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「NHKのど自慢(2021年)」のデータをまとめてみた

【はじめに】
この記事では(コ口ナ禍で開催が見通せない)「NHKのど自慢」について、2021年のデータを纏めていきます。
私的データですので、集計ミスなどもありますでしょうし、私の手持ちデータがここ5年ぐらいのものなので、それ以前のものについては是非お詳しい方のものにお尋ねいただきますよう宜しくおねがいします。

1.ここ5年の年別合格率の傾向

(0)出場組数

2017年 920組(46回)
2018年 840組(42回)
2019年 885組(44回)
2020年 226組(12回)
2021年 432組(24回)

出場組数としては、コ口ナ前まではほぼ毎週放送され20組が出演していましたが、参加者を減らし開催されるようになり、2021年現在は1回につき18組が出場する形を取っています。

放送回数で比べると、年52週のうち8割以上放送されていた頃と比べて、2020年は約4分の1の12回に減りましたが、2021年は過去の半分、前年の倍となる24回放送され、出場組数も432組にまでは回復しました。

(1)合格(鐘3つ)率

2017年 223組(24.24%) 20組中4.8組
2018年 190組(22.62%) 20組中4.5組
2019年 271組(30.62%) 20組中6.1組
2020年  71組(31.42%) 18組中5.7組
2021年 128組(29.63%) 18組中5.3組

全体の参加者で割ると、合格率は平成の終わり2年と令和で大きな差が出ています。2018→19年は分母がほぼ変わらないのにこれだけの差が出ており、合格率換算では8%の差が出ています。

これを20組当時に置き換えると4.5→6.1組平均となりまして、8%の増加が意味するのは、「平均して合格者が1.5組増える」こととニアイコールとなっていました。2020年以降は、18組に減ったにも関わらず、平均5組台となっており、2017・18年が20組中で4組台だったことを思うと、私でいう所の「鬼の秋山」から「仏の秋山」に変わったという印象が数字にも出てます。

(2)鐘2つ率

2017年 683組(74.24%)
2018年 640組(76.19%)
2019年 608組(68.70%)
2020年 155組(68.58%)
2021年 303組(70.14%)

数字としては、ほぼ合格率を裏返したものとなるのですが、「鐘2つ」率も合わせて提示しておきましょう。令和に入って7割を切っていましたが、2021年は数字上ギリギリ「鐘2つ率」が7割に乗っかりました。

(3)鐘1つ率

2017年 14組(1.52%)
2018年 10組(1.19%)
2019年 6組(0.68%)
2020年 0組(0.00%)
2021年 1組(0.23%)

そしてすっかり「レア」になってしまい、NHKのど自慢がトレンド入りする機会として目立つのがこの「鐘1つ」です。

実はそれこそ5年前は「月に1回」ペースだったのですが、2019年度に入ると急激にその発生頻度が下がり、1%を切るどころか、2020年代に入って年1回ペースとなっています。

2.その他の諸々の記録

(1)回ごとの合格組数の分布

8組  1回 山梨県昭和町(2021/10/24)
7組  1回 岩手県矢巾町(2021/11/14)
6組  7回 
5組 11回 
4組  3回 
3組  0回

「鬼の秋山」の時代だと、ここ5年でも「20組中2組合格」という回もありましたが、2021年は全23回で、最低でも4組が合格しています。ただ、終盤に合格組数を調整するかのような(?)鐘3つもあるので、そこは後ほどの項に譲るとして。

2021年の最多は山梨県昭和町の8組、翌月の岩手県矢巾町の7組がそれぞれ1回ずつとなっています。

(2)連勝・連敗記録

4連勝:
・2021/10/31 米子 15~18組目
3連勝:
・2021/02/21 長門 08~10組目
・2021/06/27 南陽 10~12組目
・2021/10/24 昭和 07~09組目
・2021/11/21 矢巾 16~18組目
 ※翌週トップバッターも合格で計4連勝

まず連勝記録で行くと、最多は10月31日の米子市大会での4連勝。これは、15~18組目とあるとおり、ラスト4連続合格という結果でした。

10連敗:
・2021/03/28 四日市 09~18組目

対する連敗記録も、連勝記録同様2021年は短めで最長でも10連敗だったかと思います。こちらは9~18組目ということで、8組目に最後の合格者が出てから、後半は1組も合格者が出ないという構成でした。

3.登場番号別の合格率

「のど自慢」をみる上で、案外重要になってくるのが「登場順」かも知れません。競馬だと枠番データを見ることもありますし、賞レースで有名な所だと、「M-1グランプリ」における出場順の有利/不利は著名かと思います。
では、NHKのど自慢ではどうなのでしょうか。

