長阿含経典(日本語訳)読んでみた【原始仏教】
お釈迦様、とか御仏、と言えば大抵の日本人が知っているだろうし、お寺に行ったことがないという日本人は稀だろう。日本人はそれと意識するにせよしないにせよ、おおむね仏教徒が多い。
しかし同時に普段お寺を参拝するような人でも、もしかしたら釈迦がどんな人で、そもそも仏教の教えがどんなものかということを理解している人は稀かもしれない。
私もお寺は好きだしマニ車をゴルンゴルン回すのはすごくタイパが良くて好きだが、ぼんやり知っているだけで詳しく知ろうとはしなかった。
(※真言を唱えながらマニ車を回すと、マニ車に搭載されたお経を全部読んだことになるので回せば回すほど効率が良い)
しかし、最近になって長阿含経典の日本語訳を読む機会があった。
阿含経典は、「釈迦の言葉を忠実に反映した真正なる経典」とされ、最古の仏教経典と言われている。「長」とつく経典集は、全30経で、長いものを収めている。
上に挙げた本自体、分厚いハードカバーで全六冊だった。かなり分かりやすい日本語で書いてはあるが、そもそもが図書館から持って帰るだけで一苦労だったし、読むのはもっと苦労した。
何せ忙しい。仕事しながらエッセイ書きながらYouTube動画作りながら本を読む時間を捻出するのは至難の業だった。
まあこんな愚痴を書いたら釈尊(お釈迦様)に怒られるかもしれない……。
なぜ読もうと思ったのかというと、夏だしホラー小説が書きたいなと思い立ち、なんとなく地獄をテーマに書いてみようと思って地獄について調べるうち、長阿含経典に記載されているという八大地獄に関する話が面白そうだなと思ったのだ。別の世界や地下に地獄があるのではなく、現実世界の果てに地獄が存在するという世界観が独特で興味深い。
だからといって、なんで一から長阿含経典を読まなければならないのだろうか。我ながらすぐに極端に走る。
そんな訳で上に書いた通り通読したのだが、図書館の返却期限などの都合で、特に興味を持った「世紀経 地獄品」と「大縁方便経」以外はあまり深くは読めていない。
何か勘違いしている部分があったら申し訳ない。コメント欄で優しく教えていただけると嬉しい。なんせ間違った話を流布すると地獄に落ちてしまう。
さて、長阿含経典は、釈尊の一生や、説話などが収められた本なのだが、正直言ってかなり面白かった。
本質を突いた深い話が多い。
仏教の重要な考え方である縁起、因縁について書かれた「大縁方便経」は特に好きだ。私はもともといろいろあって般若心経が好きで暗唱できるのだが、般若心経で説かれる「すべては空である」という教えは人生を重ねれば重ねるほど深く納得できる。でも「大縁方便経」に書かれているのは、「すべては空である」というよりも、全ての物事には原因があるということだ。
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