Yuuki Endo@好奇心で冒険中

京都府八幡市に在住。医療・介護、障害者福祉、これらと働き方やIT技術を絡ませることに、…

Yuuki Endo@好奇心で冒険中

京都府八幡市に在住。医療・介護、障害者福祉、これらと働き方やIT技術を絡ませることに、興味のある研究者兼エンジニア。好奇心という武器を手に冒険をともにしてくれる人を募集。2023年より、映画感想文「キネマ宅配便!!」をnoteにて復活させることを模索。。

最近の記事

「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」:忘れられぬ想いのために動き出す老人。想いというのは結構自己完結しているもの。

評価:★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) イギリスの作家レイチェル・ジョイスの小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」を、ベテラン俳優ジム・ブロードベント主演で描いた作品。予告編にも感じるように、いかにも味わいサッパリなイギリスのヒューマン作品という体裁をとっているのですが、同じ巡礼旅が人気な日本にも結構通じるものがあるんじゃないかなと思います。”まさかの”という邦題のように、郵便を出していこうと思っていたところが、いきなり巡

    • 「小早川家の秋」:京都の酒蔵を中心に繰り広げる家族の悲哀劇。人生は滔々過ぎていく心地よさ。

      評価:★★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 午前十時の映画祭より。 「東京物語」(1953年)など家族を中心とした作品で著名な小津安二郎監督の1961年の作品。小津は1963年に60歳という(今でいえば、まだまだ若い)年齢で亡くなっているので、彼のフィルモグラフィーでいえば晩年に当たる作品となりますが、初監督作の時代劇「懺悔の刃」(1923年)から遺作となる監督作「秋刀魚の味」(1963年)まで54本の映画を手掛けているとされている

      • 「陰陽師0」:久しぶりの陰陽映画は安倍晴明がのし上がる前日譚。源博雅のバディコンビでシリーズ化望む!

        評価:★★★☆ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 今年(2024年)の大河ドラマは源氏物語を著した紫式部を主人公とした「光る君へ」であり、久しぶりに平安時代にスポットが当たった作品となり、舞台となっている京都でも、大河ドラマブームで様々な観光スポットがフューチャーされています。僕も小中くらいまでは小学館の歴史漫画シリーズにハマった口なので、社会でも日本史は結構得意でしたが、平安時代というのは日本史の中でも結構不思議な時代で、例えば一番身近な

        • 「マッドマックス:フュリオサ」:マッドマックスシリーズの最新作は前作の前日譚。盛り上がりシーンは前作以上だが、ちょっと盛り場が多すぎかも。

          評価:★★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 1979年に公開されたジョージ・ミラー監督、メル・ギブソン主演の終末映画「マッドマックス」がVFX満載でニューシリーズとして復活したのが前作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)。今回はその続編にあたるのだが、時間軸は巻き戻り、前作でシャーリーズ・セロンが演じた戦士フュリオサの若き日の物語を描く作品になっています。もちろん、前作でも登場した改造バイクやバギー、白の兵隊ウォーボー

        「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」:忘れられぬ想いのために動き出す老人。想いというのは結構自己完結しているもの。

          「ライド・オン」:引退を考えつつある元アクション俳優と老馬の人情劇。ジャッキーの半生をも捉える不思議フィクション劇!

          評価:★★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 香港とハリウッドを代表するカンフー・アクション俳優ジャッキー・チェン。今年(2024年)で70歳を迎え、映画出演としても50周年を迎える彼の新作は、まさに今の彼の状況をも作品に投影されるという不思議作品。ジャッキーはご存じの通り、スタントを使わないアクション俳優としても知られていて、スタントマンを主演としている本作は身近な話ではありますが、共演している馬のチートゥであったり、愛娘のエピソード

          「ライド・オン」:引退を考えつつある元アクション俳優と老馬の人情劇。ジャッキーの半生をも捉える不思議フィクション劇!