(1)前半戦 1~5組目での合格率は1%未満

登場№  合 格 数   優 勝 回 数
1組目  8組(34.8%)
2組目  6組(26.1%)
3組目  5組(21.7%) うち優勝1組(4.3%)
4組目  9組(39.1%)
5組目  5組(21.7%)
6組目  6組(26.1%) うち優勝1組(4.3%)
7組目  8組(34.8%) うち優勝3組(13.0%)
8組目  9組(39.1%) うち優勝2組(8.7%)
9組目  7組(30.4%) うち優勝2組(8.7%)

合格率に関しては、極端な偏りは無いように見えます。もちろん3~5組目で17.4%の前後はありますが、露骨な差とまでは言えない感じがします。
他方、合格率に関して言うと、1~5組目からのチャンピオンは1組のみ。6~9組目から8組出ていることを考えると、結構の差が出ています。

ちなみに1~5組目でのチャンピオン率は0.87%と1%すら切っているのに対し、6~9組目は8.7%とほぼ10倍の差があることは抑えておきましょう。

(2)後半戦 基本的には公平 ※但し「ラス前」を除いて

「M-1グランプリ」では、決勝戦でも終盤(ラスト、ラスト前)、最終決戦では最後(3組目)が有利だなどと言われていますが、「NHKのど自慢」ではどうでしょう?

登場№  合 格 数   優 勝 回 数
10組目  6組(26.1%) うち優勝2組(8.7%)
11組目  7組(30.4%)
12組目  7組(30.4%) うち優勝2組(8.7%)
13組目  7組(30.4%) うち優勝1組(4.3%)
14組目  4組(17.4%) うち優勝1組(4.3%)
15組目  7組(30.4%) うち優勝2組(8.7%)
16組目  5組(21.7%) うち優勝1組(4.3%)
17組目 12組(52.2%) うち優勝4回(17.4%)
18組目  7組(30.4%) うち優勝1組(4.3%)

合格率は14組目が全体で最小の4組となっていますが、これも母数が少ないことによる見かけ上の偏りでしょう。その他は、優勝組数、合格組数ともに殆どが綺麗にバラけています。ただ1つを除いて。

《 17組目 》
210221 ● カイト
210307 ● 演歌兄弟
210321 ○ 魔法の絨毯
210328 ● ありがとう
210404 ● 若い広場
210418 ● VIVA・LA・VIDA! ~生きてるっていいね!~
210606 ◎ 奇跡 ~大きな愛のように~
210620 ● もしもピアノが弾けたなら
210627 ● 夏の終りのハーモニー
210704 ● 星影のエール
210711 ● 岬めぐり
211003 ● 今宵の月のように
211010 ◎ 人として
211017 ● これが私の生きる道
211024 ○ 街の灯り
211031 ○ 夜桜お七
211107 ○ Tomorrow never knows
211114 ○ 約束
211121 ○ 浪漫飛行
211128 ○ 陽だまり
211205 ○ 虹
211212 ◎ 3月9日
211219 ◎ 花

17組目は、現在の18組制においては「ラスト前」に当たります。理由については憶測の域を脱しませんが、ここの合格率とチャンピオン率が周囲と比べても突出しています。

オリンピック・パラリンピックなどによる中止期間を挟んで再開した2021年秋クール(10~12月:熊本大会を含む)の12回で、その傾向が顕著となっています。ご覧のとおり、2021年10月24日から「9連勝」という未曾有の連勝を達成しています。

合格率が約7割なことを思えば「1-(0.7)^9」≒0.9596% という値となり、同様に確からしければこうなる確率は4%程度です。個人的にはTwitter上で吠えさせてもらっていますが、終盤の「合格者数調整」ではないかと密かに考えている所です。(何の根拠も無いですがww)

もし、合格あるいはチャンピオンを狙っていらっしゃる方は、17組目に入ったら、今のトレンドが継続しているうちはガッツポーズをして下さい。通常よりかなり優遇されると思って良いと思います。(但し、16組目までに合格者数がかなり出ている場合は逆調整の餌食となる可能性がありますが。)

4.個別データ(2021年)

ではここから個別に見ていきましょう。まずは歌手別データです。

(1)歌手別回数 2桁はやっぱりあの女性歌手

10回 絢香
9回 
8回 松田聖子
7回 
6回 LiSA、美空ひばり、北島三郎
5回 Official髭男dism、嵐、
   五木ひろし、川中美幸、氷川きよし
4回 Mr.Children、西城秀樹、福田こうへい
   NiziU、小林幸子、石川さゆり、長山洋子

この表には、絢香×コブクロとか、五木ひろし・木の実ナナなどは含んでいませんが、おおよその傾向は掴めるかと思います。「NHKのど自慢」での『絢香』人気は絶大ですね。これ、分母が24回(432組)まで減っていることを考えると、2回に1回近いペースで絢香さんの曲が歌われている計算となります。

(2)歌手別合格率 3回すべて合格は意外な?

