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現場まで血が通う組織を。急成長ベンチャーのマネジメント変革|聴き合う組織をつくる『YeLL』のnote

厳選されたビジネス書の要約が読める読書サービス『flier』。2013年の設立以来、読書体験を豊かにするディスカバリーサービスとして人気を集めています。

今回お話をうかがったのは『flier』の運営を手がける株式会社フライヤーの代表取締役 CEO・大賀さんと、採用・人事マネジャーの永野さん。2020年の秋に、エールの社外1on1サービスをご利用いただきました。企業としてどのような課題を抱えていたのか、実際にYeLLの取り組みを活用してみて感じた効果、今後の期待についてお聴きしました。【編集部 奥澤】

評価制度導入には、日々のコミュニケーションが重要

——YeLLを導入しようと思われた背景について教えてください。

大賀さん:YeLLを導入したのは2020年の10月頃です。組織が急拡大していて、1年前と比べると倍ぐらいの規模になっていました。10人・20人ぐらいの少人数でやっていたときは、私自身が全てを見て評価をして…というマネジメントができていましたが、社員が40名を超えてくると物理的に難しくなってきた。そこで、目標管理や評価制度などを見直し、新たな組織体制を構築したいと考えていました。

永野さん:新たな制度として「OKR」などを導入することになったのですが、大賀さんが懸念していたのは、形だけの制度にならないかということでしたね。

大賀さん:ええ、そうです。新たな制度を導入し現場で効果的に運用しようと思った時、チーム内でのコミュニケーションがとても重要になると感じていました。マネジャーとメンバーの間で、対話を重ねていくことで、“制度そのものに生命を与えられる”というのが私の考えでしたから。

その時に、思い浮かんだのがエールの「社外1on1」サービスです。マネジャーに対話力、中でも「メンバーの声に耳を傾ける力」を磨いてもらいたいと思う中で、それであれば、まずは彼ら自身が「聴いてもらう体験」をするのが良いのではないかー。「聴く力」というのは、まずは自身が「聴かれる体験」があってこそ。それが近道であり、エールのサービスを通じて体験してもらいたいと考えたんですよね。


——「社外1on1」を始めるとお話をされたとき、社員の方の反応はいかがでしたか?

大賀さん:社員の反応は2パターンで、エールが掲げる「聴きあう組織」に共感してくれる社員と、面倒だな…と感じている社員。前者は、想定通りの効果は出るだろうと思っていて、懸念したのは後者のパターンです。多忙な中で毎週1回30分の時間を使うことに対して良い感情を持っていませんでしたので、その必要性について話をしました。

組織が急拡大している現状に照らし合わせながら、その上でマネジャーが担う役割とは何か、その存在意義を伝えスタートさせた流れです。

マネジャーからメンバーへの“感度”が、驚くほどに変化

——現場の反応はさまざまだったわけですね。導入後、変化はありましたか?

大賀さん:導入して何回か経ったころ、先ほどお話した導入に良い感情を持っていなかったマネジャーに話を聴く機会がありました。返ってきたのは「毎回、雑談のような感じですね…」という言葉。残念ながら、手応えを感じている様子はなかった。「週1回30分×12回」のセットでお願いをしていたのですが、回数が少ないのか、なかなか難しいのか…と思ったのが正直な感想でしたね。

ですが、変化はその後に訪れました。全12回の1on1を終えて、1ヵ月ほど経った頃でしょうか。そのマネジャーのマネジメントスタイルが明らかに変わっていたんです。これには驚きでした。


——具体的にはどのような変化があったのでしょうか?

大賀:メンバーひとりひとりへの考えや想いに対する感度が高まっていると感じましたね。

たとえば、グループメンバーに目標について話をするMTG。これまでの感覚でいくと、「こんなに高い目標…ムリムリ…」となる。それに対して、マネジャーは力技とまでは言わないけれど、無理に推し進める形になることが多かった。

ですが、マネジャーの対応がこれまでと全く違っていたんです。目標を伝えた後、そこにはメンバーの反応をみながら「どういうことに不安があるのか」「何に迷いを感じているのか」と耳を傾け、気持ちを通わせようと歩み寄っている姿がありました。メンバーも、マネジャーの対応を受けて、「難しい目標だけど、どのように進めていけばいいのか」と建設的に会話をしているんですよね。

永野さん:私は人事なので、そのマネジャーとは部門が異なるのですが、別部門から見ていても違いは明確。マネジャーが発信する言葉に各メンバーが真剣に向き合っていて、チーム全体に活気がみなぎっている。強い一体感が生まれていました。


——ご本人の中で“変わった”という感覚はあったのでしょうか?

