見出し画像

会社を離れて思ったことを少し

Agile Japan実行委員のうへのです.この記事はAgileJapanEXPO Advent Calendar 2023 19日目の記事です.

赤い会社でアジャイル導入やアジャイル組織におけるQAの支援をしたあと,大学院留学のために会社を離れて3ヶ月.1セメスターで履修したリーダーシップのモジュールの内容や,イギリスのアジャイルコミュニティの興味関心と,Agile Japanのセッションで得た組織文化や日本の文化の話というのは,どうもうまく噛み合わなくて,消化しきれていないというのが本音です.

最近,ロンドンのアジャイルコミュニティにも出るようになったのですが,Agile Japanで数年前に取り上げられていたような「組織をアジャイルに変革するにはどうしたらいいか」「理解のない上司を説得するにはどうしたらいいか」みたいな話は全く聞かない.DXなんていう言葉も一度も聞いたことがない.どちらかというと,アジャイルというのはもはや当たり前でアジャイルという言葉すらきかない.大事なのはわかっているので,そこから先,具体的にチームや組織のドライブの仕方,組織心理的なところが興味の中心のような印象を受けています.

授業で受けるリーダーシップの話は,アジャイルとは直接関係がないけれど,サーバントリーダーシップ,Distributed leadership, shared leadershipの理論はもちろん習う.でも,アングロサクソンの文脈では,リーダーシップはもっと強くてトップダウン,カリスマティックなイメージが強い気がしますし,サーバントリーダーはアングロサクソン系の文化の人にとってみれば実はリーダーシップに見えないんじゃないか.そんな混乱がいま私の中にあるのです.

文化によってリーダーシップの捉え方も違えば,アジャイルの捉え方も違う.それはそうなんだけど,もっとミクロな視点で見ないと意味がない.それで,あなたはどう考えているのですか? その前提の違いに私は今右往左往しているのだと思うのです.なので,本来ならばもっと対話をしないといけない.

日本にいるかぎりだと,対話というものが足りないように感じられてなりません.前提すら説明しなくても済んでしまうことはありませんか? 私にもそんな経験はあります.でも,上司がアジャイルに理解がない,客先が理解がない…そうだとしたら,本当は話をしなくてはいけないはず.多分本当は話をしなくてはいけなかったのに,それを避けて来てしまったのです.なぜか相手と同じ前提で話ができていると思い込みがちですが,本来なら明示的に議論をしなければわからないことだらけのはずです.だって相手はあなたのお母さんではないのですから.全てを察してはくれませんよ,そうでしょう?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?