          「ミセス・クルナスvsジョージ・W・ブッシュ」:息子がテロリストと疑われ、収監された母親の奮闘記。実話なので重々しいから、もうちょっとコミカルさが欲しかったかも。。

          評価:★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 2001年9月11日、、全米どころか、世界中を震撼させたアメリカでの同時多発テロ。アメリカは国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビン・ラディンが首謀者と特定し、彼を捉えるためにアフガニスタンに侵攻を開始する。もともとアルカイダ自体は1988年のソ連・アフガン戦争の下で、ソ連への対抗勢力としてアメリカが支援し、その連携の中でアフガニスタンを治めていたタリバン政権との深いつながりをもっていた。ところが1

          「ミセス・クルナスvsジョージ・W・ブッシュ」:息子がテロリストと疑われ、収監された母親の奮闘記。実話なので重々しいから、もうちょっとコミカルさが欲しかったかも。。

          「ありふれた教室」:様々な人間関係の圧迫に押しつぶされる熱血教師。とっても面白いが、逆にとっても怖い。。

          評価:★★★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) この世の中は人間関係で成り立っている。おおよそ人間社会ができてから、仙人や狩人みたく、全てを自給自足で暮らしている人は今はいなく、どんなに山奥のへき地であろうが、海に隔たれた孤島であろうが、この世に住んでいる限り人と全く関わらない生活というのはできない。でも、逆に仕事でも、学校でも、過剰に人間関係を求められる場というのはあるもの。本作の舞台になっている学校も、その一つだろう。本作は、そんな

          「ありふれた教室」:様々な人間関係の圧迫に押しつぶされる熱血教師。とっても面白いが、逆にとっても怖い。。

          「関心領域」:人は悲劇が隣近所で起こっていてもシャットダウンできる生き物。アイディアは面白いが、、

          評価:★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 今年(2024年)のアカデミー賞国際長編映画賞と音響賞を受賞した、「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー監督作品。僕も誤解していたけど、本作の舞台になっている有名なアウシュビッツ収容所はドイツではなく、ポーランドの南部クラフク地方に存在している。なので、本作はドイツ映画ではなく、ポーランド製作の作品になっています。「関心領域」という題名と予告編の作り方も絶妙で、映画ファンの

          「関心領域」:人は悲劇が隣近所で起こっていてもシャットダウンできる生き物。アイディアは面白いが、、

          「夜明けへの道」:軍事クーデーターによって時代が巻き戻ったミャンマーの悲劇。当事者たちの声はなかなか届かない。。

          評価:★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 映画化もされた「ビルマの竪琴」で日本人にも深く知られる東南アジアの国・ミャンマー。もともとは周辺国と同じくイギリスの植民地であったが、第二次世界大戦で日本が占領し、激戦地化(「ビルマの竪琴」は日本兵として従軍し、その霊を沈めるべく戦後・僧侶として残った男の話)。戦後は一度イギリス統治に戻るが、1948年にビルマ連邦共和国として独立。連邦国という名称の通り、この辺りはもともとインドネシアなどと同じく

          「夜明けへの道」:軍事クーデーターによって時代が巻き戻ったミャンマーの悲劇。当事者たちの声はなかなか届かない。。

          「湖の女たち」:支配し支配される依存関係に潜む欲望。描く内容はひどく古典的だけど、なぜかスンとこない。。

          評価:★☆ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 「悪人」(2011年)や「怒り」(2016年)など映画化作品が多い、吉田修一による同名小説を「日日是好日」(2018年)の大森立嗣監督・脚本で映画化した作品。ある介護老人施設で起こった殺人事件で容疑者として浮かび上がった女性と事件を捜査する刑事の間に成立した主従関係と、同時並行で事件の真相に迫るサスペンスが並行して描かれていく。吉田修一さんの作品は結構人間のいやらしい本質性を突いた作品が多いのだ

          「湖の女たち」:支配し支配される依存関係に潜む欲望。描く内容はひどく古典的だけど、なぜかスンとこない。。

          「雲のむこう、約束の場所」:意味わからない新海作品の入門作品(笑)。絵がまだ疎いが、後の作品の起点となっていると(勝手に)思う。

          評価:★★★★☆ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 「君の名は。」(2016年)、「天気の子」(2019年)の新海誠監督のトリビュート上映第2弾は初期の作品では結構好きな部類となる、2004年公開の「雲のむこう、約束の場所」。先日観た「秒速5センチメートル」(2007年)に関しては、当時は感動したけど、今見ると印象が少し変わった作品だったのに対し、こちらは良くも悪くも(笑)、僕の中では印象は少しも変わらなかった。公開当時観たときも好きだった

