が大事だと気づくことができるのです。

AI&情報化社会の現代において教員の役割は、CCではなく、EE(エンパワー&エンカレッジ:内なる力を引き出し、勇気づけること)に変わってきています。私は、インプロをしている教育に関わる人たちと出会うたびに、「日本はまだまだCCだ。海外の教育・学校事情はどうだろう。
もっと知りたい!」と思ってきました。そして、GPBでの活動を通し、その想いがより大きくなってきた2023年6月、アメリカとアルゼンチンの教育者と協同でプレイショップをデザイン・実施する機会をいただきました。その1ヶ月後の7月には、グローバルエデュケーターサロン(国境を超えて、PLAY=遊びを通して、こどもや若者の力を引き出し、勇気づける活動をしている教育者たちのコミュニティ)を発足することになったのです。

そこから、あれよあれよ・・・という間に、集まる人たちとコラボレーションが生まれ、いろんな団体にプレイショップを提供してきました。

前回のノートでも書きましたが、GPBのミッションは、国境を越えた遊び(PLAY)を通じてコミュニティとつながりを築き、社会変革の新たな可能性を生み出すことです。

子どもの頃から抱いてきた、学校や先生(暴力や威圧で生徒をコントロールしてくる一部の先生たち、または、それを見て見ぬふりをしていた先生たち)に対しての怒りと違和感、疑問。それらを沸々と腹の底に持ちながら、教育者となった今も現状がほぼ変わっていないことへの無力感。

日本の教育現場ってどうしてこんなに変わらないの? と失望を感じながらも、奇跡のように出逢えたインプロとそれを通して出逢えた仲間たちから聴こえてくる同じような、、もしくはもっと酷い世界の教育現場の状況を共有し、「共に何かできないか?」を考え、半歩でも進みだす勇気を与えてくれるコミュニティがグローバルエデュケーターサロンなのです。

そして、GPBの年間行事であるグローバルプレイショップを、このグローバルエデュケーターサロンが中心となって進めることになりました。

今の社会に必要なのは新しいCC! Collaborate & Co-Create(協働&共創)。そして、そのために必要な力は、Playtelligence = PQ = Play Quotientなのです。
そのPQを高めるためのプレイショップをグローバルエデュケーターサロンのメンバーを中心に共創しました。

前回のノートでは、私がGlobal Play Brigadeとコラボレーションを進めている理由や、このプレイショップの日程についてご案内しました。

今回は、AIFAで共に活動をしているまみこさんと私がファシリテーターを務めるプレイショップの内容をご紹介しますね。

▼まみこのセッション
Let's Dance with Mistakes! ~「間違い」と一緒に踊っちゃおう!~

ファシリテーター:Ruby(中国)、Cristina(アルゼンチン)、Elizabeth(ナイジェリア)、Mamiko(日本)

このセッションは遊びゴコロ溢れる「言葉」のワークショップです!「間違えること」に対してたくさんの人が恐怖を感じています。でも、私たちの人生そしてコミュニケーションには「正解」「不正解」なんてないのです。テストの点数で「自分」という人間が決まるわけではない。「間違い」からこそ貴重なフィードバックと学ぶ喜びが生まれます。このワークショップでは、「間違い」を「心を動かす視点を得られる絶好のチャンス」と捉え、そこから新しい可能性を創り出す「遊び心」を探求します。みんな一緒なら怖くない!ゲームの中で思う存分「間違い」を楽しみ、「恐れ」を乗り越え、「学び」をもっと心から満たされる、意味あるものにしていきましょう!


▼ひかるのセッション
Embrace Uncertainty ~「不安定な未来」を抱きしめよう~

ファシリテーター:Gwen(アメリカ)、Soufia(チュニジア)、The Gift(ナイジェリア)、Hikaru(日本)

学校という組織や地域社会に見られる「知識中心」の教育の中で、創造性や多様性、寛容性を育むことへの限界を感じ、苦しんでいる教育者は沢山います。知識至上主義とも言えるパラダイムの中で、「不安定な未来」を生き抜くために必要な力を、どうしたら育てていけるのか。日々出会う様々な「不確かな瞬間」を受け止め、対峙していくには、より「即興的な学び」を発展させる必要があるのではないだろうか。「遊び」「パフォーマンス」「アプライドインプロ」を活用することで、「確かでないもの」と向き合い、自分の人生を先へ繋げる力を養っていくことが出来るのではないか。そんな「問い」を胸に、学校、コミュニティ、社会運動における学びにおいて、私たちができることを一緒に探求しましょう。

日本時間土曜日の朝のセッションは、ペース大学の講師や、East Side Instituteのファカルティを務めているGwen(グウェン)と2人で、「不安定な未来を抱きしめる」というお題を通して、IntelligenceとPlaytelligenceの違いを味わうプレイショップ。 土曜日の夜は、同じお題で、チュニジアのSoufia(ソフィア)とナイジェリアのThe Gift、そしてGwenと私の4人のコラボレーションでアートワークを通して不安定な未来を体感し、「不安定さ(Uncertainty)」を掘り下げるプレイショップをお届けします。


他にも、「科学 x 遊び」、「先生 x 遊び」、「資金調達 x 遊び」、「教育法 x 遊び」などの題材コラボで、たっくさん面白いセッションが開催されるますので、是非ぜひご自分の心惹かれるものに参加してみてください!!!

※まみこさんとひかるさんが受け持つセッションでは日本語サポートもしますので、お気軽に遊びに来てください!
(もちろん、耳だけの参加も大歓迎です!)

日時:6月29日(土)
※アメリカ東部時間の6月28日(金)夜と、29日(土)朝に開催されますが、日本では29日(土)の朝と夜になります。

時間:朝9時~10時30分、夜23時~0時30分(いずれも日本時間)


社会のひとりひとりが自分らしくを楽しめる文化にしたいと一言でまとめきれないくらいのいろんな活動をしてます。 感謝と愛に溢れた社会づくり・人づくりにすこしでも貢献できたら、と、学びを楽しみに変える教育の改革活動をしています。 サポートいただけたら勇気になります!ありがとうございます