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新婚1ヶ月の嫁さんが、出産で死にかけた話1️⃣


6月26日

前妻と公正証書を締結しに、公証役場まで行く。
しぶる前妻を得意の演技がかった説得。
別れた後、その足で◯◯市役所へ離婚届を出しに行く。
どきどきの1時間を経て、受理される。

7月7日

某県某市にて、今の嫁さんと入籍。
妊娠10ヶ月目の臨月。

7月22日

前駆陣痛が始まる。

7月30日

予定日。
前駆陣痛は続くが、産まれる気配なく。
のんびりやだねぇなんて言いながら、
気ままに待つ。
嫁の腹は膨れ上がっており、寝るのも歩くのもつらそう。

8月3日

産婦人科へ。
そろそろ促進剤を入れる日を決めてくださいと言われる。
帰りの本屋で、鏡リュウジの誕生日大全を見に行き、
8月8日がいいねぇなんて話をする。

促進剤を入れる日を8月7日とした。

8月7日 6時30分起床。

嫁は6時に起床したらしい。
お互い前夜眠れず睡眠不足気味なのだが、
決戦は金曜日のごとく、起きたときから気は張っている状態。

7時に車で出発。嫁も顔がこわばる。
手を握って大丈夫と言い聞かせる。
未知の体験に恐怖を感じているよう。
当たり前だ。

病院に到着し、嫁を見送る。
俺は家に帰り、待機。

出産は長丁場とわかっていたため、仮眠しようと
思っていたが、気が張っており目が冴えまくり。

15時半

嫁から連絡あり、陣痛室に入るので病院に来てくれとのこと。
連絡がこなかったため、直に緩みかけた心を引き締め直し、
運転をする手に力を込めた。
と同時に、イオンで手作りおにぎりを5個買った
俺の食欲は緊張とは無関係らしい。

16時半

病院へ到着。
個室に通される。
個室めちゃ広い、小上がりに1畳の和室もある。
ゴローンといきそうな心をぐっとこらえる45歳。
立ち会い希望だったため、お産が始まりかけで声をかけられるらしい。
長い戦いが始まる。

嫁から時折LINEがくる。
陣痛が激しくなってきたらしい。

18時

嫁の毒母(61歳、通称シャコババア)から連絡あり、
今病院の外にいるから出てきてとのこと。
大きく息を吐きながら、出ていくと、シャコババアと
義父(72歳、通称イキリジジイ)と義理の弟(16歳、通称芋)が
バカでかいワンボックスカーで登場。

このシャコババア、娘メンヘラである。

おれは何度も夢の中で、十字架のろくにんの復讐の仕方で
この世から消しているくらい嫌いな女。

最近の妄想は、熱したドラム缶の中にシャコを入れ、その中に逆さ吊りにした毒母を投入し、食い殺すというもの。
十字架のろくにん、最高に殺し方がグロいので、
そういうの好きな人はおすすめ。

シャコ「なに面会できないの、なんで??」

おれ「病院へは私しか入れないので」

シャコ「なんで、私は実の母親よ、おかしいじゃない」

おれ「病院のルールなので、入れないですね」

シャコ「なんなの、家族が入れないって、おかしいじゃない」
シャコ「もう産まれるんじゃないの」

おれ「いや、さっきも伝えましたけど、子宮口がまだ半分くらいしか開いてないので、まだまだかかります」

シャコ「そんなのすぐ開くから大丈夫だ」

おれ「お母さんも明日大阪にいかれるんですよね」

実はこのシャコ、娘が出産する可能性のある日に、
芋を連れて、ほぼ遊びのような内容で大阪に行くことになっていた。
つまり元々頭がおかしい女だった。
この女から嫁が産まれるとは、遺伝子組み換えがどこかで事故ったとしか
思えない。

シャコ「💢💢💢💢」

おれ「おっと」

シャコはイキリジジイへ明日、大阪へ行くことは行ってなかったらしい。
新婚なのに信頼関係のない、見栄だけ年齢に比例したようなくそ夫婦。

イキリジジイ「まー俺も孫がたくさんいるけど、うんちゃらかんちゃら」

話が長くなりそうなので、無視した。

おれ「なので、長くなりそうなので、また動きがあればすぐ連絡します、
ご飯でも食べてきてください」

シャコ「ほら、芋、いくらくんと握手して」

義弟となぞの握手を交わす。

ここは宗教か。

おれ「あ、芋くん、ゲームもっていくんだろ、ちょっときて」

実は前日、シャコから嫁に電話かかってきて、相変わらず無神経な
ストレスのある話をしてきたらしい。

その中で芋も明日ねーちゃんちにある俺のプレステもってきてと言う
出産前日の姉に通常の神経では言えないような信じられない依頼をかけてきた。
さすが、シャコの息子。

おれと芋が、おれの車まであるく。その距離20メートルほど。

おれ「あのさ、ねーちゃんが、お産の前日にでかい腹かかえて、
このゲーム機をもってきてくれたんだぞ、どういうことかわかるか」

芋「あ、はい」

おれ「うん、一言だけ言うな」

芋「?」

おれ「次こんな舐めたことしたら、お前の大事なものを壊すぞ

芋「?」

おれ「ねーちゃんはおれの妻だ。だから家族に負担を
かけるようなことをするやつは、許すことはできない。
お前の大事なものはわかっている。

お母さんにちくっても、おれには効かないよ。
てかお母さんもただのメンヘラだからな。
お前の彼女もお母さんのこと苦手だろ笑

あはは
彼女、りさちゃん、かわいいよね笑

芋「え、、、なんで知ってるんですか」

おれ「なんでだろうねぇ、わからないねぇ」

芋「本当にすみませんでした、二度としません、ごめんなさい」

おれ「って冗談だよ、ごめんね芋くん」

芋「よかった、びっくりした」

おれ「んなわけねぇだろ、あはは」

芋はプレステを落とした。
駐車場の白線にプレステの残骸が飛び散っていた。
おれから逃げるように芋は、シャコの元へ小走りで戻っていった。




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