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ASDとADHDって?

*この記事は、すでにYouTubeやstand.fmで配信している音声を記事にしたものです。

よこはま発達クリニック・よこはま発達相談室の佐々木です。僕らは医師、心理士、ソーシャルワーカー、言語聴覚士、様々な専門職が連携を取りながら発達障害の方々の支援を専門にさせて頂いております。それ以外にも、色々な研修会だったり、こうした情報発信などもしておりますし、2021年の1月からは Facebook やこのnoteを活用し、有料のクローズのコミュニティを運営しています。常時200名を超える方々にご参加頂いており、毎週3000文字〜4000文字のコラム配信、月に1回リアルタイムでディスカッション、外部の先生をお招きしての対談を皆さんに配信しています。いずれも、皆さんから事前にご質問を頂き、可能な限り双方向のやり取りになるようにしています。基本的には Facebook でのご参加おすすめなんですけれど、実名登録が苦手な方は、note版ではコラム配信のみしておりますので、ご関心ある方は詳細をご確認ください。

ADHDって?

本日から、何回かに分けてADHDについてお話をしていきたいと思っています。ADHDという言葉は皆さんお聞きになったことがあるでしょうか?

日本語で言うと注意欠如・多動症と呼ばれたりもします。主な特徴としては、不注意、多動/衝動性、そしてもう一つが実行機能(プランニング)の領域すべて、あるいはいずれか(複数の場合もあり)において特徴があると言われています。

ただし、誰しもがうっかりミスをすることなどはあり、そうした特徴がある=診断というわけではありません。ADHDに関連する特徴が、日常生活上に影響を与える程度が大きい、つまり社会生活上に不都合が生じている場合には診断をクリアにすることで、具体的なサポートや工夫を考えていこう、となります。

ASDとは違う

「ADHDなので、感覚の敏感さもあります」
「ADHDだからコミュニケーションがあまり得意じゃありません」
「対人関係はあんまり得意じゃないので、ADHDかもしれません」

こうしたご意見を伺うこともあるのですが、ADHDに関連する症状は、上述したように「不注意・多動/衝動・プランニング」となっており、対人関係やコミュニケーション、感覚の問題などは含んでいません。これらはむしろ、ASD(自閉症スペクトラム)の特徴になります。

つまり、ADHDだけという場合にはこれらの特徴はみられないということになります。

どっちの特徴もある?

自閉症スペクトラムの概念を提唱した故ローナ・ウイング先生(当相談室代表である内山の師匠でもあります)は、ASDとADHDの特徴を併せ持つ方々が少なくないことを指摘していました。その後、さまざまな調査・研究がなされ、一昔前は、診断については併記してはならないというルールがあったんですけれども、「どっちの特徴も持つ人がいる。両方のサポートが必要であれば、診断も併記していこう」という具合に診断に関する捉え方も変わってきました。

特徴を見逃さない=不利益がないように

したがって、日々のご相談の中では、ASDに関連する特徴のある方であれば、あわせてADHDの特徴はないかなというのも確認していきますし、その逆も然りです(つまり、ADHDの特徴がある方であれば、ASDについても確認する)。

なぜなら、どちらの特徴もあれば、どちらの特徴に対しても工夫を一緒に考えていくことが大切だからです。

さて、本日はASDとADHDは併せ持つ方が少なくない、そんなお話をさせていただきました。

明日以降は、ADHDの特徴について、もう少し解説をしていきたいと思っています。ご関心ある方は続けてお聞きになっていただけると有り難いです。

では、本日も最後までご清聴いただきありがとうございました。

よこはま発達相談室
佐々木康栄


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