          「雲のむこう、約束の場所」:意味わからない新海作品の入門作品(笑)。絵がまだ疎いが、後の作品の起点となっていると(勝手に)思う。

          「ミッシング」:子どもの失踪事件に見え隠れする人の善意。本当の優しさはもだえ苦しむ先にある。

          評価:★★★☆ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 日本の1年間の失踪数をご存じだろうか? 警察が発表している捜索願が出された件数は、夜逃げや逃走などの意図がある失踪件数も含むので、あくまで延べ人数に過ぎないが、約8万人ほどの数字でここ数年前後している。これは今僕が住む京都のとある地方都市とほぼ同じ人口。一地方都市と同じだけの人間が家族や友人、職場・学校などの関係場所から突然姿をくらましているだ。不思議なのは自殺件数がここ数年低下傾向で、20

          「ミッシング」:子どもの失踪事件に見え隠れする人の善意。本当の優しさはもだえ苦しむ先にある。

          「パリ、テキサス」:鬼才ヴィム・ヴェンダースによるロード・ムービー。孤独な男が息子の存在で一変する姿がキュート。

          評価:★★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 午前十時の映画祭より。 「ベルリン 天使の詩」(1989年)や近作では役所広司と組んだ「PERFECT DAYS」(2023年)が中高年を含めてクリティカルヒットした、ドイツの鬼才ヴィム・ヴェンダースの1984年の発表作品。予告編もあるように、カンヌ国際映画祭でも最高殊勲賞であるパルム・ドールを獲得しています。昨年の「PERFECT DAYS」のヒットもそうですが、日本人にとってヴェンダー

          「パリ、テキサス」:鬼才ヴィム・ヴェンダースによるロード・ムービー。孤独な男が息子の存在で一変する姿がキュート。

          「バジーノイズ」:好きなことをして生きていければいいという無気力青年を救う少女。自分を変えてくれる出会いはいつも重要!

          評価:★★★★☆ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 週刊ビックコミックスピリッツで連載されていたむつき潤の同名コミックを、「チア男子!!」(2019年)の風間太樹監督が脚本も含め手がけた実写映画作品。予告編でも感じるような主人公・清澄のシンプルライフを、団地というどこの都会にもあるような日常風景に埋め込みながら、”無印良品的”(笑)無機質な美しさを、ラストの動きのある場面まで統一化されているのが素晴らしい。それに打ち込み系MIDIミュージッ

          「バジーノイズ」:好きなことをして生きていければいいという無気力青年を救う少女。自分を変えてくれる出会いはいつも重要!

          「不死身ラヴァーズ」:両想いになると相手が消える謎のラブコメディ。アイディアは面白いが、お話は思ったほど、、

          評価:★★☆ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) 恋することをしたことがあるなら、誰しもこういうタイプの人は惹かれるということはあるでしょう。それは相手の髪型や身長・体重など見た目的なことかもしれないし、ちょっとしたことの動作だったり、足が早いとか、力持ちとかの特徴的なことかもしれない。僕も結構自認していることがあって、こういう要素を持ち合わせていると、ふっとした出会いがあったときに今でも惹かれてしまうという気持ち悪いオッサンであることの自認

          「不死身ラヴァーズ」:両想いになると相手が消える謎のラブコメディ。アイディアは面白いが、お話は思ったほど、、

          「バジュランギおじさんと、小さな迷子」:何事も断れない男が繰り広げる迷子探しの旅。対立する隣国をつなぐハートフルドラマ。

          評価:★★★★ (五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低) ヒンドゥー教大国であるインドと、イスラム国家のパキスタン。もともと植民地時代の18世紀には1つの国ではあったのですが、イギリス統治が終わった後に宗教的な理由によって2つの国に分裂。その後、インドを挟んで、東西に分かれていたうちの東パキスタンが西パキスタンから独立し、現在のバングラデュに。西パキスタンがそのまま国名をパキスタンとなったのが現在の地理情勢ということになります。やはりここも宗教間の

          「バジュランギおじさんと、小さな迷子」:何事も断れない男が繰り広げる迷子探しの旅。対立する隣国をつなぐハートフルドラマ。