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    大東駿介によるインタビューを集めたマガジンです。

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    映画『37 Seconds』の感想をまとめたマガジンです。

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佐々木俊尚インタビュー 〜もう一度リアリティを生きるために〜 後編

前編はこちらより。 インタビュー・大東駿介/テキスト・長畑宏明 佐々木俊尚 1961年兵庫県生まれ。愛知県立岡崎高校卒、早稲田大政経学部政治学科中退。毎日新聞社などを経て2003年に独立し、テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く取材・執筆・発信している。総務省情報通信白書編集委員。『時間とテクノロジー』『そして、暮らしは共同体になる。』『キュレーションの時代』など著書多数。Twitterのフォロワーは約78万人。 大東 このコロナ禍における被

    • 佐々木俊尚インタビュー 〜もう一度リアリティを生きるために〜 前編

      俳優・大東駿介さんによるnoteインタビューメディア『イエローブラックホール』、4人目のゲストはジャーナリストの佐々木俊尚さんです。佐々木さんは昨年、テクノロジーの発達により「過去・現在・未来」がフラットになった現代における「生」を解説した大作『時間とテクノロジー』を上梓(まさにこのnoteにてプロローグおよび第一章を公開中です)。本書は、「こうすればうまくいくよ」という自己啓発でもなく、かといって諦念を植え付けるのでもない、読者に多様かつ具体的な視座を与えることにより、各々

      • 松島倫明インタビュー 〜どの未来へ向けて「実装」していくのか〜 後編

        *前編はこちら、中編はこちらより。 テクノロジーも、環境とのインタラクションでもっとも適応したものが残っていくんです。強いから、じゃなくて、最適だから残っていく。大東 ひとつ疑問なのですが、松島さんは、同じテクノロジーという意味でインターネットはかつての鉄道だとおっしゃる。でも鉄道はZoomと違って、実際にその人の体を現地まで運んでくれるじゃないですか。そこでお伺いしたいのは、テクノロジーの中でも将来的に受け入れられるものとそうじゃないものの違いはどこにあるのかなと。 松

        • 松島倫明インタビュー 〜どの未来へ向けて「実装」していくのか〜 中編

          *前編はこちらより。 今ようやく、「リアルでできること」と「オンラインでできること」のガラガラポンが始まった印象大東 それはすごくよくわかります。僕も最近になって「太陽が気持ち良いな」とか「植物が綺麗やな」とか、そういうことに対する実感がすごく増したんですよね。松島さんもテクノロジーを生業にされている一方でトレイルランニングをされていますし、いつもナチュラルなものに繋がっている印象があって。 松島 まさにその話ですよね。「テクノロジーは何をエンパワーするのか」をもっと考え

        佐々木俊尚インタビュー 〜もう一度リアリティを生きるために〜 後編

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          松島倫明インタビュー 〜どの未来へ向けて「実装」していくのか〜 前編

          以下、『WIRED』日本版の編集長・松島倫明と大東駿介の初対談は、緊急事態宣言が発令されてまもなく、Zoomを使って収録されました。まずは、現在Netflixでも配信がスタートした『37 Seconds』とWIREDの意外な関わりから。 「WIREDはSF大作」っていうイメージがあるかもしれませんが、メディアとしてはテクノロジーや未来がどうっていうよりも、その時の社会や人間のアイデンティティについて掘り下げている大東 おはようございます。Zoomの背景を拝見するに、今日の松

          松島倫明インタビュー 〜どの未来へ向けて「実装」していくのか〜 前編

          佐久間宣行さん取材を大東駿介と振り返る

          今回は、前回まで二週に渡って掲載してきた佐久間宣行さんのインタビューを大東さんと振り返っていきます。 例えば、「宇宙」というものを描く時に、宇宙の知識だけを掘ればいいわけじゃない。 長畑宏明(担当編集) 佐久間さんの記事はかなり多くに人に読んでいただけたみたいで。たしかに読み返すたびに発見の多い内容でした。 大東駿介 佐久間さんは積極的に「番組の裏側」の話をしていて、この前のインタビューでも「語れないコンテンツは終わっていく」とおっしゃっていましたけれど、あの記事は、その