ではここから概算で2021年における「歌手別合格率」を見ていきましょう。

100% 3/3 桐谷健太(うち浦島太郎名義が2回)
     2/2 鬼束ちひろ、香西かおり、
         清水翔太、川崎鷹也、中孝介
 75% 3/4 長山洋子
 67% 4/6 美空ひばり
     2/3 DREAMS COME TRUE、Superfly、
         高橋洋子、島津亜矢、
         秦基博、福山雅治、優里
 60% 3/5 小林幸子
 50% 2/4 石川さゆり
     1/2 AI、いきものがかり、イルカ、
         ウルフルズ、ザ・ピーナッツ、シャ乱Q、
         劇団四季、高橋真梨子、坂本冬美、中森明菜
 40% 4/10 絢香(絢香×コブクロ含むと44.4%)
     2/5 福田こうへい
 38% 3/8 松田聖子

複数回歌唱かつ合格率が平均値を上回る歌手に限定

合格率100%の方は複数名いらっしゃいますが、抜けてるのは「桐谷健太」さんの安定感です。海の声の2回+「お家をつくろう」で計3回歌唱され、2021年は合格率100%でした。『海の声』は連勝→連敗の癖がありますが、今回は好調のフェーズだったと言えるでしょう。

その他、2回とも合格での100%の歌手は、よくも悪くも錚々たるラインナップでして、この歌手名が聞かれたら合格を覚悟した方が良さそうですww

川崎鷹也と並ぶ新顔としてはやはり優里でしょう。ドライフラワーが3度も歌唱され、2回合格(合格率66.7%)となっています。一方、「絢香」などは確かに合格率こそ平均より高いものの、10回中4回合格ですので、突出して高い訳ではないことを抑えておきましょう。

(3)曲別回数 あの方の朝ドラ主題歌が5回

今度は曲別(3回以上)でまとめてみるとこんな感じです。

5回
・にじいろ/絢香 (合格率40%)
4回
・二輪草/川中美幸
・Make you happy/NiziU
・カイト/嵐
3回
・だんな様/三船和子
・雪椿/小林幸子
・瑠璃色の地球/松田聖子
・じょんから女節/長山洋子
・勇気100%/光GENJI
・花/石嶺聡子
・負けないで/ZARD
・home/木山裕策
・HANABI/Mr.Chlidren
・ひまわりの約束/秦基博
・宿命/Official髭男dism
・炎/LiSA
・紅蓮華/LiSA
・ドライフラワー/優里
・虹/菅田将暉

絢香のうち5割に相当する5回が「にじいろ」です。ただ、重ねて申しますが、合格率自体は4割ですから突出して高い訳ではないことを申し上げておきます。20世紀の曲の中では「二輪草」が実質トップとなる4回相当です。

3~4回に関しては、ここ数年の曲もランクインされており、ヒット曲というものが「のど自慢」にも入ってきていることが感じ取れます。

(4)曲別合格率 2回とも合格は結構ある

ここから複数歌われ、合格率が5割以上の楽曲をリストアップしてみます。

100% 2/2
・みだれ髪/美空ひばり
・花/中孝介
・花束のかわりにメロディーを/清水翔太
・海の声/浦島太郎(桐谷健太)
・魂のルフラン/高橋洋子
・北の出世船/福田こうへい
・魔法の絨毯/川崎鷹也
・未来予想図II/DREAMS COME TRUE
67% 2/3
 じょんから女節、ドライフラワー、ひまわりの約束、紅蓮華、雪椿
50% 1/2
 115万キロのフィルム、365日の紙飛行機、SUN、
 なごり雪、レット・イット・ゴー ~ありのままで~、
 ロマンスの神様、三日月、天城越え、浪漫飛行

実は、2回歌って2回とも合格という曲は結構あります。ここらへんを中心に、過去のデータから、いわゆる私がいう「禁止曲」を選別していくべきかと思いますね。

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