大賀さん:自分ではそこまで強い認識は持っていなかったようです。私と話をする中で、「メンバーに対する心持ちが変わってきた、YeLLの取り組みの中で話を聴いてもらったことが大きいと思う」という話が出てきたんです。

半年ほど前のことを思い返すと、組織に対してモヤモヤする気持ちがあったそうなんです。そこからYeLLのサポーターと週1回30分の1on1を実施。半年ほど続けた結果、自分の気持ちが“スッキリ”していることに気づいたと言葉にしていましたね。

永野さん:その“スッキリ”という感覚、よく分かります。私も同時期にYeLLの1on1を受けさせてもらったのですが、自分の中にあるモヤモヤを言葉として発することで非常にクリアにすることができました。

心の“スッキリ”は、未来への一歩を踏み出す力になる

——永野さんのおっしゃる“モヤモヤ”とは何だったのでしょうか。よろしければお聞きしたいです。

永野さん:私の“モヤモヤ”は、当時「人事」と「読書コミュニティの企画運営」という2つの仕事を持っていたのですが、どちらも中途半端になってしまっていることでした。どちらかに振り切ったほうがよさそうだけど、でも両方やりたいし…と立ち止まっている状態。

1on1で話を聴いてもらう中で、改めて考えたとき、今、自分がやりたいのは「人事」の仕事だと気づくことができたんです。フライヤーという会社が拡大している時だからこそ、採用や組織開発といった領域を頑張らないといけないし、それが私の使命だと感じることができました。その上で、他にもチャレンジしたい仕事があるなら、裁量を狭めずにどんどんやっていったらいいんじゃない…と自分なりの答えを見つけることができた。目の前がパーッと開けた感覚でしたね。

あとは、YeLLの1on1で「永野さんは、人事のお話をしているとき、すごく楽しそうですね。イキイキとされています」と声をかけてもらったのも大きかったです。大賀さんにも同じことを言われましたよね(笑)

大賀さん:そうでした。永野さんにしても、変化のあったマネジャーにしても、“スッキリ”という感覚を得ていることが、とても重要だと思っていて。頭で理解するのではなく、心で理解することができているのだと思います。これは社員にとっても会社にとっても貴重な体験で、非常に価値があることです。“スッキリ”が、未来に向けての一歩を踏み出す力になると思っていますね。


——YeLLの取り組みを導入して、感じていることをお聞かせください。

大賀さん:私は、フライヤーのような小さな企業が、変化の激しいマーケットにおいて唯一勝てるものは、“スピード”だと思っています。こう進めれば上手く行くんじゃないかという仮説を立てて、周囲に遠慮することなく、素直に力強く進めていくことができる。PDCAを最速で回していくことができる。これこそが大企業にはない強みです。

そんな考えもあって、私が組織作りで大事にしていたのは、個人の強みや特性、その人が人生をかけてやりたいと思うことを受けとめ、業務と紐づけること。気持ちを汲み取った上で仕事にアサインしていくことをできる限りやっていきたいと思っています。やっぱりやりたいことをやっている人は、素晴らしい輝きを放つんですよ。エンジニアにしても、デザイナーにしても、編集にしても…自分の意志で仕事を推し進めることができるから、圧倒的にクオリティが高い。

だから、そういった個人の情熱やスピードを阻害するものはきちんと取り除いていきたいと思う。その一つが吐き出せない感情やモヤモヤ…といった気持ちなんだと思います。

YeLLの取り組みは、まさに制約を取り除く役割を担っているのだと感じていますね。そして、それは経営戦略という意味でも非常に大事な部分だと思っています。今後もYeLLの取り組みを上手く取り入れることで、企業の成長スピードをさらに加速させていけたらと考えています。

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いかがでしたでしょうか。
スピードが求められる急成長ベンチャーにおけるマネジメント変革。社員一人ひとりの能力を開花させ、組織能力を高める仕組みのヒントが詰まっているインタビューでした。皆様の組織開発、人材育成の一助になれば幸いです。


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