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「アクアマン 失われた王国」:面白い要素がいっぱい詰まった楽しい作品なのだが、今一歩感を感じるのはなぜだろう、、

<あらすじ>
はるか昔、南極の氷河の奥深くに、世界を滅亡させる力を持つ伝説の兵器ブラック・トライデントが封印された。このブラック・トライデントは、失われた7つ目の海底王国の封印を解き放つ魔力を有していた。ある日アクアマン(ジェイソン・モモア)への復讐を誓うブラックマンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)が、ブラック・トライデントを見つけ出してしまう。邪悪な力が解き放たれていき、海底アトランティスの王アクアマンはかつてない脅威に立ち向かうため、人類を滅ぼそうとした罪で幽閉されたアトランティスの前王であり実の弟でもあるオーム(パトリック・ウィルソン)と手を組む。

KINENOTEより

評価:★★★
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)

「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019年)以降、シリーズ全体に失速感を感じるマーベルシリーズ(MCU)に対し、MCUほどの団結感というか、まとまりを感じないDCコミックシリーズの2023年最新作。まぁ、MCUは単発での力が弱く、どうしてもアベンジャーズ筋というか、シリーズとしてのまとまりの良さで魅力を発揮しているのに対し、「ジャスティス・リーグ」(2017年)で一度集合したものの、キャスト交代も多いDCコミック陣営の良さはMCUにはない単発での力の凄さ。本作「アクアマン 失われた王国」も、「ジャスティス・リーグ」後に製作された「アクアマン」(2018年)の続編でありながら、昨年(2023年)公開された同じDCコミック作品となる「フラッシュ」がバッドマンやワンダーウーマンが出てきたのと違って、アクアマン関連以外のヒーローが出てこないのに、十分に魅せる作品に作り上げているのがすごいなと思います。

本作の監督は前作に引き続き、「ソウ」シリーズを手掛けたジェームズ・ワンが手がけていることもあって、CG満載でも、出てくる海洋生物たちや武器・装置類などのギミックも含めて、観ていて楽しい。お話自体も前作の「アクアマン」で幼少期からヒーローとして自立し、海底王国の王として海に戻っていく話なのに対し、本作では前作で結ばれたメラとの間に子どももでき、アクアマンの親も含め、三世代家族で和気あいあいとするファミリー劇の要素も魅せながら、古きから続いている海の世界の伝説みたいなところから出てくる悪の存在であったり、環境問題なども含めた地上世界の存在であったりと、ダイナミックに物語が展開していくところなども見どころ十分に描いていきます。

ただ、そうはいいながらも、僕はちょっとうーんと思ってしまいました。上記の通り、楽しい作品ではあるんですが、見どころ満載なのに対して、展開がやや早すぎるところもあって、目の前に広がる楽しい世界を十分に楽しめる時間がない。おまけに、今回の作品でキーとなってくる弟・オームの存在も、MCUのソーとロキ(「マイティ・ソー」)に比べると、やや同じマッチョなイメージな凸凹コンビになっていると、ソー&ロキのバディものを観ている身としては、やや既視感も感じてしまうんですよね。。でも、こうはいいながらシリーズファンには必ず観て欲しい作品ともいえるので、評価がこういう微妙な感じになってしまうのは、是非観て感じて欲しいですね(笑)。

<鑑賞劇場>MOVIX京都 ドルビーシネマにて


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