          佐久間宣行さん取材を大東駿介と振り返る

          佐久間宣行 インタビュー 〜表現において重んじていること〜 後編

          *前編はこちらより インタビュー・大東駿介/テキスト・長畑宏明/写真・岩渕一輝 佐久間宣行 テレビ東京プロデューサー。2005年から続く名物深夜バラエティ『ゴッドタン』の仕掛け人。「キス我慢選手権」や「マジ歌選手権」などリアルイベントも大盛況の人気企画はまさに佐久間さんの代名詞とも言えます。現在、ニッポン放送『オールナイトニッポン0』で水曜日のパーナリティを担当。 芸人さんには「困ったらこっちに行っていいですよ」っていうオチを用意するんですけど、そうすると心ある方は意地

          佐久間宣行 インタビュー 〜表現において重んじていること〜 後編

          佐久間宣行 インタビュー 〜表現において重んじていること〜 前編

          本日お招きするトークゲストはTVプロデューサーの佐久間宣行さんです。大東さんは、佐久間さんがプロデュースを手がけたコメディドラマ『潜入調査アイドル刑事ダンス』(2016)に俳優として出演したことをきっかけに、そこから『ゴッドタン』『ウレロ☆未確認少女』などでも現場を共にされてきました。今回は『37 Seconds』をモチーフとして、メディア論やお笑い論まで軽やかに展開していきます。 インタビュー・大東駿介/テキスト・長畑宏明/写真・岩渕一輝 佐久間宣行 テレビ東京プロデュ

          佐久間宣行 インタビュー 〜表現において重んじていること〜 前編

          CHAI取材を大東駿介と振り返る

          今まさに世界に羽ばたかんとする彼女たちの言葉から、インタビュアーを務めた大東駿介は何を感じ取ったのか。今回は、これまで二週に渡って掲載してきたCHAIのインタビューを振り返っていきます。 音楽は宗教的になりやすいものやし、それも悪くないけれど、僕としてはCHAIみたいなやり方の方が好きだなと。長畑宏明(担当編集) CHAIは楽曲の中でコンプレックスに対する前向きなメッセージを発していますが、本人たちは「応援歌ではない」とはっきり言っていましたよね。「むしろそういうのは嫌いだ

          CHAI取材を大東駿介と振り返る

          CHAI インタビュー 〜『37 Seconds』とバンドの共通項〜 後編

          *前編はこちらより インタビュー・大東駿介/テキスト・長畑宏明/写真・岩渕一輝 普段から褒めあうことで、逆に「これは表に出せないな〜」っていうコンプレックスもみんなと共有できるようになった。そうすることで初めて(深刻なコンプレックスも)受け入れられる。―ユナ大東 その“オトナ”の話は大事ですよね。僕の実家近くに障害者センターがあるんですが、ある時公園で車椅子がぶっ倒れた時に、子供は反応するんだけど、まわりの“オトナ”は何もしなかった。そこで、うわ、これは心の障害かもしれな

          CHAI インタビュー 〜『37 Seconds』とバンドの共通項〜 後編

          CHAI インタビュー 〜『37 Seconds』とバンドの共通項〜 前編

          2月7日、いよいよ映画『37 Seconds』が日本全国で封切られました。脳性麻痺を抱える一人の女性の精神的成長を描いた本作は、後半に入るにしたがって障害者と健常者の間にある壁が徐々に融解していき、鑑賞者も主演が障害者であることを忘れてしまう、という普遍的な人間ドラマの魅力をたたえています。その主題歌を務めたのが、スケールの大きなシンセポップに己のコンプレックスを乗せて宇宙まで届けんとするCHAI。はたしてCHAIというバンドの持つ文脈はどのように本作とリンクしているのでしょ

          CHAI インタビュー 〜『37 Seconds』とバンドの共通項〜 前編

          大東駿介が新しいメディアを始める理由

          このたび、HIKARI監督による映画『37 Seconds』の公開とあわせて、同作に出演されている俳優の大東駿介さんがインタビューメディア『イエローブラックホール』をスタートさせます。まずは、本メディアを立ち上げた経緯や理由について、本人にお話いただきました。なお、聞き手は編集者の長畑宏明が務めています。 何がリアルで、何が本物かっていうことに対して、すごく強く意識するようになった。 長畑宏明 まずは、映画『37 Seconds』公開のタイミングにあわせて、同作品に出演され

          大東駿介が新しいメディアを始める理由